「幸福のチェッカー」のストーリー

テキサスの田舎町ブラゼルトン。ガンリン・スタンドのトイレから出て来たカー・レーサーのブルースター・ベイカー(ケニー・ロジャース)は、愕然とした。唯一の財産であるレーシングカーのエンジンとタイヤが消えていたのだ。彼は地方のレースを転戦するレーサーで、2年ぶりにレースに復帰しようとしていた矢先であった。レストランに寄ったブルースターは不審なヴァンを目撃し、あわてて追跡する。ハンドル操作を誤ったヴァンは、川に転落。中から出て来たのは、16歳の長女ブリージー(ダイアン・レイン)を頭とする14歳のドック、12歳のスイフティ、10歳のスティーヴン、9歳のルイス、7歳のハリーの六人姉弟だ。彼らは故障したブルースターのトレーラー連結部をわずかな時間で修理、メカにかけては天才的な子供たちであった。話を聞くと、両親が死んでみなし児になり、生活のために盗みをしていたという。そこへ保安官のビッグ・ジョン(バリー・コービン)がやって来た。彼は盗品を密売して金儲けをするだけでなく、協力しないと姉弟をバラバラに親戚に預けてしまうと脅していた。保安官は悪事がばれることを恐れて、ブルースターを留置所に閉じこめる。だが、子供たちが彼を救出して逃走に成功。ついて行きたいとせがむ子供たちともめた上、ルイジアナ州シェヴポートまでという約束が成立。この町でブルースターは、恋人のライラ(イリン・グレイ)と再会する。翌朝ブルースターは、仲間のレーサーが部品を盗まれたと騒いでいるので不安な気持ちで、自分のトレーラーの中を見ると、やっぱり中に部品が。ブルースターは子供たちを厳しく叱る。レースが始まった。彼のポンコツ車を整備したのは、子供たちだった。おかげで、ブルースターは復帰第一戦を4位入賞で飾った。ミシシッピでブルースターは宿敵夕ーク(テリー・キサール)に会う。かつてブルースターのメカニックだったが、自分もレーサーになりたくて、ブルースターの車に細工した悪い奴だ。ブルースターの車がトラブルをおこした時、六人組が現われ修理した。ついに彼は六人組をピットクルーとして雇うことにした。その夜、六人組はこっそリタークの車に細工した。夜遅くもどったブリージーを叱ると、彼女は飛び出していった。翌朝、見つけ出された彼女は、「私だって普通の高校生活を送りたい」と涙ながらに証る。ナッシュビル、フロリダ、ジョージアとブルースターは転戦し、子供たちはSix Packのユニフォームを着て働いた。ブルースターの活躍に、フォード社がスポンサーになることを申し出た。だが、子供たちが警察に保護されてしまった。彼はビッグ・ジョンに変装して救出に成功。ビッグ・レースのアトランタ500に出場することになった。だが、悪辣なタークはならず者を雇ってブルースターを襲わせた。林の中で意識のもどったブルースターは、ヒッチハイクでレース場へ。あわや失格という時に彼がもどり、レースが始まる。彼の車が先頭で、残りあと一周という時、子供たちがビッグ・ジョンによって連れ去られたのを知ったブルースターは、レースを放棄して追いかける。TVカメラの前でビッグ・ジョンを詰問。向うもブルースターが子供たちの保護者で安心したと言わざるを得なかった。ブルースターとライラは結婚し、子供たちも一緒にくらすことになった。(コロムビア配給*1時間48分)