「アバランチ・エクスプレス」のストーリー

タカ派とハト派の争いが続いている中、ソ連共産党中枢の地位にあるマレンコフ(ロバート・ショー)が、東側の情報を西側に提供してきた。それはウィンター計画なる細菌戦略に関する情報だ。ハリー(リー・マーヴィン)をリーダーとする西側の情報部員に与えられた任務は、西側に亡命するマレンコフの安全を確保しアトランティック急行でミラノからアムステルダムまで同行することだ。当然、このマレンコフと西側の動きをウィンター計画の主謀者ブニン(マクシミリアン・シェル)らも察知していた。いよいよ、アトランティック急行は、さまざまな思惑をのせミラノを発った。スイス領内に入った時、突然、警備タワーはアトランティックに赤信号を発した。タワーは既にブニン一味に占拠されていたのだ。雪原で激しい銃撃戦が展開される。紅一点のエルザ(リンダ・エバンス)も銃を構える。ハリーらのマシンガンが火を噴き、1つの危機は回避した。チューリッヒのブニンは、考えぬいた末、アルプスの第一関門サンゴタール峠を攻撃地点に決めた。一方、ハリーもサンゴタール峠が危険だと察知しスイスのパトロールにその地点の偵察を依頼した。峠で爆薬を仕掛けている2人のスキーヤーを見つけ、ハリーに緊急連絡を送るが、時はすでに遅く、爆薬は炸裂し、雪崩が起こった。ハリーは、後部車輛を切り離し列車重量を軽減させ列車はトンネルに逃げ込んだ。その策は成功しその直後雪崩が線路を呑み込んだ。またも失敗したブニンは、反ソ過激派のガイガーグループと取引きし、チューリッヒから彼らを刺客として列車に送り込み、ブニン自身も変装してアトランティックに乗り込んだ。マース橋にさしかかった時、またしても銃撃戦が繰り広げられた。形勢不利と判断して川岸に待機させておいたボートで逃走したブニン一味をガイガーグループを装ったハリーらが魚雷艇で追跡し、海上での銃撃戦が開始した。魚雷が爆薬の積んであったブニンの船に命中し、巨大な水柱と共に一味の野望は消えた。アムステルダムに着いたマレンコフをアメリカ行きの特別機が待ち受けていた。