「ユゴ 大統領有故」のストーリー

1979年10月26日、軍事独裁政権下の韓国。大統領(ソン・ジェホ)の側近として権力争いを繰り広げる3人の男がいた。傲慢なチャ大統領警護室長(チョン・ウォンジュン)、政界に影響力を持つヤン大統領秘書室長(クォン・ビョンギル)、そして韓国中央情報部のトップでありながら他の2人に押され気味のキム部長(ペク・ユンシク)。キムの部下・チュ課長(ハン・ソッキュ)は、『儀典課長』とは名ばかりの、大統領の宴会係としての役割に辟易していたが、信任厚い部長を裏切ることもできず、ジレンマに苛立っていた。この日、チャ、ヤンを従えての地方視察を終えた大統領の希望で宴会が開催されることになる。チュがいつものように接待係の女性の調達から料理の準備まで準備万端整えると、大統領を初めとする政府要人が続々と到着、宴会が始まる。その席で、勢いに乗ったチャに罵倒されるキム。大統領からも激しい叱責を受け、いたたまれず席を立つ。宴会場の外でキムに呼び出されたチュは、かねてから考えていた大統領暗殺の計画を今晩実行すると告げられる。動揺するチュだったが、キムに日頃の恩を感じている彼は断ることができず、部下数名と共に計画への参加を同意する。準備を全て整えたキムが銃を手に宴会場に戻る。手始めにチャに向けて発射すると、続けて大統領に引き金を引く。それを合図にチュとその部下は居並ぶ要人を次々と殺害。賑やかな宴会場が一瞬にして修羅場と化した。難を逃れたヤンによって病院に運び込まれた大統領だったが、既に息はなかった。急遽開催された国務会議の席上、ヤンの証言によってキムは逮捕。翌日、全国に戒厳令が発令される。そして、事件の捜査責任者に任命されたのが、次の韓国大統領となるチョン・ドファンであった。