ゴッドファーザー＆サンのストーリー

「ゴッドファーザー＆サン」のストーリー

ポーランド系移民のレナードとフィルのチェス兄弟が1948年に設立した＜チェス・レコード＞は、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、リトル・ウォルター、バディ・ガイなどの活躍で1950年代に一時代を築き上げる。＜チェス・レコード＞がロック・オーディエンスに向けて作ったのが1968年、マディの『エレクトリック・マッド』だった。ヒッピー・ムーヴメントを意識したサイケ・ロック色の強いサウンドは、当時賛否両論を呼んだが、今日ではその実験性・先進性ゆえに再評価されている。19世紀後半、南部の黒人労働者の中から生まれたブルース。1980年代初頭、ニューヨークの黒人街から生まれたヒップホップ。時代こそ違えど、どちらもストリートから生まれたブラック・ミュージックという点では共通している。黒人たちの生の感情を描き、ときには雇用人や社会への怒りを訴える両者の根底には、同じエモーションが流れていると言えるだろう。本作には、マディ・ウォーターズやハウリン・ウルフのライブシーン、そしてローリング・ストーンズのプレイベートショットなど、貴重なアーカイブ映像が収録。また、グラミー賞受賞歌手ココ・テイラーのシャウト、日本人ギタリスト菊田俊介のプレイ、シカゴで開催されたブルース・フェスティバルでのオーティス・ラッシュやアイク・ターナー、パイントップ・パーキンスら往年の名プレイヤーたちの野外パフォーマンスなど、貴重なライブ映像が続く。