「御夫婦円満哲学」のストーリー

フランスの女流衣装デザイナーであるトニは、アメリカの書家リーの絵に関心を持っていた。何とかして彼の注意を喚起しようとアメリカへ渡った彼女は、リーの好んで使うモデルのサリーはパリの美術界では物笑いの種だと故意に評判をたてた。こんなことからついにリーと近づきになったトニは、やがて親しくなって結婚することになった。新婚旅行は欧州へと決めたが、出帆間際にストライキが起ったので一応2人は帰宅した。ところが夫のリーがモデルのサリーと如何にも親しげにしているのを見て、トニは腹を立てて昔の友人フィリップの許へ走った。しかしふとした間違いから、彼女は衣装室へ閉じこめられたままで一夜を明かし、結局何事もなく翌朝リーの許へ帰って来た。彼女を愛しているリーは、申請のためにサリーを解雇して、その代わりにトニをモデルに絵を描いたが失敗する。リーはこの失敗を取り戻すため、人でシカゴへ行って新しい構想に苦心するが、トニの心はまだ何か釈然としないものがあり、夫の留守の間に離婚訴訟を起こす。リーは驚いてニューヨークへ引帰して来た。そして忠実な老女中マーサの計いで、トニの心もとけて2人は幸福な夫婦生活に入ったのである。