「小間使(1946)」のストーリー

1939年の春のある日曜日のロンドンの話である。ヒラリー・エームズは30人の客を呼ぶカクテル・パーティーを間近に控えて、排水管の故障のため台所で大騒ぎをしていた。そこに訪ねてきたのは彼の親友チェッコの一流作家ベリンスキーで、再会を喜び合っているところに、お待ち兼ねの鉛管屋が来るが、これが美しい女性なので2人はおどろくが、このクルニー・ブラウン嬢はアーン伯父さんに代わって修繕に来たという。そして見事な手際で2人をおどろかせた。その晩のパーティーでベリンスキーはベティ・クリームとその取りまきのアンドルー・カーメルと知り合い、カーメル家に厄介になることになった。クルニーはニーン伯父の膽入りでカーメル家の女中になっていたので、ベリンスキーは彼女に再会しておどろくが、クルニーの方がもっとおどろき、夕食の皿を取り落すという騒ぎであった。ベリンスキーは、風変りなこの娘に多大の興味をもち、イギリス風の旧家カーメル家は、ベリンスキーとクルニーという2人の型破りの人物の存在で、奇妙な空気か生まれる。クルニーは薬屋のウィルスンと知り合って求婚され、その母ウィルスン夫人の誕生日に招待されたりなどで多忙であった。一方、アンドリュースとベリンスキーの間にはベティをめぐって険悪な空気が生じ、アンドリュースは決闘を申し込むというところまでいってしまう。しかし、ベリンスキーの本当の心はクルニーにあった。鉛管職であるためウィルスンに嫌われたクルニーと共に、ベリンスキーはカーメル家を去ってアメリカに渡り、探偵小説作家として売り出した。