「パラサイト・イヴ」のストーリー

大学の薬学部に所属する生物学者の永島利明は、人間の細胞中にパラサイト(寄生)するミトコンドリアの研究を続けていた。ミトコンドリアはおよそ10億年前に初めて人類に寄生したと思われ、その最初のミトコンドリアは“イヴ”と呼ばれている。利明の結婚1周年の記念日、彼の妻・聖美が自動車事故に遭い、脳死状態に陥ってしまった。以前に腎バンクに登録していた聖美の腎臓は、腎不全に苦しんでいる麻里子という少女のHLAと型が一致し、彼女を担当する医師・吉住の手によって、移植手術が行われることになる。利明は移植に同意する条件として、聖美の肝臓を摘出してくれるよう、吉住に頼み込んだ。手術は無事に終わり、聖美の肝臓を手に入れた利明は、大学の実験室でその細胞の培養を始める。一方、聖美の腎臓を移植された麻里子は、拒絶反応こそ出なかったものの、体の不調を訴えていた。吉住と助手の大野は、彼女の腎臓内のミトコンドリアが異常なスピードで増殖していることに気づく。利明が培養していた肝細胞にも同様の異常が見られ、その培養液はまるで意志を持った生き物のように動き回るようになった。それは10億年前に人類にパラサイトしたミトコンドリア“イヴ”で、聖美の姿を借りて利明の前に現れたイヴは、彼の精子を搾取して去っていく。さらに大学の研究員・佐知子の体内に侵入したイヴは、学会の発表の場で人類の絶滅とミトコンドリアの解放宣言を行い、学会をパニックに陥れた。イヴは10億年もの間、究極の生命体を誕生させる時を待ち続け、聖美の体内で彼女をコントロールしながら、利明と聖美の運命をも操作してきたのである。究極の生命体を生み出すべく、イヴは次に健康な卵子を求めて麻里子の子宮を狙ったが、利明はイヴの中に眠る聖美の記憶に直接呼びかけ、麻里子を救い出すことに成功した。こうしてイヴの計画は阻止され、利明は聖美の記憶を抱いたイヴとともに炎に包まれる。

今日は映画何の日?

注目記事