「時の輝き」のストーリー

神崎由花は看護婦を志す高校生。看護実習で病院に来ていた彼女は、そこで偶然に、告白出来ないまま終わっていた初恋の人・シュンチに出会った。実習がキツい由花と入院生活が退屈で仕方のないシュンチは、すぐに中学時代の友人として仲良くなり、時は瞬く間に過ぎて行く。由花の実習期間の最終日、彼女はついにその思いを告白しようとしていたが、同じ思いを抱いていたシュンチに先を越されて告白されてしまう。夢が叶って恋人同士となった二人は、これまでにない楽しい夏休みを過ごした。しかし、そんな夏休みのある日、由花は一方的にシュンチから電話で別れ話を切り出された。シュンチはクラブの陸上競技に専念したいと言っていたが、二学期が始まって由花が久し振りに病院を訪れた時、彼女は顔見知りの看護婦からシュンチが再入院していることを聞かされる。シュンチは悪性の骨肉腫を患い、すでにそれは他の部位に転移して助かる見込みはないということだった。シュンチを見舞った由花は、卑屈になっていたシュンチに二度と来ないでくれと言われて気を落とす。そんな由花の姿を見て、親友の恭子は彼女を励ますのだった。由花は両親にも内緒でシュンチの看病をすることを決意し、昼は学校、その後は病院というハードスケジュールをこなしていく。だが、シュンチの命も残りわずかとなった冬のある日、由花と二人で散歩に出たシュンチは、陸上部の練習を見ているうち、最後のハイジャンに挑戦するのであった。三学期が始まって間もなく、シュンチの訃報が由花に届いた。安らかな寝顔のシュンチに、由花は彼の生命を受け継ぐように口づけをする。少し逞しくなった彼女は看護婦を目指して元の生活へ戻っていくのであった。