「宇宙大怪獣ドゴラ」のストーリー

二十世紀後半。科学の進歩は著しく、すでに人間衛星は広大な宇宙に向って飛び立ち、その未知の世界にメスを入れていた。TV衛星は、そなえつけのカメラで宇宙の景観を地上の受像機に送りつつ、地球四周目に入ろうとしていた。が、突然巨大な宇宙螢に襲われ、衛星は爆発した。この様子を地上の宇宙電波中継所で見ていた桐野技官らは色めきたった。それから数時間たった真夜中。宝石商、天宝堂に五人組の強盗が押しいった。そのとき、五人組の前にピンク色の固りが現われ、金庫にはりつき、次第にヒトデように変化していった。金庫はすごい勢いで白熱化していった。五人組は一目散に逃げだした。一瞬後、金庫は爆発し、怪物はどこへともなく消えていった。翌日現場にかけつけた警視庁外事課、駒井刑事、結晶構造学の権威宗方博士らは、この猛威に呆然とした。そんなある日、駒井刑事は、貯炭場を襲った大怪物が、竜巻のような勢いで石炭を吸いあげる光景を目撃した。同行していた桐野は、怪物の啼き声から、TV衛星を襲った宇宙螢と同種のものであることを断言した。事件はさらにひろがり、世界中をふるえあがらせた。国連は宇宙対策委員会を設けこの事件の究明にのり出した。業をにやした防衛軍は、ロケット弾を怪獣に打ちこんだ。弾は命中した。が、怪獣は細胞分裂を引き起し、無数に殖えて、その威力を増した。そのとき、この怪物によって筑豊の癈坑にうずまっていた、土蜂の大群がほじくり出され、怪物を追いかけ始めた。怪物は土蜂にさされると、ふくれ上って死んでいった。宗方博士はこれを利用して土蜂の毒素を集め、怪物にふりかけた。怪物は全滅し、地上に平和がよみがえった。