「カロリーナ」のストーリー

ローマの大会社の重役フランチェスコ(ヴィットリオ・ガスマン)は事業にも社交にもダイナミックで精力的。45歳こそまさに働き盛りと証明しているような男である。その彼も、孫が生まれ、"おじいちゃん"と呼ばれ、一大ショック。それに追いうちをかけるように息子のルカがガス自殺。その失恋相手が美人とはほど遠い貧弱な少女カロリーナ(アン=マーグレット)と聞いて、フランチェスコは彼女の母を訪ねた。ところがカロリーナはみちがえるほど美しくなっており、中年男に興味があるとフランチェスコにいいよった。フランチェスコは全身の血が騒ぐのを覚えた。そんな彼の前に戦友のタツィオが現れ、若い娘とつきあって一生を棒にふったという話を聞かされ、彼は考えさせられ、カロリーナとは絶対つきあうまいと考えた。が、カロリーナの強烈な誘惑の攻撃に、ついに彼女を抱いてしまった。かくてフランチェスコは完全にカロリーナ熱におかされてしまった。おかげでギックリ腰になったり、仕事中にいねむりしたり。その彼を妻のエスペリア(エリノア・パーカー)は疑わしい目でみつめていた。パリに絵の勉強に行くというカロリーナと一緒行こうとフランチェスコは置手紙をして家を出た。ところが、駅でカロリーナは汽車に乗らず人込みの中に消えて行った。しょんぼり家に帰ったフランチェスコ。エスペリアは置手紙など見なかったという顔で、家族と食事をしていた。安堵となんとなく物足りない複雑な気持ちでフランチェスコは席に着いた。