「お転婆女優」のストーリー

或る喜歌劇団のプリマ・ドンナなるコリンヌ・メルローズはナイルスバーグという小村で一座と別れたが、所持金もないので親切なタイニー・コルヴィンという老婦人の家に厄介になっていた。興行中彼女に言い寄って来たシムズンという金貸しを内職としている教会執事は、コルヴィン夫人に僅かの賃金を煩さく催促する。夫人は止むなくコリンヌに泣きついたが、もとより彼女にも金策の道はない。窮余の一策として彼女は舞台で演じる技巧をそのまま老執事に応用し、油断を見澄して彼の虚を突き、首尾よく夫人の借用証を取り戻す。かねて彼女に恋していた一座のテノールなるビリー・ペンローズはこの時一座を起こすに充分な金を調えて彼女を迎えに来た。しかしコリンヌは平和な村の生活の方を好み、ビリーに勧めて村一番の立派なホテルを経営することにする。夏でも来たら屋上に踊り場を作ろうというのが彼女の計画であった。