「激怒(1923)」のストーリー

帆船レディー・スプレイ号の船長ドッグ・レイトンは息子のボーイの弱虫なのを常に哀れんで時には激しく罵る事すらあったが、ボーイは常に父を愛していた。一等運転士のモーガンとボーイとは共にロンドンのライムハウスに住む孤児のミニーを恋していたがミニーはボーイに心を寄せていた。モーガンはミニーとボーイとが結婚しようとしているのを知って嫉妬の余り女嫌いのドッグにこの事を告げた。ドッグはかつて妻が敵の男と駈け落ちして以来世の中の女性すべてに憎悪の眼を向けていたのでこれを聞くと大いに怒りボーイに向けてミニーに傷のつく様な事を話した。日頃は弱虫と呼ばれて平気なボーイも、愛する女を悪く言われて初めて怒った。父のドッグは息子のこの元気に内心喜んだくらいであった。ドッグが突然心臓麻痺で死に瀕した時、彼は初めて息子に母の不義の始末を物語り、相手の男を発見して復讐するまでは結婚せぬ事をボーイに誓わせた。その後ボーイは落胆した母をゲラスゴーの暗黒街に見出した。そして不義の相手の男が一等運転士のモーガンであることを発見した。2人の間に猛烈な格闘が起り、ボーイは散々に撃ち負かされたが、2度目に激浪逆巻く大洋上に大格闘が演ぜられた時、モーガンは海中へ投込まれて最期を遂げる。復讐を遂げた彼は、ミニーと結婚する。