「女の顔(1941)」のストーリー

スウエーデンのストックホルム。アンサ・ホルムが経営している小さなレストラン。ある夜トリステン・バーリングは5、6人のお客をよんで宴会をしたが、勘定となると支配人のハーマンに貸しにしてくれと頼んだ。支配人は拒絶して店主に相談したらという。アンナは初対面の彼に貸しを決諾した。それはトルステンがテンナの見るも恐ろしい、みにくい顔の半面を見ても、さあらぬ体をしていたからである。彼の客のヴェラとエリックは、宴会中恋をささやいていたが、散会後エリックは引き返してきて、落とし物をしたようだがとハーマンに尋ねたが、何も見当たらなかった。エリックが紛失したのはヴェラの恋文で、翌日彼は5万クローネンの口止め料を要求された。ゆすった男はトルステンであった。一方セゲルト医師の妻ヴェラを訪れたアンナは、秘密を夫に知られたくなければ10万クローネン渡せと強請った。そこにセゲルトが帰って来たので、ヴェラはアンナに隠れてもらった。何かあるとにらんだ彼は隠れているアンナを見つけ出した。外科医の彼はアンナの顔に興味をひかれ、傷あとをまったく消してやるとうけ合った。セゲルトの整形で美をとりもどしたアンナに、医師は心を引かれた模様であった。彼は妻の不貞をすでに知っていたのである。いつまでも借りを払わぬトルステンにアンナが請求すると、叔父のマグナス・バーリングの莫大な財産が取れたら払うという。そのためには叔父の孫ラルスを何とかせねばならぬ、それまで待てといい、彼女を誘ってバーリングの別邸へ赴いた。アンナはてを貸すつもりであったが、ラルスに奪われ良心に目覚める。そしてトルステンの悪企みを告げた置き手紙を残して立ち去ろうとする。ところがその日トルステンがラルスをソーリ乗りに連れ出したので、アンナは危険を感じ後をつける。トルステンはラルスを乗せ、ソリを矢のように走らせる。アンナもソリで追ったが、間に合わぬと知って、トルステンを狙撃し、ラルスを救った。殺人犯としてアンナは法廷に立った。しかし彼女の置き手紙が善意の証拠とみなされ、無罪放免され、離婚したセゲルト医師の妻に迎えられた。