「巴里(1924)」のストーリー

技手ジャン・フルーリーは歓楽を顧みず研究に没頭していたが、隣の娘エーメ・ヴァロアを深く愛した。彼は発明家ルウレーの弟子であるが、その新発明の機械をジャンの勤先ルヴォアルの工場で製作することになったので、彼は監督の任に当った。裁縫店の縫女工エーメはある日仕立物を女優シュジー・デローズの許に届けに行って、ふと華やかな生活に心を奪われ母や恋人の止めをもきかず女優となった。ジャンは胸の悲痛を消すべく仕事に熱中した。新機械の完成に近づくと共に買収しようとする資本家が現れたが、アルペロフは多勢の中の最も熱心な一人であった。エーメの女優生活はやがて幻滅であった。ある晩アルペロフに伴われてカフェを歩いて行く途中をジャンは垣間見て絶望した。アルペロフに暴行されようとしたエーメはそれを脱れると母の家に帰った。アルペロフは機械設計図の一部を盗み、他の部分を得るためにジャンを訪れた。争いが始り、ジャンは高い所から突落される。勝誇ったアルペロフは機械の爆発のために惨死し重傷を負ったジャンはエーメの介抱によって救われ、二人は真の愛と労働とに生きた。