「島のならず者」のストーリー

インド洋、ウェルカム群島のバル島という熱帯の島。ここにいる白人は謹厳な宣教師のオーエン(ポール・ロジャース)、妹マーサ(グリニス・ジョンズ)、そして呑んだくれのテッド(ロバート・ニュートン)の三人だけでジョーンズ兄妹はテッドをひどく嫌っていた。この島の植民地弁務官として赴任してきたユアート・グレイ(ドナルド・シンデン)は乱暴を働いたテッドを三カ月の重労働に処し、テッドは原住民の囚人達と隣島マプチチで働くことになった。刑期もあと一週間で終ろうという時、島の酋長が盲腸になり医術の心得あるオーエンが病気だったので妹マーサが代りにマノチチに来た。手術は成功したがマーサは原住民まじない師の恨みを買った。怪我をした象にやさしく手当してやったマーサはその象を連れて舟着場へ行った。しかしそこには刑期を終えてバル島に戻るテッドがいた。船の故障で近くの島で一夜を過さねばならなくなったマーサはテッドを警戒して外科用メスを手に寝たが、翌朝目を覚すと毛皮が一枚かけてあった。マーサはそれ迄彼を誤解していたのに気付いたがテッドは全く無頓着だった。バル島に帰った夜、オーエンはテッドを夕食に招いたがテッドは又もや泥酔の末乱闘騒ぎで逮捕された。弁務官グレイはついに郵船のあり次第、テッドを濠洲へ追放することにした。その頃、近隣の島々にコレラが発生してテッドの追放も一時中止となったが、マーサは彼を助手にしてコレラ撲滅のため島々を巡回した。二人がマプチチ島に赴くと島のまじない師は島民を煽動して反抗を示した。マーサの治療した酋長の娘も手遅れで死亡し、一同は木にしばりつけられ聖象に踏み殺されることになった。原住民の助手を踏み殺した聖象は次にマーサに向ったが彼女を見ると象使いを自分の背から叩き落した。先日マーサが治療してやった象だったのだ。驚いた酋長は二人を釈放し、間もなくコレラも征服されて島に平和が戻った。呑んだくれのテッドはマーサとの結婚を控えて改心して酒を断ち、マーサも見違えるように女らしくなった。