「黄金の夢」のストーリー

今から50年前のことである。オーストラリア、メルボルンの歌姫と人気の高いキットは、夫が在金全部を金鉱に注ぎ込み、しかもそれは全く失敗に終って無一文になったため、愛子ティムと3人でケープタウンへ流れてきた。この町には金鉱目当ての荒くれ男共が集まっているので、人気の荒いことはなはだしかった。腕自慢の夫ドビーは、その空気に巻きこまれて腕力そふるったので、たちまち6週間の拘留に処せられた。キットとティムはその日の食にも困って来たので、彼女は土地の顔役ヤンキー・ゴードンの経営するキャバレェで歌うことになった。ゴードンは今まで雇っていた踊り子のバールをくびにしようと思っていた時なので早速キットを働かしてみるとたちまち店の人気者になった。その内に彼はいつしかキットに愛情を感ずるようになる。拘留をとかれて出て来たドビーは、それを見て2人の間に疑いを持ち、自棄酒をあおっているとき、バールが彼を巧くそそのかしたので、彼はキットに結婚を言い渡すと腕力をふるってキットの店に暴れ込んだりして、いっぱしのボクシング家気取りでつよがっていた。これに目をつけたゴードンは店内にボクシング場を設け、キーラーとドビーを試合させることにした。ドビーは勇んでリングに立ったが、見事キーラーのために倒され今更ながら自分の無鉄砲に愛想をつかすのだった。ちょうどその時金鉱が発見された報せが町中へ飛び、人々はドビーを残して山へ去って行った。1人でいる彼のところへ来たのはティムを連れたキットであった。夫婦はめでたく仲直りをすると、ドビーは今度こそ失敗はせぬという意気で、再び金脈を探るべく勇んで出発した。