「美わしの都」のストーリー

ニューヨーク・イーストサイドにイタリア人のジフルディ母子は3人で貧しく暮していた。弟のトニーは花を売って正直に商売をしたが兄のカルロは小泥棒を働いては時折まとまった金を持ってきた。何も知らぬ母は一途にカルロは働き者で弟は意気地無しと思い込んでトニーには辛く当たった。しかしトニーは心底から彼を信じてくれる利かぬ気のアイランド娘モリー・オコンナーに逢っては慰め合っていた。兄のカルロは元より心からの曲者ではなく、ニック・ディ・シルヴァという表面は中華劇場の支配人をしている悪漢に威嚇されて悪事を働いていた。ある時悪事が発覚して警官に押さえられんとした時トニーはカルロを深く愛している母の嘆きを思い遣って自ら罪を引き受けて下獄した。唯1人モリーはトニーの潔白を信じていた。刑期満ちてトニーは娑婆に出てみると兄は未だにニックの手先となっているので心痛し、ニックを殺しに行こうとしたがモリーに止められた。ニックはトニーの邪魔立てでカルロが思うようにならぬので腹を立てジラルディの住居に来て母親に聞こえよがしにカルロの悪事を言い立てようとしたので、かくては自分の犠牲も水の泡とトニーは怒ってニックに組付くとニックは拳銃を放って遁れた。母が弾を受けて重傷を負ったのでトニーは興奮してニックを追跡して格闘した。天運尽きたニックは屋根から屋根に飛び移ろうとして墜落死した。母の傷は浅かった。トニーはモリーと楽しい新婚旅行の途についた。