オダジョー『恋する惑星』の名カメラマンと挑む意欲作

2019年3月12日
オダジョー『恋する惑星』の名カメラマンと挑む意欲作 ウォン・カーウァイ監督作品の名カメラマンとして知られるクリストファー・ドイルと公私のパートナー、ジェニー・シュンが共同監督した『宵闇真珠』に主演したオダギリジョー。映画は、香港の外れにある漁村を舞台に、日光を浴びるとやせ細って死んでしまう奇病におかされた白い肌の少女(アンジェラ・ユン)が、異邦人(オダギリ)との出会いによって、世界を知るという現代の寓話のようなストーリーだ。この後、オダギリはドイルを撮影監督に迎え、長篇映画(題名、内容ともに未公表)で初監督に挑戦している。オダギリが見たドイルは、どんな人物だったのか? 「オファーには、ただただ驚きました。今まで接触があったわけでもないし、映画祭で会ったこともなかったので、えっ、僕でいいんだ…と。ウォン・カーウァイ監督とクリスが作った映画を見て育ったので、台本を読む前に、ぜひやりたいですと答えました」 オファーとともに映画のイメージ映像も添付されていた。本作のロケハンでの映像とオダギリの出演作を織り交ぜたものだった。 ++++++++++++++++++++++++++++++ インディーズなものまで見てくれていた 「キム・ギドクの『悲夢』やブラジルで撮った『プラスティック・シティ』…。こんなインディーズなものまで見てくれているんだと、嬉しかったですね。それがすでにいい映像だったので、良い作品になりそうだなと思いました」 初対面は2016年後半、衣裳合わせを行った香港だった。 「最初にいただいた台本の設定はミュージシャン。ギターを激しく弾くシーンもあったんです。だから、日本で30〜40着くらい衣裳を集めて、“自分がイメージするのはこういうものだけど”と、すり合わせした方がいいだろうと思ったんです。香港でも衣裳は用意されていたんですけど、クリスは僕の熱意やアイデアを信用してくれ、『ジョーが持ってきたものの中から決めよう』と言ってくれました。それが信頼関係みたいなものができた瞬間だったのかな」 と振り返る。「サカモト」という役名を、劇中では名前を呼ばれることもなく、過去や生活を窺わせるシーンは一切ない。正体不明の役どころだが、それがかえって想像力を掻き立てる。 ++++++++++++++++++++++++++++++ 役柄についての説明や話し合いはなかった 「衣裳合わせの段階でもらった新しい台本ではアーティストに変わっていたんです。どうしようかと話したんですけども、クリスは『ジョーがいいと思った衣裳なんだからこれでいこう』というわけです。自分の展覧会をぶち壊すみたいなシーンや、エージェントとのやりとりも撮影したんですけども、結局は全部カットになって、最終的には職業が分からなくなりましたね」 役柄についての詳しい説明や話し合いの機会はなかった。 「クリスは『何か思うことがあったら、話し合おう』と言って、何度かそういう機会を作ってくれました。でも、会うと、『とりあえず、ビールでも飲もう』と始まり、役の話は一切しない。その代わり、作品に関しての想いや今の香港事情についてとか、広い話をするんです。役に関しては『もうちょっと撮影が近づいたら、話そうか』と。で、近づくと、『現場でいいよ』と。でも、結局、最後まで、役については話さなかった」 このインタビューの続きは『キネマ旬報』12月下旬特別号に掲載。今号ではオダギリジョーのインタビューのほか、1919年の創刊以来今年で100年を迎える『キネマ旬報』が「1980年代ベスト・テン 外国映画篇」を発表。誰もが知るあの名作もランクイン!? 評論家・ライターの作品解説とともに掲載している。(敬称略) 取材・文=平辻哲也/制作:キネマ旬報社 インタビューの続きや『キネマ旬報』12月下旬特別号の「1980年代ベスト・テン 外国映画篇」の詳細はこちらから↓



映画専門家レビュー

今日は映画何の日?

NEW今日誕生日の映画人 12/8

和久井映見(1970)

さんかく窓の外側は夜

ヤマシタトモコの心霊ミステリー漫画を「おじいちゃん、死んじゃったって。」の森ガキ侑大監督が実写化。幽霊が見える三角は除霊師・冷川と共に除霊をすることに。二人は一年前に起きた連続殺人事件の調査にあたるが、発見した遺体には呪いがかけられていた。除霊師の冷川理人を「伊藤くん A to E」の岡田将生が、霊が見える特異体質を持つ三角康介を「走れ!T校バスケット部」の志尊淳が、呪いを操る女子高生ヒウラエリカを「響-HIBIKI-」の平手友梨奈が演じる。

小説の神様 君としか描けない物語

相沢沙呼による青春小説『小説の神様』を「HiGH&LOW」シリーズの久保茂昭監督が映画化。真っすぐで繊細な売れない高校生小説家・一也と、同級生の人気女流作家・詩凪。そんな2人が編集者から下されたミッションは、協力して大ベストセラーを生み出すことだった。出演は「センセイ君主」の佐藤大樹、「キングダム」の橋本環奈、「初恋 お父さん、チビがいなくなりました」の佐藤流司。
稲垣吾郎(1973)

ばるぼら

手塚治虫が1970年代に発表した大人向け漫画を、稲垣吾郎&二階堂ふみW主演で手塚眞監督が実写化。ある日、人気小説家・美倉洋介は酔払った少女ばるぼらに出会い、家に連れて帰る。大酒飲みで自堕落な彼女だったが、美倉は奇妙な魅力を感じ追い出せずにいた。共演は「柴公園」の渋川清彦、「いちごの唄」の石橋静河。第32回東京国際映画祭コンペティション部門正式招待作品。

海辺の映画館 キネマの玉手箱

大林宣彦監督が20年ぶりに出身地である広島県尾道でメインロケを敢行、戦争や映画の歴史を辿るファンタジー劇。尾道の海辺にある映画館が閉館の日を迎え、日本の戦争映画大特集のオールナイト興行を見ていた3人の若者がスクリーンの世界へタイムリープする。大林作品に多数出演する厚木拓郎と細山田隆人、「武蔵 -むさし-」に主演した細田善彦が銀幕の世界にタイムリープし移動劇団『桜隊』の運命を変えようとする3人の若者を、『桜隊』の看板女優を「野のなななのか」「花筐/HANAGATAMI」と近年の大林作品を支える常盤貴子が演じる。第32回東京国際映画祭Japan Now部門にてワールドプレミア上映、大林監督に特別功労賞が授与された。

NEW今日命日の映画人 12/8

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