オーケストラの少女 のユーザーレビュー

オーケストラの少女

ストコフスキーの指揮するチャイコフスキーの第5シンフォニーに満場の聴衆は聞き入っている。楽屋口の群衆に混じって失業楽士のジョンが今日こそは直談判してオーケストラのメンバーに加えてもらおうと待っていたが、すげなく楽屋番に追い払われた。淋しく帰る足元に見いだしたのは女持ちのがま口である。悪いとは知りながらその金を部屋代に融通した。アパートの人たちは彼がストコフスキーの許で働くことになったものと思ってお祝いの会を開いた。声楽家を志している一人娘のパシィが喜ぶ様子を見ると、どうしてもジョンは本当のことが言えなかった。隣室にいる失業楽士マイケルにだけ真実を話して、翌日は練習に行くふりで家を出た。しかしパシィは父の初練習を聴こうとホールへ出かけて、父が嘘をついたのを知った。ジョンは泣きだした娘に本当のことを打ち明けた。パシィは持ち主のフロスト夫人にそれを返しに行った。フロスト家ではパーティーの最中で、夫人はとっくに落としたがま口なんか忘れていた。パシィは真相を夫人に打ち明け、失業している父を救うためオーケストラを作りたいと話した。彼女の歌に驚嘆した夫人はメンバーが揃ったら後援しようと約束する。ジョンは 100人の失業楽士を集めて失業交響楽団を組織した。次の朝から古倉庫の中で練習が始まったけれど、パシィが金をもらいにフロスト夫人を訪れると、気まぐれな夫人は欧州旅行に出発した後だった。パシィはフロスト氏に頼んでオーケストラを見てもらったが、彼は頭から後援を拒絶して怒ったジョンに殴り倒される。パシィはストコフスキーに指揮を頼もうと彼の練習場へもぐり込んだ。オーケストラはモーツァルトの「ハレルヤ」の練習を始める。どこからかパシィの美しい歌声が流れてきた。ストコフスキーは彼女のすばらしい歌声を称賛したが、失業楽壇の指揮は承知しなかった。ある夜、ストコフスキーがピアノを弾いていると、突然階下から「ハンガリアン・ラプソディ」のオーケストラが聞こえてきた。扉をあけると失業楽壇が階段から広間まで占領して一生懸命の演奏をしている。その水際だった演奏に引き入れられたストコフスキーは、いつか立ち上がって得意のノン・タクトの指揮を始めた。それから間もなくストコフスキー指揮のもとに失業交響楽団の晴れの演奏会が開催された。壇上から彼はパシィを聴衆に紹介した。パシィは喜びに胸が一杯だった。彼女と顔馴染みのタクシー運転手も盛装して3階席から声援した。ストコフスキーが手を挙げ、オーケストラは一斉にベルディの「トラビアタ」の曲を始める。歌うパシィとトロンボーンを吹く父ジョンの顔はうれしそうに微笑むのであった。
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映画専門家レビュー

今日は映画何の日?

NEW今日誕生日の映画人 6/25

リンダ・カーデリーニ(1975)

カポネ

実話に基づき、伝説のギャング、アル・カポネの最晩年を描いたドラマ。1940年代半ば。長い服役生活を終え、フロリダの大邸宅で家族や友人たちに囲まれ、静かに隠居生活を送るカポネ。だが、そんな彼をFBIはいまだに危険視し、監視を続けていたが……。出演は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のトム・ハーディ、「ハウス・ジャック・ビルト」のマット・ディロン、『ツイン・ピークス The Return』のカイル・マクラクラン。監督・脚本は「クロニクル」のジョシュ・トランク。

ラ・ヨローナ 泣く女

「死霊館」シリーズの生みの親ジェームズ・ワン製作の下、中南米に伝わる怪談を映画化。1970年代のロサンゼルス。不可解な死を遂げた子どもの母親の警告を無視したソーシャルワーカーのアンナは、自分の子どもたちと共に恐ろしい怪現象に遭遇する……。出演は「ハンターキラー 潜航せよ」のリンダ・カデリーニ、「アナベル 死霊館の人形」のトニー・アメンドーラ。
牛原千恵(1966)

ひめゆりの塔(1982)

太平洋戦争末期、全島が戦場と化した沖縄で、ひめゆり部隊と呼ばれ陸軍病院に配属された乙女たちのはかない青春を描く。28年ぶりの再映画化は脚本・水木洋子、監督・今井正と同じコンビ。前作では果たせなかった沖縄現地ロケを行ない、撮影は「裸の大将放浪記」の原一民が担当。

ゆき

天界からやってきた少女ゆきが、弱い百姓と共に戦う姿を描く。斎藤隆介の原作のアニメーションで脚本は宮崎晃、監督は「あにいもうと(1976)」の今井正がそれぞれ担当。

NEW今日命日の映画人 6/25

ラウ・カーリョン(2013)

セブンソード

武侠映画の第一人者ツイ・ハーク監督が、中国、香港、台湾の人気俳優を起用し壮大なスケールで描くアクション巨編。中国を代表する武侠小説の大家、リャン・ユーシェンの『七剣下天山』に基づき、清軍の蛮行を阻止するため立ち上がる7人の剣士の活躍を描く。出演は、香港四天王のレオン・ライ、「HERO」のドニー・イェン、「香港国際警察/NEW POLICE STORY」のチャーリー・ヤン他。

ペディキャブ・ドライバー

40年代のマカオを舞台に、ペディキャブ(自転車で引く人力車)の車夫が、恋に喧嘩に大活躍するアクションもの。監督・製作・主演の3役をこなしたのは「五福星」シリーズなど諸作で知られるサモ・ハン・キンポーで、彼の80年代の活動における集大成というべき一編。脚本は「ハードボイルド 新・男たちの挽歌」のバリー・ウォン(王晶とは別人)と「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のユェン・カイチー、音楽は「誰かがあなたを愛している」のローウェル・ロー(助演も)、美術は「恋する惑星」のウィリアム・チョン。共演は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズのモク・シウチョン(マックス・モク)、「スウォーズマン/女神伝説の章」のファニー・ユン、「ツイン・ドラゴン」のニナ・リー、「山中傅奇」「空山霊雨」のスン・ユエなど。また、サモ・ハンの人脈を反映して、「霊幻導士」シリーズのラム・チェンイン、「酔拳2」のラウ・カーリョンたちがカメオ出演している。別邦題「帰って来たデブゴン 昇龍拳」。