京マチ子 キョウマチコ

  • 出身地:大阪市港区八幡屋町の生まれ
  • 生年月日:1924/03/25
  • 没年月日:2019/05/12

略歴 / Brief history

父・石田治三郎と母・矢野保子の一人娘だが、三歳のとき両親が正式な結婚ができぬまま別れ、29年に父がブラジルへ渡って音信不通になったため、母と祖母・マツによって育てられる。しかし、いじけることなく、自分が正しいと思えば男の子とでも取っ組み合いの喧嘩をするような元気な子として育つ。30年に港区の石田小学校に入学。度々の転居で36年に吾妻小学校を卒業。踊りが好きだったことから卒業と同時に大阪松竹少女歌劇団(OSSK、42年5月に大阪松竹歌劇団=OSKと改称)予科生募集に応じ、二千人以上の受験者のなかから八十人が選ばれ、そのうちの最年少の合格者として入団した。京マチ子という芸名は、このとき母と祖母が夜どおし考えてつけてくれたものである。半年間の養成期間を経て同年、大阪劇場(大劇)での公演『ハッピー・フェロー』に土人の子供にふんして初舞台。ライン・ダンスのその他大勢にも出る端役だった。三笠静子(のちの笠置シヅ子)が売り出したころだったが、本科生、研究生、技芸員と進み、40年の『春の踊り』にはベスト・テンに選ばれ、男役のスター勝浦千浪とデュエットを踊り、娘役として売り出し、生来の負けじ魂と、ずばぬけた脚線美とで43年には幹部待遇となる。44年、松竹下加茂の井上金太郎監督の時代劇「天狗倒し」に尾上菊太郎と共演の桑野通子の妹役で映画初出演。続いて溝口健二監督「団十郎三代」44にも助演。いずれもOSKからの特別出演というかたちだった。戦後の47年、幹部に昇進。恵まれた上背と素晴らしい脚線美とを武器にレヴュー・ダンサーとして本領を発揮するようになり、戦後の解放ムードのなかでOSKの先輩・笠置シヅ子がブギウギの強烈なリズムによる歌と踊りをもって、いちやく人気スターとなって間もなく、彼女も、48年5月、浅草・国際劇場での松竹歌劇団(SKD)とOSKの合同公演『緑のカーニバル』のなかの『デッド・エンド』でブギウギのリズムに乗せた『黒ん坊の踊り』を、全身を黒くぬりつぶし、大胆かつ闊達に踊りまくって注目され、東宝・日本劇場のプロデューサー兼演出家・山本紫朗の誘いを受けて同年12月の日劇ショー『世界のクリスマス』に出演。飛鳥亮・振付の『七面鳥(ターキー)ブギ』をソロで、『サンタクロースの踊り』を清水秀男とのデュエットで踊り、魅惑的な大きな瞳の美しい容貌に日本の踊り子にはかつてないようなグラマラスな肉体、加えるに奔放でダイナミックな踊りと三拍子そろった舞台姿を見せ、圧倒的な評判をかちとった。このころすでに、彼女は大映の誘いを受けて映画界入りを決意、内諾をあたえていた。スカウトしたのは大映京都撮影所次長兼企画部長の松山英夫で、京マチ子の先輩・勝浦千浪を外部から推薦され、同年11月の京都・南座でのOSK公演『秋の踊り』に出ている彼女を見に行ったところ、京マチ子に目を引かれ、勝浦を深夜ひそかに京都撮影所へ呼んでカメラテストをしたさい、ついでに呼んでみた結果、彼女の個性に惚れ込み、二度の映画出演が評判にもならず映画には興味も関心もなかった彼女を口説いて大映入りを承諾させた。このときの本命勝浦千浪は大映が遠慮し、54年に東映へ入社した。 翌49年、京マチ子は1月1日からの日劇ショー『歌う不夜城』を最後の舞台として、1月末の契約切れとともにOSKを退団、2月に大映へ専属女優として入社する。入社第一回出演は安田公義監督の「最後に笑う男」で、滝沢修、日高澄子に、これも入社第一回の二本柳寛とが愛の三角関係を演ずるサーカス映画である。彼女は滝沢修ふんする元ぶらんこ乗りのピエロに想いを寄せる踊り子の役で共演したが、彼女の魅力と演技度胸に感心したこの映画のカメラマン石本秀雄に「たいした女優や、必ず大物になりまっせ」と予言させたものの、以後の数本もふくめてパッとせず、五本目の谷崎潤一郎原作「痴人の愛」49で、弾力的で豊かな肉体の妖しい美しさを見せて、ようやく魅力的な個性を発揮、出世作とする。これは監督の木村恵吾にとっても代表作となったが、彼女は宇野重吉を相手役に、天衣無縫な行動から発散するエロティシズムによって男を喜々として屈服させる不良じみた女主人公ナオミを好演。それまでの日本映画には、この映画のようにエロティシズムを楽天的で肯定的な喜劇性をもってうたいあげたものがなかっただけに作品的に評判となり、また映画のヒロインとしても従来にないタイプを、いとも楽々と演じているかのように見える京マチ子という女優の出現は、観客を驚かせるにじゅうぶんなものがあった。翌50年、伊藤大輔監督「遥かなり母の国」に、水芸師だった母(山田五十鈴)の昔の恋人で南米帰りの失意の中年男(早川雪洲)を実の娘として温かく迎える可憐な女奇術師を演じたが、大映は彼女を肉体派女優として売り出すのに懸命で、再び木村恵吾監督で「浅草の肌」を撮り、彼女は二本柳寛を相手役に、男という男は知りつくしたという熟れきった肉体を持つ女豹のようなレヴュー劇場の踊り子を主演。肉体派女優としてしか認められない自分の女優としての前途に不安を感じる。そうした矢先、黒沢明監督の「羅生門」に、森雅之の旅の武士・金沢武弘の妻で、三船敏郎の山賊多襄丸に夫の眼の前で強姦される真砂の役で起用され、いちやく日本の代表的女優といわれるようになる。この映画に何としても出たかった彼女は、メイクアップ・テストの日、眉をきれいにそり落として黒沢の前に出た。黒沢は最初、この役に原節子を考え、大映が推薦した京マチ子には若干のためらいがあったが、眉をさっさとそり落とすという役に対する理解の早さに、ためらいは一瞬にして消え、彼女の起用を決定したという。先の「痴人の愛」は原作が戦前のものであるにもかかわらず、彼女の演じた役のタイプは、まさに戦後的な解放された女であると見られたが、「羅生門」での彼女の役もまた、王朝時代を背景にして大正時代に書かれた小説の女主人公であるにもかかわらず、戦後だからこそはじめて表現できる新しいタイプの女であった。自己の主張を、とことん臆面もなく主張する女であり、男の言いなりになるどころか、男を真っ向から罵って引きずりまわす女である。そして彼女のダンスで鍛えたバネのきいた肉体は、つねに全力で演技することを要求する黒沢の演出によってスポーツマンのように力強く動き、美しい容姿がその激しい動きによって、これまでの日本的な美人の概念からは大きくはみ出した新しい魅力的な女性像をつくりあげたのであった。そのころの日本映画で、最もスピーディに激しく動ける俳優は三船敏郎であったが、この映画で京マチ子と三船敏郎が共演したいくつかの荒々しい場面は、戦前の因襲的な道徳観から解放された日本人が、どんなに奔放に、おのれの自我と欲望のままに喜々として魅力的に動きまわれるようになったかをまざまざと示しているように見え、その意味で画期的なものがあった。「火の鳥」に長谷川一夫と初共演したあと、今度は吉村公三郎監督「偽れる盛装」50に主演。これも彼女の演技力をいちだんと人人に認めさせる作品となった。戦前、山田五十鈴がオモチャという芸者を主演した溝口健二監督の「祇園の姉妹」36の現代版と言ってもよく、京マチ子ふんする京都・宮川町の芸者・君蝶は、金もうけのためには男をだまして手玉にとるのが自分たちの職業であると割り切って猛烈に張り切ってサーヴィスするが、客が落ち目になるとすぐ見捨ててかえりみない女である。しかし金のことしか頭にない嫌味な女かというと、決してそれだけの女ではない。ひたむきに役にぶつかってゆく懸命なその表情は、彼女の信念がただの金もうけ以上のもの、すなわち、男にもてあそばれる職業であることをいさぎよしとせず、むしろ男たちを乗り越えてやろうとしている女の意地のあらわれであることを示し、世間のしがらみや人情といったものに決して負けないぞとばかり、周囲の人々の非難の眼のなかに片ひじ張って、すっくと立っている姿は、その姿勢のプロポーションの立派さということもさることながら、一種の気迫を感じさせて感動的であった。また、それまでは関西なまりの克服に苦労していたが、ここではその関西弁を存分に駆使し、男と抱擁しながら足で障子をしめる官能的なシーン、あるいはラスト近く、温習会で踊る娘道成寺の扮装のまま、菅井一郎ふんする薬屋の番頭に追われ、電車の踏切にさえぎられ出刃包丁で刺される凄惨なシーンなど、彼女の体当たり的熱演は終始スクリーンに躍動して見事であった。この作品と「羅生門」の演技で彼女は51年3月発表の50年度毎日映画コンクールの女優演技賞を受賞。大女優としての地位を早くも決定づけるとともに、同年9月の第十二回ヴェネツィア国際映画祭で「羅生門」がグランプリ(サン・マルコ金獅子賞)を受賞するにおよび、彼女の名は国際的にも知られるようになる。同年は、松竹と競作の吉村公三郎監督「自由学校」にアプレ娘ユリの役で松竹版の淡島千景と競演、木村恵吾監督「牝犬」に志村喬ふんする謹厳実直な中年サラリーマンを豊満な肉体の魅力で引きずりまわすレヴューの踊り子を熱演、吉村公三郎監督にはひき続き起用され、谷崎源氏の映画化「源氏物語」に淡路の上の役で光源氏の長谷川一夫と二度目の共演、木村恵吾監督ともコンビを続け、「馬喰一代」51では三船敏郎と再度の共演で、荒らっぽい北海道の馬喰に想いを寄せる酌婦を熱演し、人気も急上昇、名実ともに大映のトップ女優となり、51年度のアカデミー賞で「羅生門」が最優秀外国語映画として名誉賞を受け、彼女の国際的声価は、さらに高まった。 大映とは年間五本の契約で、同社としては若手のスター女優に不足していたことから、いきおい彼女の負担は重くなったが、秘蔵っ子スターではあり、また彼女自身の作品本位という要求も入れて無理な出演は強制せず、ほぼ年間五、六本のペースで起用する。その大部分は興行価値の安全性をねらったメロドラマだったが、しかし三本か四本に一本くらいは熱演型の彼女の個性が発揮できるような作品を企画。木村恵吾監督の「美女と盗賊」52では森雅之と三国連太郎を相手役に平安朝末期の盗賊団の女頭目を力演、芥川竜之介の『群盗』を原作にした「羅生門」の二番せんじだったが、彼女の野性的な魅力はよく出ていた。スクリーンのうえでは、いぜんとして肉体派、官能派女優というレッテルがつきまとっていたが、私生活は対照的に浮いた噂ひとつなく、自ら戦前派と称して地味そのもの。趣味も映画、読書に海釣りとあって、およそ女優らしくない女優といわれ、そのうえ演技に対する取り組み方も、いじらしいまでにひたむきで真摯という姿勢をくずさず、53年には大映の巨匠監督にあいついで起用され、溝口健二監督「雨月物語」、成瀬巳喜男監督「あにいもうと」、衣笠貞之助監督「地獄門」という、いずれも秀作となった三本の作品に主演、演技歴に輝かしい一ページを加える。「雨月物語」は上田秋成の『雨月物語』九話のうち『蛇性の淫』と『浅茅が宿』の二話をまとめた川口松太郎の小説を原作に、戦国時代を背景に戦争によって欲望をかきたてられた人間の悲劇を描いたもので、彼女は焼物を売りに旅に出た陶工が誘い込まれる幽霊屋敷の女主人で、織田信長に滅された武士一族の若い美貌の死霊を演じ、出演場面はあまり多くはないが、この映画を世界的な名作といわれるようにした幽玄で、しかもエロティシズムのただよう美しさをもって形象化する面に大きく貢献した。相手役の陶工は「滝の白糸」52(野淵昶監督)でも共演した森雅之が演じた。「あにいもうと」は室生犀生の原作による木村荘十二監督の戦前36年作のリメイクで、田舎から東京に奉公に出て、あばずれとなり妊娠して帰った娘をめぐる肉親愛の相剋を描いた作品で、彼女は女だてらに罵詈雑言の限りをつくして兄貴とつかみあいの喧嘩をする妹を演じた。身をもちくずした女の役は「馬喰一代」でも経験ずみだったが、ここでは成瀬巳喜男のきめ細かな演出のもとで、しっとりとうるおいをたたえ、こうした役柄を完成させた。兄の役は、これも森雅之であった。「地獄門」は菊池寛の『袈裟と盛遠』を原作にした王朝絵巻で大映のカラー映画第一作である。彼女は長谷川一夫ふんする武将・盛遠に懸想され、武力をもって自分のものにしようとする彼に対して夫を殺したら意に従うと偽り、その身替わりとなって殺される侍の妻・袈裟を演じた。王朝ふうの豪奢な衣裳をまとって、おっとりとかまえているといったヒロインで、あまり演技の見せ場はなかったが、息をのむような華麗なこの大作にふさわしい美しさを見せた。「雨月物語」は同年9月の第十四回ヴェネツィア映画祭でサン・マルコ銀獅子賞第一席に選ばれ、この年は金獅子賞が該当なしだったから事実上のグランプリとなり、また「地獄門」は54年4月のカンヌ映画祭でグランプリ、54年度の第二十七回アカデミー賞で名誉賞を受け、彼女はグランプリ女優と呼ばれるが、自身も54年12月、全米映画批評委員会の特別賞を「地獄門」の演技で受賞、国際女優としての地位を決定づけた。同年は豊田四郎監督の「或る女」に主演。失敗作といわれたが、京マチ子の個性を積極的にひき出そうとして企画された野心作で、有島武郎の小説を原作に、人々が自我の主張を悪と感じていた明治30年代、欲望のままに敢然と生きようとした女を描き、彼女は熱演だったが、映画そのものは明治30年代というひっそりとした、おだやかな時代らしくないエクセントリックなスタイルでつくられ、その不自然さが不評の原因となった。以後、「愛染かつら」(共演・鶴田浩二)、「春琴物語」(共演・花柳喜章)といったリメイク作品にヒロインを演じて大映のドル箱スターとしてのつとめも果たし、55年には再び溝口健二監督に起用され、大作「楊貴妃」で題名役を主演。安禄山という軍人の出世の道具として唐の玄宗皇帝に王妃として差し出され、叛乱の犠牲となって刑場の露と消える、いわゆる傾国の美女という大役だったが、この映画では、たいへんうぶで純情な役になっていて、食い足りない感じを抱かせ、高貴な女の冷たさに欠け、「或る女」での知的な女性像表現のまずさとあいまって、それまで破竹の勢いで駆けのぼってきた彼女もついに壁にぶつかったと評された。ついで長谷川一夫が戦前の39年に入江たか子と共演して評判をとった「藤十郎の恋」のリメイクに再び主演の長谷川一夫と組んでお梶を演じ、これは伝法肌の恋を得意としてきたそれまでの彼女を抑えて女心の細やかさを好演し、長谷川との呼吸もピタリと合って古風だが、きびしい男女の悲愁美を描き出した。このあと「新女性問答」55に主演。盲馬車といわれるほど映画ひとすじで、自ら社交べた、出ぶしょうといっていた彼女だったが、同年8月22日、ヨーロッパへ旅立つ。「楊貴妃」が出品された第十六回ヴェネツィア映画祭に出席するためと、アメリカで瞼の父・石田治三郎と会うためであった。父の消息は終戦後、その妹・清子の調べでブラジルのサンパウロ市に住んでいることが判り、父を名のって吹き込んだレコードが京マチ子のもとへ送られてきたのをきっかけに父娘の間で文通がかわされ、51年1月には“銀幕で親娘の対面”という見出しで、彼女が出演したブラジル帰りの移民の父性愛を描いた「遥かなり母の国」を父が見て涙したことを報じたサンパウロの邦字新聞『パウリスタ』の三歳の彼女を抱いてうつした父の写真入りの記事が『毎日新聞』に掲載され、また52年にはウルグアイ映画祭出席のため南米へ飛んだ大映常務取締役・松山英夫に彼女が父へのみやげものを託すといういきさつがあった。父はサンパウロ市ボスケ区に刺繍工芸家として洋品店を営み、新しい妻との間に三人の子供をもうけ、この55年には六十三歳だった。「楊貴妃」は受賞の対象にならなかったが、映画祭終了後、ヨーロッパ各国を旅してニューヨークへ飛び、9月19日、ウオルドーフ・アストリア・ホテルでサンパウロから駆けつけた父と二十七年ぶりに対面。一週間をともに過ごしたのちロスアンジェルスへも同行、彼女は10月4日、帰国する。このニューヨーク滞在中、MGMから企画中の「八月十五夜の茶屋」に主演のマーロン・ブランドの相手役として出演を申し込まれる。ブランドや共演のグレン・フォードにも会い熱心にすすめられ、同年11月、日本ロケの下調べに来日したプロデューサー、ジャック・カミングズ、監督ダニエル・マンと大映社長・永田雅一の立ち会いで出演が本決まりとなる。 56年、溝口健二監督の遺作となった「赤線地帯」に黒人兵のオンリーあがりの売春婦の役で木暮実千代、若尾文子などと共演したあと4月16日から始まった「八月十五夜の茶屋」の奈良県の生駒ロケに参加する。悪天候のため撮影は一カ月で中止、ハリウッドで撮り直すことになり、彼女も6月から二カ月、渡米する。57年1月封切りのこの映画はブロードウエイのヒット・プレイの映画化で、沖縄を舞台に民主化政策をすすめるアメリカ占領軍と住民のズレを沖縄色や日本趣味を大胆にとり入れて描いた痛快で皮肉のきいた風刺喜劇で、彼女の役は村の救世主にまつり上げられたグレン・フォードふんする大尉の贈り物として捧げられる芸者ガールで、白地に紺の縦縞がくっきりの着物に目も鮮やかな橙(だいだい)色の帯をきりりとしめ、絹の日傘を肩にしてロータス・ブロッサム(蓮の花)という役名ピッタリのあで姿で登場、お色気つきの大サーヴィスで真面目な大尉を辟易させるという愉快な女。堂々たる貫祿と溢れんばかりのお色気で、まさに適役と評価された。これは彼女にとっては、はじめての喜劇映画で、停滞気味の彼女の突破口となったが、そうした彼女の新生面をひらこうと大映も躍起となり、永田社長が自分で見て彼女を主演に製作を命じた御園座の『名古屋おどり』に上演の北條秀司の新作舞踊劇『いとはん』の映画化「いとはん物語」57(伊藤大輔監督)では大阪の材木問屋の長女で、心は美しいのだが二人の妹とは似ても似つかぬ不器量な醜女という役を主演。社長以下、首脳部総動員でメイクアップに苦心し、粋な日本髪に黒じゅすかけた黄八丈の着物といういでたちながらゲジゲジ眉毛に団子鼻、自分の歯の前に義歯をつけて反(そ)っ歯にし、口には含み綿という顔をつくり上げ、母親から鶴田浩二ふんする美男の番頭を婿にといわれて喜ぶが、番頭は女中と将来を約束していると判って醜女なるがゆえに恋をあきらめなければならない哀れな女を演じ、作品はきれいごと過ぎて感銘が薄いと評されたが、彼女は演技派女優としての自信を身につけての好演と賞められた。しかし、その後の企画は彼女の魅力をよりいっそう引き出し、芸域を広げるといったものにならず、「赤線地帯」で「ヒステリックに絶叫したりするところよりも、何気なく図々しさを出している感情の煮えたぎるような平静な場面の方がずっといい」(『東京中日新聞』登川直樹)といわれ、彼女自身もこの映画で「いままでいつも与えられた役に正面からぶつかるだけだった私が、そういう押しの芝居ばかりでなく引く芝居もあるんだということに気がついた」(『東京新聞』-『京マチ子芸談』)にもかかわらず、それを示す機会にめぐりあえず、この57年なかばには「八月十五夜の茶屋」の成功があまりにも印象的だったせいもあって“岐路に立つ女優”などといわれ、後輩の山本富士子の急成長ぶりと、とかく対比されたりした。その山本富士子は京マチ子が「八月十五夜の茶屋」で日本を留守にしているあいだ、吉村公三郎監督「夜の河」56と市川崑監督「日本橋」56の二作で大女優としての風格を身につけ、人気は京マチ子をしのぐものさえあったが、吉村公三郎監督の「夜の蝶」で二人は競演ということになる。銀座の一流バーのマダムの男がらみの激しい商売合戦を描いたもので、京マチ子の嬌慢なマダムはメロドラマ的ではあったが派手な大芝居もあっておもしろい役だったが、批評家からは山本富士子に完敗といわれ、次の、これも永田社長じきじきの命令による市川崑監督との初顔合わせ「穴」57では銀行マンの横領事件に巻き込まれた美人記者にふんし、知性もあれば気っぷもいいという女スーパーマン的なヒロインを演じたが、コミック・スリラーとしては不消化で、彼女の魅力を増幅したとはいえなかった。57年12月、フィンランド映画記者協会選出のユシイ賞(外国映画演技賞)を「リチャード三世」のローレンス・オリヴィエとともに、「地獄門」で受賞した。58年、三十年ぶりにアメリカから帰国した移民の花嫁の財産をめぐる家族の醜い争いを描いた新藤兼人監督の力作「悲しみは女だけに」に、主演は田中絹代だったが、彼女の姪で夫が戦死したあと男から男への荒んだ生活をしてきた気性の激しい女の役で熱演型の本領を発揮し、衣笠貞之助監督の大阪の芸人社会を背景にした人情物「大阪の女」では主役の元・漫才師の娘で底抜けのお人好しに庶民性をにじませ、一つの持ち味を見せた。しかし、いぜんとして彼女の新しい魅力を引き出す作品に乏しく、“グランプリ女優の限界?”“危機に立つ女優”などと芸能ジャーナリズムの関心の対象となり続ける。それだけ彼女に対する周囲の期待が大きかったということだが、59年の市川崑監督との再度の顔合わせによる谷崎潤一郎・原作「鍵」では、精力がとみに衰え若返り注射などをしている老境の夫の若い後妻で、夫の娘の婚約者と仲よくなるという、それでいて一見、無邪気で貞節な女を主演。夫を演じた中村鴈治郎の巧さともよく噛み合って、単純な熱演とは違った抑えた演技のなかからユーモアをにじみ出させ、このブラック・コメディをおもしろいものにするのに大きな役割を果たした。この彼女が見せた演技者としての円味は、60年の同じ市川崑監督の「ぼんち」(山崎豊子・原作)では、いっそうくっきりと見られるようになる。祖母と母が実権を握る大阪・船場の老舗の一人息子の一代記を市川雷蔵が主演した作品だが、彼女は料亭の仲居頭にふんし、妾が死んでも、しきたりから葬式を出してやれずに男泣きに泣く主人公を見て自分の体を投げ出して慰めるという働き者で粋な女を好演。彼女が本来もっている庶民的で律義な性格をにじませたものとして魅力的だった。しかし、この時期、彼女のいちばん見事な演技は、小津安二郎監督が大映で撮った、ただ一本の作品である59年の「浮草」での旅役者の女といってよい。田舎の巡業先で情夫の座頭が昔の女と会っているのを知って嫉妬し、女の家まで押しかけて行って、土砂降りの雨の道をはさんで、道の両側の軒下と軒下で、中村鴈治郎の演じる座頭と罵り合う。これは、熱演であると同時に、そこに何ともいえないうま味が加わっていて、成熟した絶品ともいえる名演であり、三十五歳という年齢と十年間の演技キャリアをフルに発揮したものであった。「ぼんち」を撮り終えたあとの60年3月、「鍵」が出品されたカンヌ映画祭への出席を兼ねてヨーロッパ、アメリカ旅行に出発。「鍵」はグランプリに次ぐ審査員特別賞を受賞。これはまた3月発表のハリウッド外人記者協会のゴールデン・グローブ賞の最優秀外国映画賞にも選ばれ、彼女はロスアンジェルスでそのトロフィーを自ら受け、6月はじめ帰国する。その後の彼女は、たいていの作品が若い女優を主役とする日本映画では、さすがに主演のチャンスは減ったものの、増村保造監督の軽快な喜劇「足にさわった女」59に刑事役のハナ肇と組んで女スリを伸び伸びと好演、吉村公三郎監督のこれも喜劇「婚期」61では婿さがしを焦る二人の小姑にいびられ悩まされる人妻をコミカルに演じて笑いを誘い、ポーカー・フェイス型のコメディエンヌとして精彩を発揮。61年7月、胆のう炎で七カ月の静養をよぎなくされ、この間は70ミリの大作「釈迦」61につきあい程度で出演したのみだったが、62年早々には井上梅次監督の「黒蜥蜴」にブラック・タイツ姿の女賊で元気な姿を見せた。以後、彼女にふさわしい企画がないまま出演本数はぐっと減るが、増村保造監督「女の一生」62では森本薫が創造し、文学座の杉村春子が当たり役とした主人公・布引けいに挑戦、減量して十六歳から五十八歳までの女の一生を演じ、批評はそれほどよくはなかったが意欲はじゅうぶん買われた。大映のトップ女優は62年を境に山本富士子をも抜いた若尾文子に交替。そうしたなかで京マチ子は、63年は若尾文子が主演した「女系家族」に共演したのみで4月から四カ月間の海外旅行に出、帰国してからは11月の大阪・新歌舞伎座開場五周年記念興行の『舞踊・春秋』『大阪物語・誓文払い』『雪乙女』『馬賊芸者』に出演する。舞台はOSK退団後は55年1月、古巣の大阪劇場のレヴュー『世界を踊る女王』に出ただけだったが、新歌舞伎座出演を機会に、大映の了解のもとに舞台、テレビへ積極的に進出、映画も他社出演に随時応ずると、それまでの大映の“箱入り娘”から一転、新しい道を歩むようになる。テレビ出演の最初は64年7月のフジテレビ『一千万人の劇場』のために書きおろした水木洋子・脚本の『あぶら照り』で、これが同年、東京映画で豊田四郎監督により「甘い汗」の題で映画化されることになり、テレビと同様、彼女が主演に望まれ、第一回の他社出演となるが、これは体あたり熱演タイプの彼女の芸風をとことん発揮した力作として興味深いものとなった。十九歳で私生児を生み、家族の犠牲となって生活のために必死になって稼ごうとする下層のいっぱい飲み屋の女の役で、妾にでも何でもなって色気で金を得たいが、その色気が三十六歳という年齢からあまり役に立たなくなっているという辛さで焦りに焦る。ごみごみした風景のなかでの泥まみれの力演は高く評価され、キネマ旬報女優賞と毎日映画コンクール女優主演賞がおくられる見事な結果となった。水木洋子は、その後もNHK『豆菊はんと雛菊はん』、フジ『朝顔』、TBS『三界に家なし』65など、京マチ子主演のテレビ・ドラマを書き、そこでは力演型というよりも、むしろ何気なくぼんやりしているような態度のなかからユーモアをにじみ出させるという京マチ子のコメディエンヌとしての力量をさらに発展させるのに成功している。そうした彼女の新しい持ち味を生かした映画に、勅使河原宏監督の「他人の顔」66(安部公房・脚本)があり、大火傷を負ったことから医者に仮面をつくってもらい他人の顔になった男に、それが自分の夫だと知りながら、わざと隠して姦通される女を奇妙な味わいをもって好演した。71年12月の大映倒産後は大映テレビに所属。74年と75年には山本薩夫監督の財界と政界の裏面をえぐった二本の大作に出演。その「華麗なる一族」74では佐分利信ふんする銀行頭取の秘書であり愛人でもある高慢な女の役で妻妾同時にベッドをともにするという大胆なシーンも演じのけ、「金環蝕」75では陰微な権力をふるう首相夫人に冷酷な一面をチラリとのぞかせ、出演場面こそ少いが、印象的だった。また今井正監督の「妖婆」76では久しぶりに主演。初い初いしい新妻から一転、妖婆に変身するという女主人公を演じた。最新作では「男はつらいよ・寅次郎純情詩集」76で、寅さんのマドンナとして、いかにもおっとりした元ご大家の令嬢に持ち味を見せた。その後の主な舞台には歌舞伎座『大菩薩峠』(市川団十郎共演)64、新歌舞伎座『お吟さま』64、『反逆児』(中村錦之助共演)68、『花の吉原百人斬り』79、日生劇場『孔雀館』(中村勘三郎共演)65、新橋演舞場『春の嵐』65、東京宝塚劇場『春夏秋冬』67、『好色五人女』74、帝国劇場『歌麿』72、『花の巴里の橘や』78、芸術座『離婚』80などがあり、テレビはTBS『春や春』66、『嫁ふたり』72、『犬神家の一族』、『かあさん堂々』77、『まんまる四角』73、『家路-ママ ドント クライ』79、日本テレビ『はいから鯉さん』67、『火曜日の女シリーズ/蘭の殺人』69、『姉さんの秘密』72、フジ『春一番』68・69・70・71・76、NHK『台所太平記』70、『帯に短かし襷に長し』72、『四季の家』74、『離婚』80ほかがある。この間の71年8月、森繁久弥、伴淳三郎らの『あゆみの箱』のサンパウロ市でのチャリティ・ショーに参加、父と二度目の対面をする。かつて57年に黒沢明は彼女について「非常に純情で地味な感じの人だし、結婚すれば、いい世話女房になるという気がする」と語ったが、彼女自身は結婚することなく、独身をとおしている。2019年(令和元年)5月12日、心不全のため逝去。享年95歳。

京マチ子の関連作品 / Related Work

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  • 地獄門 デジタル復元版

    第7回カンヌ国際映画祭グランプリ、第27回アカデミー賞最優秀外国語映画賞、衣装デザイン賞を受賞した大映の第一回天然色映画「地獄門」のデジタル復元版。撮影助手として本作に関わった森田富士郎氏の監修の元、オリジナル・ネガより三色分解したマスター・ポジなどを素材に当時の色彩を復元している。東京国立近代美術館・フィルムセンターと角川映画の共同事業。2011年5月2日NHK・BSプレミアムで放映。2012年4月28日、東京・京橋フィルムセンターにて特別上映。
  • 羅生門 デジタル完全版

    1951年ヴェネチア国際映画祭グランプリ金獅子賞、52年米アカデミー賞名誉賞(最優秀外国語映画賞)を受賞した黒沢明監督作品「羅生門」を、ハリウッド最高のデジタル技術を駆使し、映像・録音を本来の状態に蘇らせた。撮影は「雨月物語」の宮川一夫。出演は、「七人の侍」の三船敏郎、「地獄門」の京マチ子。
    100
    • 感動的な
    • 重厚感のある
    • かっこいい
  • 化粧

    京都の老舗の料亭を舞台に、そこの女将と美しい三姉妹がくり広げる様々な生き方を描く。渡辺淳一原作の同名小説の映画化で、脚本は「魚影の群れ」の田中陽造、監督は「無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ」の池広一夫、撮影は「きつね」の坂本典隆がそれぞれ担当。
  • 男はつらいよ 寅次郎純情詩集

    “男はつらいよ”シリーズ第十八作目で、おなじみのフーテンの寅が捲き起こす人情喜劇。今回は、学校の若い先生とその母を相手に、物語がくりひろげられる。脚本は「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の朝間義隆と山田洋次の共同、監督は「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の山田洋次、撮影もやはり同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。
    90
  • 妖婆

    大正八年に書かれた芥川龍之介の短編をもとに、不思議な運命の糸にあやつられるひとりの女の生涯を描く。脚本は「あにいもうと(1976)」の水木洋子、監督は同じ「あにいもうと(1976)」の今井正、撮影はひさびさに宮川一夫が担当。
  • 金環蝕

    保守政党の総裁選挙を端に発した汚職事件を描き、政界のドス黒い内幕を暴露する。脚本は「どてらい男」の田坂啓、監督は「華麗なる一族」の山本薩夫、撮影は「股旅」の小林節雄がそれぞれ担当。
    90
  • ある映画監督の生涯 溝口健二の記録

      溝口健二と一緒に仕事をした三九人の俳優・スタッフ・友人に新藤兼人がインタビューして、溝口の人生を描こうとした長編ドキュメンタリー。なおこのインタビューは、『ある映画監督の生涯--溝口健二の記録』(映人社刊)という本になって活字化されている。
    • 華麗なる一族

      富と権力獲得への手段として、華麗なる閨閥をはりめぐらす万俵一族を主役に、金融界の“聖域”銀行、背後で暗躍する政・財界の黒い欲望を描く。原作は山崎豊子の同名小説。脚本は「戦争と人間 完結篇」の山田信夫、監督も同作の山本薩夫、撮影は「朝やけの詩」の岡崎宏三がそれぞれ担当。
    • 玄海遊侠伝 破れかぶれ

      吉田敬太郎の原作「吉田磯吉翁伝」をもとに「日本女侠伝 真赤な度胸花」の笠原和夫が脚本化し、「女組長」のマキノ雅弘が監督した任侠もの。撮影は「天狗党」の牧浦地志が担当。
    • 千羽鶴(1969)

      ノーベル賞作家川端康成の原作を「強虫女と弱虫男」の新藤兼人が脚色し、「盲獣」の増村保造が監督した文芸もの。撮影はコンビの小林節雄。
    • 小さい逃亡者

      日ソ合作第一回作品で、シナリオにはソビエト側からエミール・ブラギンスキー、日本側からは「六人の女を殺した男」の小国英雄が参加して執筆、監督にはソビエト側エドワールド・ボチャロフ、日本側は「妖僧」以来の衣笠貞之助があたっている。撮影はソ連側ピーター・カターエフ、日本側は「座頭市の歌が聞える」の宮川一夫。
    • 沈丁花

      「仰げば尊し」の松山善三が原作・脚色を担当、それに「バンコックの夜」の監督千葉泰樹が加わり、千葉泰樹が監督した女性もの。撮影は「戦場にながれる歌」の中井朝一。
    • 他人の顔

      「砂の女」と同じく安部公房が原作・脚色を担当、勅使河原宏が監督した心理劇。撮影も瀬川浩。
    • 甘い汗

      「喜劇 にっぽんのお婆あちゃん」の水木洋子がオリジナル・シナリオを執筆「喜劇 陽気な未亡人」の豊田四郎が監督した風俗ドラマ。撮影もコンビの岡崎宏三。
    • 現代インチキ物語 ど狸

      北条秀司原作『比叡颪』より、「現代インチキ物語 騙し屋」の藤本義一が脚色、「暗黒街NO.1」の田中重夫が監督した風俗喜劇。撮影もコンビの高橋通夫。
    • 女系家族

      週刊文春連載・山崎豊子原作を「第三の悪名」の依田義賢が脚色、「新選組始末記」の三隅研次が監督した文芸作品。撮影は「第三の悪名」の宮川一夫。
    • 女の一生(1962)

      森本薫原作から「忠臣蔵 花の巻・雪の巻」の八住利雄が脚色、「黒の試走車」の増村保造が監督した文芸もの。撮影もコンビの中川芳久。
    • 仲よし音頭 日本一だよ

      逸見多十のオリジナルシナリオを「女は夜霧に濡れている」の井上芳夫が監督したサラリーマン喜劇。撮影は「スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ」の石田博。
    • 黒蜥蜴(1962)

      江戸川乱歩原作を「爛」の新藤兼人が脚色、「女房学校」の井上梅次が監督したミステリーもの。撮影は「夢でありたい」の中川芳久。
      50
    • 釈迦

      大映初の七〇ミリ映画で、「新源氏物語」の八尋不二が脚本を書き、「大菩薩峠(1960)」の三隅研次が監督したスペクタクル・ドラマ。撮影もコンビの今井ひろし。(七〇ミリ=大映スーパー・テクニラマ)。主な出演者は「濡れ髪三度笠」の本郷功次郎、市川雷蔵、中村玉緒、「花くらべ狸道中」の勝新太郎など。
      80
    • 小太刀を使う女

      村上元三原作の再映画化で 「晴小袖」の依田義賢が脚色し、「沓掛時次郎(1961)」の池広一夫が監督した。撮影は「怪談 蚊喰鳥」の本多省三。
    • 女の勲章

      山崎豊子の新聞小説の映画化で、「「挑戦」より 愛と炎と」の新藤兼人が脚色し、「婚期」の吉村公三郎が監督した。撮影は「若い仲間」の小原譲治。
    • 濡れ髪牡丹

      「花くらべ狸道中」のコンビ、八尋不二が脚本を、田中徳三が監督を担当した市川雷蔵の“濡れ髪”もの第五作。撮影は「忠直卿行状記」の相坂操一。
    • 婚期

      「おとうと(1960)」の水木洋子のオリジナル・シナリオを、「女の坂」の吉村公三郎が監督した喜劇。「おとうと(1960)」の宮川一夫が撮影した。
    • お伝地獄(1960)

      邦枝完二の原作を、「痴人の愛(1960)」の木村恵吾が脚色・監督した高橋お伝の物語。撮影は「傷ついた野獣」の石田博。
    • 顔(1960)

      毎日新聞に連載された丹羽文雄の同名小説を、「白子屋駒子」の衣笠貞之助が脚色し、「安珍と清姫」の島耕二が監督した文芸編。撮影も「安珍と清姫」の小原譲治。
    • 足にさわった女(1960)

      沢田撫松の原作から、「ぼんち」の和田夏十と市川崑が脚本を書き、「からっ風野郎」の増村保造が監督した喜劇で、今回は三度目の映画化。撮影は「犯罪6号地」の村井博。
    • 三人の顔役

      斎藤良輔・芦沢俊郎・井上梅次の共同脚本を、「太陽を抱け」の井上梅次が監督したもので、長谷川一夫が暗黒街のボスに扮するアクション・ドラマ。「扉を叩く子」の小林節雄が撮影した。
    • ぼんち

      週刊新潮に連載された山崎豊子の原作を、「流転の王妃」の和田夏十と市川崑が共同で脚色「女経」の市川崑が監督したもので、大阪船場のぼんちという宿命を負った一人の青年の半生が描かれる。「浮草」の宮川一夫が撮影した。
    • 流転の王妃

      満州国皇帝溥儀の弟、溥傑氏の妃として波乱の半生を送ってきた愛新覚羅浩の自伝の映画化。「野火」の和田夏十が、脚本を書き「乳房よ永遠なれ」以来、久しぶりに田中絹代が監督した。撮影は「かげろう絵図」の渡辺公夫。
    • 女経

      村松梢風の「女経」にヒントを得て、「天下の大泥棒 白浪五人男」の八住利雄が三つの物語を構成したもの。「貴族の階段」の吉村公三郎「野火」の市川崑「闇を横切れ」の増村保造がそれぞれを監督した。撮影も「浮草」の宮川一夫、「野火」の小林節雄、「闇を横切れ」の村井博がそれぞれ担当。
    • 浮草

      「お早よう」のコンビ野田高梧と小津安二郎の共同脚本を小津安二郎が監督したもので、ドサ廻り一座の浮草稼業ぶりを描いたもの。撮影は「鍵(1959)」の宮川一夫が担当した。
      90
    • 鍵(1959)

      谷崎潤一郎の同名小説を映画化したもの。「炎上」のコンビ和田夏十と長谷部慶次に市川崑が加わって脚色し、「さよなら、こんにちわ」の市川崑が監督した。撮影は「女と海賊」の宮川一夫。
      70
    • 次郎長富士

      「若き日の信長」の八尋不二の脚本により同じく「若き日の信長」の森一生が監督した、おなじみ次郎長もの、オールスター・キャスト映画。撮影は「魔笛若衆」の本多省三。
      80
    • 夜の闘魚

      川口松太郎の原作を、原作者自ら脚色、「初夜なき結婚」の田中重雄が監督した女性メロドラマ。撮影も「初夜なき結婚」の高橋通夫。
    • 女と海賊

      大正十二年、伊藤大輔が書いたシナリオにより故野村芳亭が監督した同名作品の再映画化。再映画化に当っては原作者の伊藤大輔が八尋不二(近作「弁天小僧」)と全面的な改訂を加え、自ら「弁天小僧」につづいて監督した。撮影も同じく「弁天小僧」の宮川一夫が担当した。
    • 細雪(1959)

      大阪の旧家に生れた、美しい四人姉妹の運命を描いた、谷崎潤一郎の小説『細雪』を、「つづり方兄妹」(東宝)の八住利雄が脚本化したもの。「娘の冒険」のコンビ・島耕二と小原譲二が、監督と撮影を担当した。音楽は「嵐を呼ぶ友情」(日活)の大森盛太郎。四人姉妹を、「赤い波止場」(日活)の轟夕起子・「あなたと私の合言葉 さようなら、今日わ」の京マチ子・「人肌牡丹」の山本富士子・「男十九の渡り鳥」の叶順子が競演し、ほかに根上淳・川崎敬三らが出演。
    • あなたと私の合言葉 さようなら、今日は

      平凡連載の久里子亭の原作を、原作者自身と「ごめん遊ばせ花婿先生」の舟橋和郎が脚色、「炎上」の市川崑が監督した風刺喜劇。撮影は「軍国酒場」の小林節雄。音楽は塚原晢夫。京マチ子・野添ひとみ・若尾文子・川口浩・菅原謙二・佐分利信らのオールスター・キャスト。
    • 娘の冒険

      大映のオールスターもので、中野実の原作を「地獄の午前二時」の長谷川公之が脚色、「都会という港」の島耕二が監督した青春明朗篇。撮影も「都会という港」の小原譲治。出演者は「夜の素顔」の京マチ子・若尾文子・根上淳・菅原謙二、「都会という港」の山本富士子、「不敵な男」の川口浩・野添ひとみらが顔を揃える。
    • 夜の素顔

      「不敵な男」の新藤義人のオリジナル・シナリオを、「一粒の麦」の吉村公三郎が監督したもので、自己の野望のため権謀術数を弄して舞踊界の花形になった一人の女の半生と、それを追い越そうとする若い弟子の葛藤を描いたドラマ。撮影は「一粒の麦」の中川芳久。「赤線の灯は消えず」の京マチ子、「一粒の麦」の若尾文子をはじめ、根上淳・菅原謙二・細川ちか子・小野道子・坂東簑助らが出演する。
    • 赤線の灯は消えず

      その後の赤線地帯を舞台に、更生しようとする売春婦たちをテーマとした物語。「大阪の女」を共同脚色した相良準のオリジナル・シナリオを、「愛河」の田中重雄が監督、「大阪の女」の渡辺公夫が撮影した。「大阪の女」の京マチ子・船越英二、「巨人と玩具」の野添ひとみ、他に根上淳・小野道子らが出演。色彩は大映カラー(アグファ・カラー)。
    • 大阪の女

      八住利雄のNTV連続ドラマ「女神誕生」を映画化したもの。「春高楼の花の宴」の衣笠貞之助と相良準が脚色し、衣笠貞之助が監督、「土俵物語」の渡辺公夫が撮影をそれぞれ担当した。「忠臣蔵(1958)」の京マチ子、中村鴈治郎、「悲しみは女だけに」の船越英二、「猫は知っていた」の高松英郎などが出演。色彩は大映カラー(アグファカラー)。
    • 忠臣蔵(1958)

      大映創立十八年を記念して作られた忠臣蔵。渡辺邦男、八尋不二、民門敏雄、松村正温と四人で共同執筆した脚本を「アンコール・ワット物語 美しき哀愁」の渡辺邦男が監督、渡辺孝が撮影をそれぞれ担当した。出演は内蔵助の長谷川一夫を筆頭に、鶴田浩二、菅原謙二、山本富士子、京マチ子、市川雷蔵、根上淳、淡島千景、三益愛子、川口浩等々のオールスター・キャスト。色彩は大映カラー。
      90
    • 母(1958)

      「母つばめ」の笠原良三のオリジナル・シナリオを、「東京の瞳」の田中重雄が監督、「日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里」の高橋通夫が撮影した母性愛映画。主演は「くちづけ(1957)」の三益愛子、「有楽町で逢いましょう」の京マチ子、菅原謙二、「大都会の午前三時」の根上淳、川口浩「東京の瞳」の船越英二など。ほかに、見明凡太朗、小野道子、角梨枝子、川上康子、志村喬、若尾文子、鶴田浩二、三宅邦子、山本富士子らが大挙助演。
    • 悲しみは女だけに

      新藤兼人が民芸の舞台にのせた「女の声」の映画化で、「海の野郎ども」に引続き自ら脚色、監督したもの。撮影は「東京の瞳」の中川芳久。主演は「有楽町で逢いましょう」の京マチ子、「地上」の田中絹代、「東京の瞳」の船越英二、「負ケラレマセン勝ツマデハ」の望月優子。更に杉村春子、乙羽信子、小沢栄太郎、水戸光子、宇野重吉、市川和子などが出演している。
    • 有楽町で逢いましょう

      『平凡』連載の宮崎博史の原作を「サザエさんの青春」の笠原良三が脚色し、「九時間の恐怖」の島耕二が監督した青春恋愛メロドラマである。撮影は「誓いてし」の秋野友宏が担当した。主演は「穴」の京マチ子、菅原謙二、「地上」の川口浩、野添ひとみの各コンビ。ほかに北原義郎、小野道子、品川隆二、北林谷栄、山茶花究などが助演している。色彩は大映カラー。
    • 穴(1957)

      「東北の神武たち」の久里子亭の脚本にもとづき同じく市川崑が監督したロマンティック・コミック・スリラー。撮影は小林節雄。主演は「夜の蝶」の京マチ子、船越英二、山村聡、川上康子、「真昼の対決」の菅原謙二。
    • 夜の蝶

      銀座の酒場に生きる女たちの激しい執念とペーソスを描いた“中央公論”所載の川口松太郎の小説を映画化した文芸篇。「流れる」の共同脚色者の一人、田中澄江が脚色し「大阪物語」の吉村公三郎が監督した。撮影は「朱雀門」の宮川一夫。主演は、「源氏物語 浮舟」の山本富士子、「地獄花」の京マチ子、「永すぎた春」の船越英二、「湖水物語」の近藤美恵子、八潮悠子、「曙荘の殺人」の川上康子。ほかに山村聡、小沢栄太郎、穂高のり子、芥川比呂志など。
    • 地獄花(1957)

      大映のビスタビジョン色彩映画第一作。(画面比率はタテ1対ヨコ2)。室生犀星の原作、『舌を噛み切った女』を「刃傷未遂」の伊藤大輔が脚色、監督、「忘れじの午後8時13分」の中川芳久が撮影した。主演は「おしどり喧嘩笠」の鶴田浩二、小堀明男「女の肌」の京マチ子、市川和子、ほかに南左斗子、柳永二郎、山村聡、舟木洋一など。
    • 女の肌

      西南戦争を背景に数奇な運命に操られる女の哀しさを描いた川口松太郎の原作を「慕情の河」の松田昌一が脚色し、「慕情の河」の島耕二が監督するメロドラマ。撮影は「いとはん物語」の高橋通夫。主な出演者は「踊子」のコンビ京マチ子と淡島千景、「忘れじの午後8時13分」の根上淳、ほかに北原義郎、潮万太郎、市川和子、南左斗子など。
    • 踊子

      情痴の世界を描いて比類なき永井荷風の原作から「流れる」の田中澄江が脚色、「霧の音」の清水宏(1)が監督、「第三非常線」の秋野友宏が撮影を担当する。主な出演者は「世にも面白い男の一生 桂春団治」の淡島千景、「いとはん物語」の京マチ子、「スタジオはてんやわんや」の船越英二、「鼠小僧忍び込み控 子の刻参上」の阿井美千子、ほかに藤田佳子、田中春男、穂高のり子など。
    • いとはん物語

      北条秀司の名古屋おどり“いとはん”より、「あこがれの練習船」の成澤昌茂が脚色、大映決入社第一回の伊藤大輔が久方ぶりに監督する文芸篇。撮影は「午後8時13分」の高橋通夫。アグファカラーの第二作。主な出演者は、「八月十五夜の茶屋」の京マチ子、「眠狂四郎無頼控」の鶴田浩二、「四十八歳の抵抗」の小野道子、「誰かが殺される」の矢島ひろ子、「高校生と殺人犯」の市川和子、「母白雪」の入江洋佑、「リンゴ村から」の梅若正義、「愛の海峡」の鶴見丈二、ほかに東山千栄子、加東大介、浦辺粂子のヴェテラン陣。
    • スタジオはてんやわんや

      先に発表された「スタジオは大騒ぎ」に次ぐ、大映スタア総出演のスタジオ紹介篇。
    • 八月十五夜の茶屋

      ヴァーン・スナイダーのベストセラー小説から、「上流社会」のジョン・パトリックが脚色したブロードウェイのヒット劇の映画化。日本においても東京、歌舞伎座で上演され好評を得た。映画化に際してはMGMと大映が提携し、長期日本ロケにより製作された。ジョン・パトリックの脚本から「明日泣く」のダニエル・マンが監督、「悪の対決」のジョン・アルトンが撮影、「上流社会」のソール・チャップリンが音楽を夫々担当。沖縄音楽はカナイ・キクコ、舞踊振付けは、藤間万三哉と日本のスタッフ。主な出演者は「野郎どもと女たち」のマーロン・ブランド、「必殺の一弾」のグレン・フォードに大映の女優京マチ子が主演する他、「オクラホマ!」のエディ・アルバート、舞台で同役を演じたポール・フォード、「六番目の男」のヘンリー・モーガン、日本側から根上淳、清川虹子などが顔をそろえる。なお映画解説者の淀川長治氏も出演している。ジャック・カミングス製作。
    • 月形半平太 花の巻 嵐の巻(1956)

      月さま雨が……お馴染の行友李風原作、月形半平太の大映カラーによる再映画化。脚本は衣笠貞之助と「折鶴七変化 (前後編)」の犬塚稔、「火花」に次いで衣笠貞之助が監督、「銭形平次捕物控 人肌蜘蛛」の杉山公平と「怪猫五十三次」の牧田行正が共同で撮影を担当。主な出演者としては「逢いぞめ笠」の長谷川一夫、三益愛子、「日本橋」の山本富士子、「弥次喜多道中」の市川雷蔵、久々の京マチ子、「惚れるな弥ン八」の菅原謙二、「あこがれの練習船」の川口浩、矢島ひろ子、「不知火奉行」の勝新太郎、林成年、三田登喜子、「スタジオは大騒ぎ」の川上康子、八潮悠子、高松英郎、「恋すれど恋すれど物語」の大河内傳次郎、「女囚と共に」の木暮実千代、「銭形平次捕物控 人肌蜘蛛」の黒川弥太郎、「忘れえぬ慕情 Printemps_a_Nagasaki」の山村聡、その他千田是也、山形勲、田崎潤、石黒達也など。
    • 赤線地帯

      「新・平家物語 義仲をめぐる三人の女」の共同脚色者の一人、成澤昌茂の脚本を、「新・平家物語」の溝口健二が監督、「俺は藤吉郎」の宮川一夫が撮影を担当した。主なる出演者は「虹いくたび」の若尾文子、京マチ子、川上康子、「母ふたり」の三益愛子、「幸福はあの星の下に」の木暮実千代、「大当り男一代」の進藤英太郎、「東京犯罪地図」の菅原謙二、「剣豪二刀流」の加東大介など。
      80
    • 虹いくたび

      川端康成の原作を「乱菊物語」の八住利雄が脚色し、「宇宙人東京に現わる」の島耕二が監督、「珠はくだけず」の長井信一が撮影を担当する。主なる出演者は「新・平家物語 義仲をめぐる三人の女」の京マチ子、「恋と金」の上原謙、「新妻の寝ごと」の若尾文子、「花嫁のため息」の船越英二、「十代の反抗」の川上康子、「宇宙人東京に現わる」の川崎敬三(二役)など。
    • 新・平家物語 義仲をめぐる三人の女

      週刊朝日連載の吉川英治の原作を「新・平家物語」の成澤昌茂、辻久一、「婦系図 湯島の白梅」の衣笠貞之助が共同脚色し、同じく衣笠貞之助が監督、「藤十郎の恋」の杉山公平が撮影を担当した。主なる出演者は「俺は藤吉郎」の長谷川一夫、「新女性問答」の京マチ子、「見合い旅行」の山本富士子、「くちづけ(1955)」第三話の高峰秀子、「虚無僧変化」の大河内傳次郎、「あばれ振袖」の進藤英太郎、「虚無僧変化」の黒川弥太郎など。色彩は大映カラー。
    • 新女性問答

      「幻の馬」の長谷川公之と島耕二が脚本を書き、同じく島耕二が監督、「五十円横町」の中川芳久が撮影を担当した。主なる出演者は「藤十郎の恋」の京マチ子、「講道館四天王」の菅原謙二と八木沢敏、「母笛子笛」の船越英二、「花の二十八人衆」の矢島ひろ子、「旗本退屈男 謎の伏魔殿」の進藤英太郎など。
    • 藤十郎の恋

      菊池寛の原作から「楊貴妃」の依田義賢が脚本を書き「花ざかり男一代」の森一生が監督する。撮影は「楊貴妃」の杉山公平、音楽は「おえんさん」の斎藤一郎の担当。「つばくろ笠」の長谷川一夫、「楊貴妃」の京マチ子、「あした来る人」の小沢栄、「八州遊侠伝 源太あばれ笠」の柳永二郎、「伊太郎獅子」の三田登喜子、猿之助劇団の女形市川松蔦などが出演する。
    • 楊貴妃

      大映と香港のショウ・ブラザース社との合作による大映カラー総天然色映画で、永田雅一、ランラン・ショウが製作に当る。白楽天の『長恨歌』にもとずいて香港の脚本家陶秦が書いたものを「七つの顔の銀次」の川口松太郎、「舞妓三銃士」の依田義賢、「明治一代女」の成澤昌茂が共同で書き直し、「近松物語」の溝口健二が監督に当り、撮影には「千姫(1954)」の杉山公平が当る。中国の時代考証家廬世候が美術の水谷浩と協力している。出演者は「春の渦巻」の京マチ子、「愛のお荷物」の山村聡、「浮雲」の森雅之、「お嬢さん先生」の南田洋子「近松物語」の小沢栄、「女給」の山形勲のほかに霧立のぼる、村田知英子、阿井美千子、進藤英太郎、石黒達也、杉村春子、村瀬幸子、信欣三などである。
    • 薔薇いくたびか

      小山いと子の原作を「次男坊判官」の衣笠貞之助と相良準が共同で脚色し、「川のある下町の話」の衣笠貞之助が監督にあたる。撮影は「火の驀走」の渡辺公夫。出演者は「月に飛ぶ雁」の若尾文子、「暁の合唱(1955)」の根上淳、「お嬢さん先生」の南田洋子、「麝香屋敷」の長谷川一夫、「楊貴妃」の京マチ子、「火の驀走」の山本富士子、「幸福を配達する娘」の菅原謙二、船越英二のほかに市川雷蔵、勝新太郎、林成年、村田知英子、市川和子、矢島ひろ子、三益愛子などのオールスター出演である。
    • 春の渦巻

      『平凡』連載の小説を「若い人たち」(共同)の棚田吾郎と「お夏清十郎」の舟橋和郎が協力して脚色し、「荒城の月(1954)」の枝川弘が監督に当り、「馬賊芸者」の高橋通夫が撮影する。主なる出演者は「馬賊芸者」の京マチ子、「螢の光」の菅原謙二と船越英二、「近松物語」の南田洋子、「馬賊芸者」の志村喬、「兄さんの愛情」の三宅邦子、「新しき天」の山本富士子等。
    • 馬賊芸者

      『小説新潮』に掲載された火野葦平の原作から、「火の女」の島耕二が脚色して監督に当たる。撮影、音楽は夫々「月よりの使者(1954)」の高橋通夫と斎藤一郎の担当である。出演者は「千姫(1954)」の京マチ子、「火の女」の高松英郎、「春琴物語」の白井玲子、「ゴジラ(1954)」の志村喬、「新しき天」の村田知英子などである。
    • 千姫(1954)

      永田雅一の製作になるイーストマン・カラーの時代劇で、今後は大映カラーと称する。「花の白虎隊」の八尋不二の脚本を、「愛染かつら(1954)」の木村恵吾が監督する。撮影は「死美人屋敷」の杉山公平、音楽は「君死に給うことなかれ」の早坂文雄の担当である。出演者は「浅草の夜」の京マチ子がヒロインの千姫を演ずる外、「月よりの使者(1954)」の菅原謙二、「花の白虎隊」の峰幸子、小町瑠美子、三田隆、花柳武始、市川雷蔵、「鉄火奉行」の大河内傳次郎、「人生劇場 望郷篇 三州吉良港」の山形勲など。
    • 浅草の夜

      文芸春秋所載の川口松太郎の小説から、「金色夜叉(1954)」の島耕二が脚色・監督する。撮影は「にっぽん製」の長井信一、音楽は「母の秘密」の大森盛太郎の担当。主演者は「愛染かつら(1954)」のコムビ鶴田浩二(昨日と明日の間)と京マチ子(春琴物語)に、「慕情」の若尾文子、「舞妓物語(1954)」の根上淳、「次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊」の志村喬、「太陽のない街」の滝沢修、「春琴物語」の浦辺粂子などである。
    • 春琴物語

      谷崎潤一郎の小説「春琴抄」から、「山椒大夫」の八尋不二が脚色し、「番町皿屋敷 お菊と播磨」の伊藤大輔が監督する。撮影は「春雪の門」の山崎安一郎が、音楽は「足摺岬」の伊福部昭が夫々担当する。出演者は「或る女」の京マチ子、「山椒大夫」の花柳喜章、「こんな美男子見たことない」の船越英二、「晩菊」の杉村春子に、青山杉作、進藤英太郎などで、語り手の老女の声は東山千栄子である。
    • 愛染かつら(1954)

      戦前松竹で戦後大映で、過去二回にわたって映画化された川口松太郎原作の再映画化。脚本は「心の日月」のコンビ田辺朝二と監督の木村恵吾が執筆している。撮影は「金色夜叉(1954)」の高橋通夫、音楽は「陽のあたる家(1954)」の万城目正。出演者は「或る女」の京マチ子、「叛乱」の鶴田浩二、「金色夜叉(1954)」の船越英二、伏見和子などである。
    • 或る女(1954)

      明治四十四年より大正二年にかけて雑誌“白樺”に連載された有島武郎の小説の映画化。「ひよどり草紙(1954)」の八住利雄の脚本を「雁(1953)」の豊田四郎が監督している。撮影は「無法者」の峰重義、音楽は「花と竜 第一部」の団伊玖磨。出演者は「地獄門」の京マチ子、「心の日月」の若尾文子、「燃える上海」の森雅之、「にごりえ」の芥川比呂志、「金色夜叉(1954)」の船越英二、浦辺粂子などである。
    • 地獄門

      イーストマン・カラーによる大映第一回総天然色映画で製作は永田雅一、菊池寛の原作「袈裟の良人」を「大仏開眼」の衣笠貞之助が脚色し、監督している。撮影は「浅間の鴉」の杉山公平、音楽監督を「続思春期」の芥川也寸志、美術監督を伊藤熹朔がそれぞれ担当している。出演者は「花の喧嘩状」の長谷川一夫、「あにいもうと(1953)」の京マチ子、「砂絵呪縛(1953)」の黒川弥太郎、香川良介、小柴幹治、「夕立勘五郎」の石黒達也、「南十字星は偽らず」の千田是也、「薔薇と拳銃」の田崎潤など。
      80
    • あにいもうと(1953)

      室生犀星往年の名作の再映画化。「愛情について」の水木洋子が脚本をかき「妻」の成瀬己喜男が監督にあたった。撮影は「胡椒息子」の峰重義。出演者は「黒豹」の京マチ子、「胡椒息子」の船越英二、潮万太郎、「獅子の座」の浦辺粂子、堀雄二、「再会(1953)」の森雅之、久我美子、などである。
      60
    • 黒豹

      小泉譲の原作を「母波」の田辺朝二、新人斎村和彦(大映助監督)が共同脚色し、「新婚のろけ節」の田中重雄、渡辺公夫がそれぞれ監督、撮影にあたった。音楽は「怒れ三平」の飯田三郎。「雨月物語」の京マチ子、「母波」の三益愛子、「山下奉文」の信欣三、「怒れ三平」の菅原謙二、高松英郎、星ひかる、「縮図」の菅井一郎などが出演。
    • 雨月物語

      上田秋成の「雨月物語」九話のうち「蛇性の婬」「浅茅が宿」の二つを採って自由にアレンジした川口松太郎の小説(オール読物)を原型として、川口松太郎、依田義賢が共同脚色した。製作の永田雅一、企画の辻久一、共に「大仏開眼」のトップ・スタッフ。監督、撮影は「お遊さま」以来のコンビ溝口健二と宮川一夫である。早坂文雄、伊藤熹朔がそれぞれ音楽・美術面の総監督にあたり、風俗考証を甲斐荘楠音、舞及び謡曲の指導を観世流の小寺金七がする。キャストは「大仏開眼」の京マチ子、水戸光子、「煙突の見える場所」の田中絹代、「妖精は花の匂いがする」の森雅之などの他俳優座の小沢栄、青山杉作が出演する。第13回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。
      90
    • 彼女の特ダネ

      企画は米田修。今日出海の原作から「人生劇場 第一部」の棚田吾郎と「白蘭紅蘭」の舟橋和郎が脚本を書き、「二人の瞳」の仲木繁夫が監督に当っている。撮影は「続馬喰一代」の相坂操一。出演者の主なものは、「大仏開眼」の京マチ子、「ハワイの夜」の小杉勇、「街の小天狗」の菅原謙二と若尾文子、「秘密(1952)」の船越英二、「春の鼓笛」の三宅邦子、「カルメン純情す」の東山千栄子、その他伊沢一郎、荒川さつき、大泉滉など。
    • 大佛開眼

      昭和二十七年度芸術祭参加作品として大映京都撮影所に於て社長永田雅一の指揮の下に製作、企画には松山英夫企画調整部長と辻久一が共同で当っている。原作は長田秀雄の戯曲で昭和十六年新協劇団によって上演され評判となったものである。脚色は「武蔵と小次郎」の八木隆一郎で、「修羅城秘聞 双龍の巻」の衣笠貞之助が監督に当り、「振袖狂女」の杉山公平が撮影している。配役は「勘太郎月夜唄」の人、長谷川一夫、「美女と盗賊」の京マチ子、「すっ飛び駕」の大河内傳次郎、黒川弥太郎、「怪談深川情話」の水戸光子、「暴力」の日高澄子、「利根の火祭」の坂東好太郎やその他多彩な助演陣である。
    • 美女と盗賊

      加賀四郎の企画で、芥川龍之介の名作『偸盗』から取材して、「月よりの母」の八木隆一郎が、「惜春(1952)」の監督木村恵吾に協力してシナリオを書き、木村恵吾が監督に当ったものである。「惜春(1952)」は木村監督が全部を手がけていないので、厳密に言えば、「三万両五十三次」に次ぐ同監督の作品ともいえよう。撮影は「母子船」の山崎安一郎である。衣裳考証を甲斐莊楠音が受持っている。出演者の主なものは、「滝の白糸(1952)」の森雅之と京マチ子に、「上海の女」の三國連太郎で、菅井一郎、北林谷栄、東野英治郎、加東大介、千秋実、志村喬、望月優子などが助演している。
    • 滝の白糸(1952)

      明治文壇の巨匠泉鏡花の原作から「西鶴一代女」の依田義賢が脚本を書き、「愛染橋」の野淵昶が監督し、「西陣の姉妹」の宮川一夫が撮影を担当している。なお衣裳考案を閨秀画家梶原緋佐子が受け持っている。主演は「長崎の歌は忘れじ」の京マチ子と「武蔵野夫人」の森雅之で、他に星美千子、進藤英太郎、羅門光三郎、浪花千栄子、殿山泰司などが助演している。
    • 踊る京マチ子歌ふ乙羽信子

      京マチ子による踊りと乙羽信子による歌唱を収録した短編レヴュー映画。同時上映「乞食大将」。
    • 長崎の歌は忘れじ

      「雪割草」の監督田坂具隆が原作を書き、再び監督に当たったもので、脚色は「若人の誓い」の沢村勉。撮影は「愛染橋」の伊佐山三郎、出演者は「浅草紅団」の京マチ子に根上淳、「群狼の街」の久我美子、松竹から大映へ転属した山内明のほか、滝沢修、瀧花久子、東山千栄子、特別出演に米人オペラ歌手アーリングトン・ロールマンなどである。
    • 浅草紅団

      川端康成原作「浅草物語」から「馬喰一代(1951)」の成澤昌茂が脚色し、「炎の肌」の久松静児が監督、同じく高橋通夫が撮影に当たっている。主演は「馬喰一代(1951)」の京マチ子と「十六夜街道」の乙羽信子で、斎藤紫香、杉狂児、根上淳、岡譲二、若杉紀英子などが共演している。
    • 馬喰一代(1951)

      原作は中山正男。「牝犬」の成澤昌茂と木村恵吾のコンビにより脚色、「牝犬」に次ぐ木村恵吾の監督作品。撮影は「東京悲歌」の峰重義。出演者は「完結 佐々木小次郎(1951)」の三船敏郎、「源氏物語(1951)」の京マチ子、「牝犬」の志村喬、「麦秋」の菅井一郎などの他、市川春代、星光、杉狂児、光岡龍三郎、小杉義男、水原洋一などである。
    • 源氏物語(1951)

      大映が創立十周年記念映画として永田雅一自ら製作者となり、企画課長松山英夫の企画、谷崎潤一郎監修、池田龜鑑校閲の下に、脚本は新藤兼人、演出は吉村公三郎、大映「自由学校(1951 吉村公三郎)」に次ぐコンビである。撮影は「緑の果てに手を振る天使」の杉山公平。出演者は「折鶴笠」の長谷川一夫、「海の花火」の木暮実千代、「牝犬」の京マチ子、「愛妻物語」の乙羽ね信子、「ひばりの子守唄」の水戸光子、「奴隷の街」の堀雄二、「逢魔が辻の決闘」の大河内傳次郎などの外に、相馬千恵子、長谷川裕見子、東山千栄子、滝沢修、本間謙太郎、菅井一郎、進藤英太郎等。
    • 牝犬

      脚本は「宮城広場」の成澤昌茂と木村恵吾の共同で「熱砂の白蘭」に次ぐ木村恵吾の監督作品である。撮影は「密林の女豹」の山崎安一郎である。出演者の主なものは、「情炎の波止場」の京マチ子、「青い真珠」の志村喬、「江の島悲歌」の久我美子他に北林谷栄、根上淳、加東大介、見明凡太朗、藤原釜足などの助演陣である。
    • 情炎の波止場

      「熱砂の白蘭」と同じく新藤兼人と棚田吾郎の協同による脚本で、「赤い鍵」の安田公義が監督にあたっている。主演者は、「自由学校(1951 吉村公三郎)」(大映)の藤田進と京マチ子で、それに柳永二郎、三井弘次などが助演している。
    • 自由学校(1951 吉村公三郎)

      松竹と競うことになったこの映画の大映側のスタッフは、製作は「紅蝙蝠(1950)」の服部靜夫で、脚色、監督、撮影は、「偽れる盛装」と同じく新藤兼人、吉村公三郎、中井朝一のトリオである。配役は南村五百助に、文芸春秋出版部長小野詮造こと小野文春、駒子には、「熱砂の白蘭」の木暮実千代、ユリには「恋の阿蘭陀坂」をあげた京マチ子、隆文には大泉滉、羽根田博士の徳川夢声、銀子の英百合子、辺見の山村聡、その他藤原釜足、藤田進、斎藤達雄、殿山泰司、荒川さつきなどである。
    • 恋の阿蘭陀坂

      「宮城広場」の箕浦甚吾の製作で、「暴夜物語」の松田昌一が脚本を描いている。監督は「蜘蛛の街」の鈴木英夫である。出演は、「偽れる盛装」の京マチ子に、相手役は「絢爛たる殺人」の菅原謙二が抜擢され、北河内妙子、千秋実、浦辺粂子などが助演している。
    • 偽れる盛装

      本年五月頃より、吉村公三郎監督が独立、新藤兼人の書卸し脚本によって準備を進めていた「肉体の盛装」を、このたび大映との提携によって着手、「偽れる盛装」と改題して世に送るもの。製作担当は、「赤城から来た男」の亀田耕司。演技陣は、「火の鳥(1950)」の京マチ子、「エデンの海(1950)」の藤田泰子、「二十歳前後」の北河内妙子、「東京の門」の村田知英子、「二十歳前後」の小林桂樹に、菅井一郎、進藤英太郎、殿山泰司、河津清三郎などである。
    • 羅生門(1950)

      芥川龍之介の小説『薮の中』を黒澤明が映画化。第12回ヴェネチア映画祭のグランプリ、第24回アカデミー賞の名誉賞(外国語映画賞)を受賞した。脚本は黒澤と橋本忍、撮影は宮川一夫。出演は、三船敏郎、森雅之、京マチ子。
    • 浅草の肌

      製作は小川吉衞。原作は濱田浩(東京日日新聞連載)。脚本は「痴人の愛(1949)」「蛇姫道中」の監督の木村恵吾と、「帰国」の岸松雄の協同で、監督は木村恵吾。カメラは「静かなる決闘」の相坂操一担当。主演は「私は狙われている(1950)」の二本柳寛と、「痴人の愛(1949)」「蛇姫道中」「遙かなり母の国」の京マチ子で、それに「一匹狼(1950)」「暴力の街」「氷中の美女」の植村謙二郎、「暴力の街」「白昼の決闘」の清水将夫、「女の四季」の藤原釜足、「魔の黄金」の伊沢一郎、「一匹狼(1950)」の菅井一郎、「笑う地球に朝が來る」の若杉須美子らが出演する。
    • 遙かなり母の国

      企画は「透明人間現わる」の奥田久司。原案は「愛染草」「蛇姫道中」の川口松太郎で、「サンデー毎日」所載のもの。脚本は「わたしの名は情婦」「蛇姫道中」(木村惠吾と協同)の依田義賢、監督は「山を飛ぶ花笠」(脚本・監督)「蛇姫道中」(構成)の伊藤大輔で、製作中の「われ幻の魚を見たり」を一時中止して本作品を製作した。カメラは「透明人間現わる」の石本秀雄の担当。主演の早川雪洲は「大楠公」「天下の伊賀越」「新しき土」などを最後に十三年前の一九三六年「ヨシワラ」出演のためフランスへ出発、そのまま戦火のパリに止まり、戦後アメリカに招かれて「東京ジョー」(コロンビア映画)にハンフリー・ボガードと主演、「三人は帰った」(二十世紀フォックス映画)にクローデット・コルベールと主演し昨年十月本作品に出演のため帰朝したものである。それに「影法師」「蛇姫道中」の山田五十鈴、「痴人の愛(1949)」「蛇姫道中」の京マチ子、「無頼漢長兵衞」の加東大介、三島雅夫、「甲賀屋敷」「影法師」の山本礼三郎らが共演する。
    • 蛇姫道中

      「山を飛ぶ花笠」の高桑義生の企画を「愛染草」の原作者川口松太郎が原案をねり「山を飛ぶ花笠」の脚本、監督を担当した伊藤大輔の構成を「わたしの名は情婦」の依田義賢が脚本を執筆し、木村恵吾も協力執筆している。監督には「痴人の愛(1949)」の木村恵吾に「海の狼」の丸根賛太郎が協力する。撮影は竹村康和と宮川一夫が協同担当する。出演者は「小原庄助さん」の大河内傳次郎「甲賀屋敷」の長谷川一夫と山田五十鈴を始め「痴人の愛(1949)」の京マチ子「待っていた象」の柳家金語楼と横山エンタツらがそれぞれ助演する。
    • 痴人の愛(1949)

      企画は「三つの真珠」につぐ清水龍之介で、谷崎潤一郎の原作から「月よりの使者(1949)」「仮面舞踏会」の八田尚之と木村恵吾が協同で脚本を書き「大江戸七変化」につぐ木村恵吾が監督する。キャメラは「三つの真珠」の竹村康和が担当する。主演は「地下街の弾痕」「三つの真珠」の京マチ子と「今日われ恋愛す」「四谷怪談(1949)」の宇野重吉で、それに「グッドバイ(1949)」「大都会の丑満時」の森雅之、「花の素顔」「悲しき口笛」の菅井一郎、「母呼ぶ鳥」「仮面舞踏会」の清水将夫、「わたしの名は情婦」の上田寛「海の野獣」の三井弘次、「三つの真珠」の近衛敏明らが出演する。
    • 三つの真珠

      もとマキノ・プロにいて「サザエさん(1948)」を撮った安達伸生の大映京都初演出作品、久米正雄の原作「三人姉妹の家」から脚色も安達伸生、企画は清水龍之介、出演は「男が血を見た時(1949)」の日高澄子「花くらべ狸御殿」の喜多川千鶴「地下街の弾痕」の京マチ子の三人姉妹の他に「男が血を見た時(1949)」の龍崎一郎、本作品に抜てきを機に桜英子と改名した丸山英子らである。
    • 地下街の弾痕

      大映京都が国家警察大阪管区本部の指導をうけて製作する密輸団検挙に活躍する警官隊の労苦をえがいた映画。企画は辻久一、監督は森一生、何れも「紅蓮菩薩」、脚本柳川真一、撮影石本秀雄は共に「最後に笑う男」のスタッフ。出演者は「最後に笑う男」でデビューした二本柳寛、京マチ子「静かなる決闘」の志村喬「最後に笑う男」の伊達三郎「地獄の貴婦人」の高田稔「わが恋は燃えぬ」の菅井一郎「白髪鬼」の大友柳太朗「黒雲街道」の阿部九洲男ら出演。
    • 花くらべ狸御殿

      企画は「月よりの使者(1949)」の清水龍之介。脚本・監督は「大島情話」につぐ木村恵吾で撮影は「春爛漫狸祭」の牧田行正が担当する。主演は「月よりの使者(1949)」「不良少女(1949)」の喜多川千鶴、大映第一回の水の江滝子、「嫁入聟取花合戦」の柳家金語楼「最後に笑う男」につぐ大映第一回の暁テル子、「最後に笑う男」の藤井貢、野々宮由紀、「のど自慢狂時代」の杉狂児、ビクター専属の竹山逸郎、久しぶりの灰田勝彦、それに村田宏寿、渡辺篤、新人の大美照子らが出演する。
    • 最後に笑う男

      「二十一の指紋」の米田治の企画。「初夜ふたたび」「青春賭博」の柳川真一の脚本を、新人監督安田公義が「その夜の冒険」についで出演する。カメラは「三十三の足跡」の石本秀雄の担当。出演者は民芸の滝沢修の「ボス」につぐ映画出演。「男が血を見た時(1949)」の日高澄子「月よりの使者(1949)」の伊達三郎「三十三の足跡」の藤井貢「ボス」の杉狂児、加東大介で、新人二本柳寛、京マチ子の大映入社第一回出演である。なお歌手の菅原都々子とタカタマ・サーカス団が特出する。
    • 団十郎三代

      【スタッフ&キャスト】原作:加賀山直三 脚本:川口松太郎 監督:溝口健二 撮影:三木滋人 音楽:彩木暁 出演:坂東好太郎/田中絹代/河原崎権十郎/飯塚敏子/京マチ子
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    2021年 第95回 キネマ旬報ベスト・テン 第1位作品&個人賞発表! 日本映画作品賞(日本映画ベスト・テン第1位) 「ドライブ・マイ・カー」   外国映画作品賞(外国映画ベスト・テン第1位) 「ノマドランド」   文化映画作品賞(文化映画ベスト・テン第1位) 「水俣曼荼羅」   【個人賞】 日本映画監督賞 濱口 竜介 「ドライブ・マイ・カー」「偶然と想像」 により   日本映画脚本賞 濱口 竜介 大江 崇允 「ドライブ・マイ・カー」により   外国映画監督賞 クロエ・ジャオ 「ノマドランド」「エターナルズ」により   主演女優賞 尾野 真千子 「茜色に焼かれる」 「ヤクザと家族 The Family」により   主演男優賞 役所 広司 「すばらしき世界」により   助演女優賞 三浦 透子 「ドライブ・マイ・カー」 「スパゲティコード・ラブ」により   助演男優賞 鈴木 亮平 「孤狼の血 LEVEL2」「燃えよ剣」「土竜の唄 FINAL」により   新人女優賞 河合 優実 「由宇子の天秤」「サマーフィルムにのって」「偽りのないhappy end」により   新人男優賞 和田 庵 「茜色に焼かれる」 により   読者選出日本映画監督賞 濱口 竜介 「ドライブ・マイ・カー」 により   読者選出外国映画監督賞 クロエ・ジャオ 「ノマドランド」により   読者賞 立川 志らく 連載「立川志らくのシネマ徒然草」により   特別賞 佐藤 忠男 70年以上の評論活動を通して日本の映画文化の発展に貢献をされた功績に対して   キネマ旬報ベスト・テン第2位以降の作品ランキングは、2月4日(金)発売『キネマ旬報2022年2月下旬ベスト・テン発表特別号』に掲載しております。 ご購入はコチラ

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    「2021年 第95回 キネマ旬報ベスト・テン」発表&表彰式 2月2日無料ライブ配信決定!! この度、2022年2月2日(水)19時より、キネマ旬報公式YouTubeチャンネルにて「2021年 第95回キネマ旬報ベスト・テン発表&表彰式」のライブ配信を行う事が決定致しました。 前年に日本で公開された映画の中から、厳選なるのべ120名以上の選考者の投票により、中立公平に選出された、その年に称賛すべき作品、映画人を表彰する「キネマ旬報ベスト・テン」。1924年に創設され、途中戦争による中断が2年あったものの、世界的にも非常に長い歴史を持つ映画賞であり、今回で95回目の開催となります。 2022年2月2日(水)19時~ 全16賞を一挙発表! 各受賞者へトロフィ授与する表彰式の模様をBunkamuraオーチャードホールよりライブ配信いたします! 【概要】 「2021年 第95回 キネマ旬報ベスト・テン」 ■日時:2022年2月2日(水)19:00〜  ■視聴方法:↓キネマ旬報公式youtubeチャンネルにて(事前に「チャンネル登録」をお願いします) https://www.youtube.com/watch?v=z4yoXBcWbJ0 ■「2021年 第95回 キネマ旬報ベスト・テン」全16賞 第1位(日本映画作品賞)、第1位(外国映画作品賞)、第1位(文化映画作品賞)、日本映画監督賞、日本映画脚本賞、外国映画監督賞、主演女優賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞、新人女優賞、新人男優賞、読者賞、読者選出日本映画監督賞、読者選出外国映画監督賞、特別賞 ※ベスト・テン表彰式の前に「映画感想文コンクール2021」の表彰も行います 選考者による投票結果など、2位以下を含めた全賞の詳しい結果につきましては、2022年2月4日(金)発売の「キネマ旬報2月下旬ベスト・テン発表号」に掲載いたします。こちらよりお求めください。 ●主催:キネマ旬報社 ●ICTパートナー:NTT東日本 ●会場協力:Bunkamura   【キネマ旬報ベスト・テンとは】 『キネマ旬報』は、1919(大正8)年に創刊し、現在まで続いている映画雑誌として、世界一の歴史を誇ります。最初に、キネマ旬報ベスト・テンを行ったのは、1924年度(大正13年)。当初は、編集同人のみによる投票で、〈芸術的に最も優れた映画〉〈娯楽的に最も優れた映画〉の2部門(外国映画部門のみ)でしたが、1926年(大正15年)、日本映画の水準が上がったのを機に、現在と同様〈日本映画〉〈外国映画〉の2部門に分けたベスト・テンに変わりました。戦争による中断があったものの、大正年間から継続的にベスト・テンは選出され続けており、2021年度のベスト・テンで95回を数えます。 「キネマ旬報ベスト・テン」の特徴 ■世界的にみても、非常に長い歴史を持つ映画賞(今回で95回を数える。ちなみに、アメリカのアカデミー賞は2022年で第94回となる)であること。 ■ベスト・テンという形で、その年を代表する「日本映画」「外国映画」「文化映画」を10本、さらに「日本映画」と「外国映画」には読者選出部門を設け、それぞれの10本を挙げるほか、「日本映画監督賞」「外国映画監督賞」「日本映画脚本賞」「日本映画主演女優賞」「日本映画主演男優賞」「日本映画助演女優賞」「日本映画助演男優賞」「日本映画新人女優賞」「日本映画新人男優賞」「読者選出日本映画監督賞」「読者選出外国映画監督賞」「キネマ旬報読者賞」と、その年の称賛すべき作品・映画人を多面的に選び出していること。 ■ベスト・テン及び各賞の選考者は、映画を多く見ている者に厳しく限定され、しかも選考者数が多く(2021年度はのべ120名以上)、さらにその年齢・所属の幅(映画評論家、ジャーナリストなど)も広いことから、当年の映画界の実勢を反映する、最も中立的で信頼に足る映画賞という評価を受けていること。 ■特別賞に関して 『キネマ旬報』は2019年に創刊100周年を迎え、1世紀にもわたり続けてこられたのは、多くの映画と映画関係者、何よりも映画ファンに支えられてきたからこそと確信しております。 そこで、100周年を迎えた2018年度より、改めて特別賞を設け、より、多くの映画人の業績を讃え、先達への敬意と感謝の意を表すべく、「キネマ旬報ベスト・テン 特別賞」を設けました。 (※過去にも2度、「特別賞」という名称での授賞がございましたが、本賞は創刊100周年を機に制定した新たな賞と位置づけております) ■文化映画に関して 「社会、文化、科学、芸術、教育といった教養的な視点から国内で制作された映像作品で、ドキュメンタリー映画や短編など、幅広いジャンルを取り扱っています。一般劇場公開はされてはいない、公民館やホール等で上映された作品も対象です」 [adchord]

    注目 2021年 第95回「キネマ旬報ベスト・テン」第1位作品&個人賞発表!

    2021年 第95回 キネマ旬報ベスト・テン 第1位作品&個人賞発表! 日本映画作品賞(日本映画ベスト・テン第1位) 「ドライブ・マイ・カー」   外国映画作品賞(外国映画ベスト・テン第1位) 「ノマドランド」   文化映画作品賞(文化映画ベスト・テン第1位) 「水俣曼荼羅」   【個人賞】 日本映画監督賞 濱口 竜介 「ドライブ・マイ・カー」「偶然と想像」 により   日本映画脚本賞 濱口 竜介 大江 崇允 「ドライブ・マイ・カー」により   外国映画監督賞 クロエ・ジャオ 「ノマドランド」「エターナルズ」により   主演女優賞 尾野 真千子 「茜色に焼かれる」 「ヤクザと家族 The Family」により   主演男優賞 役所 広司 「すばらしき世界」により   助演女優賞 三浦 透子 「ドライブ・マイ・カー」 「スパゲティコード・ラブ」により   助演男優賞 鈴木 亮平 「孤狼の血 LEVEL2」「燃えよ剣」「土竜の唄 FINAL」により   新人女優賞 河合 優実 「由宇子の天秤」「サマーフィルムにのって」「偽りのないhappy end」により   新人男優賞 和田 庵 「茜色に焼かれる」 により   読者選出日本映画監督賞 濱口 竜介 「ドライブ・マイ・カー」 により   読者選出外国映画監督賞 クロエ・ジャオ 「ノマドランド」により   読者賞 立川 志らく 連載「立川志らくのシネマ徒然草」により   特別賞 佐藤 忠男 70年以上の評論活動を通して日本の映画文化の発展に貢献をされた功績に対して   キネマ旬報ベスト・テン第2位以降の作品ランキングは、2月4日(金)発売『キネマ旬報2022年2月下旬ベスト・テン発表特別号』に掲載しております。 ご購入はコチラ