小泉今日子 コイズミキョウコ

  • 出身地:神奈川県厚木市
  • 生年月日:1966/02/04

略歴 / Brief history

神奈川県厚木市の生まれ。1981年、日本テレビ『スター誕生』の第35回決戦大会で優勝し、翌82年にシングル『私の16才』でアイドル歌手としてデビュー。83年の『真っ赤な女の子』がヒットし、“キョンキョン”の愛称とともに一躍トップアイドルの座についた。その後も『艶姿ナミダ娘』『なんてったってアイドル』『あなたに会えてよかった』などのヒット曲を連発。2010年末現在でオリコン・シングルチャートのベスト10入りした曲数では、女性ソロ歌手の中で歴代4位にランクインしている。最大で10社以上のCMに起用され、元祖“CMの女王”と呼ばれたほか、自らを“コイズミ”と名字で称したり、突然髪形を刈り上げカットにしたりと、従来のアイドルの常識を覆す行動も話題を呼んで、男女双方から支持を得た。トップアイドルとして活躍を続ける一方、83年の崔洋一監督「十階のモスキート」で、内田裕也演じる警察官の父親に小遣いをせびる“竹の子族”の娘役を演じて映画初出演。翌84年の西河克己監督による初主演映画「生徒諸君!」を経て、中原俊監督「ボクの女に手を出すな」86では大富豪の子供の家庭教師を依頼され、やがて誘拐事件に巻き込まれる天涯孤独の不良娘役で主演した。続く和田誠監督「快盗ルビイ」88では、真田広行演じる気弱なサラリーマンを翻弄する美女泥棒をチャーミングに演じ、毎日映画コンクール、ヨコハマ映画祭の主演女優賞を受賞。92年の滝田洋二郎監督「病は気から・病院へ行こう2」では、残された命を悔いなく明るく生きようとする、やや破天荒な末期ガン患者の女性を演じる。TBS『少女に何が起こったか』85、『花嫁人形は眠らない』86、『パパとなっちゃん』91、『僕が彼女に、借金をした理由。』94、日本テレビ『明日はアタシの風が吹く』89、フジテレビ『愛しあってるかい!』89、『あなただけ見えない』92、『まだ恋は始まらない』95などのテレビドラマにも多数出演し、女優としても着実に実績を重ねた。95年2月、かねてから交際中だった俳優の永瀬正敏と結婚。結婚後も人気に衰えは見られなかったが、三十路を迎えて歌手としてではなく、次第に女優業に主力がシフトしていった。山田洋次監督「虹をつかむ男・南国奮斗篇」97などを経て、猟奇殺人マニアの女性を怪演した本広克行監督「踊る大捜査線 THE MOVIE」98、本格アクション映画の闘うヒロインに扮したきうちかずひろ監督「共犯者」99、一人娘を故郷の北海道に残し、東京で風俗嬢として働く30過ぎの女性を演じた相米慎二監督の遺作「風花」01と、従来のイメージを大きく覆す役どころに次々と挑戦。粘りの相米演出に応え、女性の孤独と空虚を繊細に表現した「風花」では、報知映画賞の主演女優賞に輝いた。以後も、滝田洋二郎監督「陰陽師」01、豊田利晃監督「青い春」02、陣内孝則監督「ROCKERS」03などに出演を重ね、豊田監督と再び組んだ「空中庭園」05では、東京郊外の新興住宅地に暮らし、“家族のルール”に固執する主婦・絵里子役で、ブルーリボン賞、日刊スポーツ映画大賞など4つの主演女優賞を獲得。2006年公開の根岸吉太郎監督「雪に願うこと」では、北海道・帯広のばんえい競馬の厩舎で働く賄い婦役を演じる。この間もテレビドラマは、TBS『メロディ』97、『恋を何年休んでますか』01、『マンハッタンラブストーリー』03、『セーラー服と機関銃』06、『ハタチの恋人』07、フジテレビ『恋愛結婚の法則(ルール)』99、『黒い十人の女』02、NHK『武蔵/MUSASHI』03、日本テレビ『私立探偵濱マイク』02、『すいか』03、WOWOW『センセイの鞄』03などコンスタントに出演。また97年に地球ゴージャス『紙のドレスを燃やす夜』で初舞台を踏んで以降、蜷川幸雄演出『シブヤから遠く離れて』04、ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出『労働者M』06、岩松了演出『恋する妊婦』08、蒼井優らと共演した『楽屋・流れ去るものはやがてなつかしき』09など舞台でも精力的に活動する。映画出演もさらに加速し、土井裕泰監督「涙そうそう」06、川野浩司監督「LOVE MY LIFE」06、平山秀幸監督「やじきた道中・てれすこ」07、蜷川実花監督「さくらん」07、松岡錠司監督「東京タワー/オカンとボクと、時々、オトン」07、三木聡監督「転々」07などに助演。08年の大島弓子原作、犬童一心監督の「グーグーだって猫である」では、愛猫を失くした女流漫画家役で主演し、さらに黒沢清監督「トウキョウソナタ」では夫と息子ふたりの家庭をしっかり支えつつも、どこか現状に不満を抱えた主婦をリアリティたっぷりに演じた。この2作でキネマ旬報賞、報知映画賞の主演女優賞を受賞。以降も、再び猟奇殺人犯役を演じた「踊る大捜査線 THE MOVIE 3/ヤツらを解放せよ!」10、京都を舞台に大人の男女の群像劇を描いた「マザーウォーター」10と映画出演が続いた。私生活では永瀬と04年に離婚したが、11年公開の小林聖太郎監督「毎日かあさん」でその永瀬と夫婦役で共演したのも話題となった。

小泉今日子の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 碁盤斬り

    制作年: 2024
    草なぎ剛を主演に迎え、白石和彌が初挑戦した時代劇。身に覚えのない罪により、故郷・彦根藩を追われて娘の絹と二人、江戸の貧乏長屋暮らしを送る実直な浪人・柳田格之進。ある日、旧知の藩士から我が身に起こった冤罪事件の真相を聞いた格之進と絹は、復讐を決意する。共演は「1秒先の彼」の清原果耶、「ブラックナイトパレード」の中川大志。古典落語『柳田格之進』を元にした小説『碁盤斬り 柳田格之進異聞』を原作に、作者の加藤正人自身が脚本を執筆した。
  • とりつくしま

    制作年: 2024
    東直子の同名小説を、ENBUゼミナール・シネマプロジェクト第11弾作品として、娘の東かほり監督が映画化。人生が終わってしまった人々の前に“とりつくしま係”が現れ、この世に未練があるなら、モノとなって大切な人の傍で過ごすことができると告げる。とりつくしま係役は、「食べる女」の小泉今日子。
  • i ai

    制作年: 2022
    ロックバンド“GEZAN”のフロントマン、マヒトゥ・ザ・ピーポーが、自らの体験に基づき、初監督を務めた青春映画。兵庫県の明石。単調な日々を過ごす若者コウは、地元で有名なバンドマン、ヒー兄と出会い、その弟キラとバンドを組むことになるが……。出演はオーディションで応募者3,500人の中から抜擢された富田健太郎(「モダンかアナーキー」)、「花腐し」のさとうほなみ、「シン・仮面ライダー」の森山未來。
  • 漫才協会 THE MOVIE 舞台の上の懲りない面々

      制作年: 2024
      2023年に一般社団法人漫才協会7代目会長に就任したお笑いコンビ『ナイツ』の塙宣之が、漫才協会の改革を目指して自らメガホンを取ったドキュメンタリー。漫才協会員や多くの芸人が出演し、浅草・東洋館の舞台に思いを懸ける芸人たちと漫才協会の今を捉える。小泉今日子と『ナイツ』の土屋伸之がナレーションを担当。漫才協会外部理事である放送作家・高田文夫が本作の題字とお目付役を務める。
    • 映画の朝ごはん

        制作年: 2023
        長年にわたり映画やドラマの撮影現場で愛され続けてきた伝説の弁当屋『ポパイ』にフォーカスした異色ドキュメンタリー。ロケ撮影の定番の朝ごはん、ポパイのおにぎり弁当ができるまでの工程や、制作部による影の努力などを、様々なスタッフの証言を交えて映し出す。ナレーションを女優・歌手の小泉今日子が担当。沖田修一、黒沢清、瀬々敬久、樋口真嗣、山下敦弘といった映画監督たち、美術の磯見俊裕、俳優の内藤剛志など映画・ドラマに関わる様々なスタッフが出演。
      • 夢みる校長先生 子どもファーストな公立学校の作り方

        制作年: 2023
        公立の小学校や中学校において「子どもファーストな学校改革」に取り組む6人のユニークな校長先生を紹介したドキュメンタリー。普通の公立校でも、保護者が望めば、そして学校ルールのほとんどの決定権をもつ校長が決めれば、通知表や校則、定期テストや宿題を失くすことができる。子どもたちの自主性や自由を尊重する教育の在り方を見つめ、公教育を変えていこうとする人々を追う。プロデューサー・撮影・監督は「いただきます」シリーズのオオタヴィン。本作は「夢みる小学校」のスピンオフになっている。テーマ曲はRCサクセション、ナレーターは小泉今日子。