陣内孝則 ジンナイタカノリ

  • 出身地:福岡県大川市
  • 生年月日:1958/08/12

略歴 / Brief history

福岡県大川市の生まれ。1976年、地元・福岡でロックバンド“ザ・ロッカーズ”を結成し、ヴォーカルを担当。西南学院高校を卒業後、博多のライブハウスなどで活動するうちに、音楽プロデューサーの上野義美にスカウトされて上京し、80年のアルバム『WHO THE ROCKERS』でメジャーデビューを果たす。バンド活動の傍ら、石井聰亙監督「爆裂都市/BURST CITY」82に、ロッカーズのメンバーと、同郷で同期デビューのバンド“ルースターズ”の大江慎也らとともに出演。ロックとバイクレースに明け暮れる劇中のバンド“バトルロッカーズ”のリーダー役で、陣内が主演をつとめた。この年、ロッカーズは音楽性の違いなどから解散。84年のミュージカル『リトルショップ・オブ・ホラーズ』に出演後、86年の倉本聰脚本のフジテレビ『ライスカレー』で、高校時代の仲間とカナダに渡り夢を追う若者・アキラ役に抜擢され脚光を浴びる。以後は本格的に俳優に転向し、同年の倉本監督「時計/Adieu l'Hiver」、根岸吉太郎監督「ウホッホ探険隊」の助演を経て、梶間俊一監督「ちょうちん」87に主演。夭折した俳優・金子正次の遺構シナリオを基に、惚れた女のために足を洗おうとする癌に冒されたやくざをクールに演じて、ブルーリボン賞と報知映画賞の主演男優賞を受賞する。このニューウェーブ・やくざ路線は、梶間監督「疵」88、和泉聖治監督「極道(やくざ)渡世の素敵な面々」88、「さらば愛しのやくざ」90、工藤栄一監督「赤と黒の熱情」92と続き、俳優・陣内の初期イメージを形成した。一方、テレビドラマでは、ナンパやコンパに精を出す刑事たちの姿を描いたフジテレビ『君の瞳をタイホする!』88を皮切りにトレンディドラマ・ブームの火付け役となり、同局『愛しあってるかい!』89、『恋のパラダイス』90などでコメディ演技にも才能を発揮。NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』87、『太平記』91、『毛利元就』97などのほか、フジテレビ『並木家の人々』93、『名探偵・明智小五郎シリーズ』94~99、『ヘルプ!』『ひとりにしないで』95、『勝利の女神』96、『眠れる森』98、『愛をください』00、『カバチタレ!』01、TBS『イエローカード』93、『お兄ちゃんの選択』94、『ストーカー・誘う女』97、『まかせてダーリン』98、『天国に一番近い男』99・01、日本テレビ『出逢った頃の君でいて』94、『リミット・もしも、わが子が…』『バーチャルガール』00など、主演・助演を問わず数々のドラマに出演し、硬軟織り交ぜた芝居で活躍を続ける。シリアスもコメディも柔軟にこなす姿勢は映画でも同様で、和田誠監督「快盗ルビイ」88、和田勉監督「ハリマオ」89、戸井十月監督「風の国」91、石井竜也監督「河童」94などの異業種監督たちから、勝新太郎監督「座頭市」89、鈴木清順監督「結婚/陣内・原田御両家篇」93、滝田洋二郎監督「シャ乱Qの演歌の花道」97、大林宣彦監督「三毛猫ホームズの推理」98などのベテランまで、さまざまな監督に信頼を寄せられる実力派俳優となる。また、2001年のオムニバス映画「東京★ざんすっ」の一篇「ランニング・フリー」で監督業にも進出。長篇初監督となる「ロッカーズ」03では自身のミュージシャン時代の実体験を基に、バンドに青春を懸ける男たちの群像を活写し、一定の評価を得る。07年には森山未來主演で少年アイスホッケーチームを題材にした長篇第2作「スマイル・聖夜の奇跡」を監督した。その一方で、井坂聡監督「破線のマリス」00、中野裕之監督「RED SHADOW/赤影」01、須永秀明監督「殴者/NAGURIMONO」05、宮本理江子監督「チェケラッチョ!!」06、鶴橋康夫監督「愛の流刑地」07、水田伸生監督「なくもんか」09など数々の映画に出演。自身も足繁く通った博多の伝説のライブハウス“照和”の歴史を追ったフカツマサカズ監督のドキュメンタリー「照和・My Little Town/KAI BAND」10では、照和出身のアーティストのひとりとして顔を見せている。映画での活躍と並行してテレビドラマも、日本テレビ『探偵家族』02、『探偵学園Q』07、『ピースボート』11、フジテレビ『人にやさしく』『陰陽師☆安倍晴明・王都妖奇譚』02、『離婚弁護士』04、『みんな昔は子供だった』『不機嫌なジーン』『1リットルの涙』05、『ありふれた奇跡』09、TBS『笑顔の法則』03、『鉄板少女アカネ!!』06、『Tomorrow/陽はまたのぼる』08、テレビ朝日『電池が切れるまで』04、『交渉人/THE NEGOTIATOR』08・09、『小児救命』08、NHK『アイ’ムホーム・遥かなる家路』04、『鉄の骨』10、テレビ東京『最上の命医』11など、ほぼ途切れることなく出演を続ける。近年はもっぱら作品の要所を締める助演が大半となるが、ビートたけしの自伝的小説をドラマ化した03年のテレビ朝日『菊次郎とさき』では、たけしの実父がモデルとなる腕はいいが飲んだくれのペンキ職人・菊次郎役で主演し、昭和の頑固親父をペーソスたっぷりに好演。好評により05年、07年の続編でも引き続き主演をつとめた。

陣内孝則の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • ALIVEHOON アライブフーン

    制作年: 2022
    世界のトップレーサーたちがCGなしのリアルドリフトを披露する大迫力のカーアクション。eスポーツ界の天才ゲーマー、大羽紘一は、解散の危機に瀕したドリフトチームにスカウトされる。その実力を実車でも発揮する紘一の前に、数々のライバルたちが現れる。出演は「ビブリア古書堂の事件手帖」の野村周平、「ハニーレモンソーダ」の吉川愛。監督の下山天が企画構想に3年を費やした作品で、「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」でもテクニカル・アドバイザーを務めたドリフトキング、土屋圭市が本人役でも出演し、監修を務める。
  • 灰色の壁 大宮ノトーリアス

    制作年: 2021
    「仮面ライダージオウ」の主演、常磐ソウゴ役で大ブレイクした奥野壮の新境地開拓にして映画初主演作。平成初期の埼玉を舞台に、暴走族の抗争から暴力団までを巻き込み、少年刑務所へと収監された、ある男の実話を基にした暴力と義理人情、贖罪と挑戦を描いた物語。共演は「藍に響け」の紺野彩夏をはじめ、今勢いのある若手俳優たちに加えて、少年刑務所の看守・杉山役に陣内孝則など実力派が揃った。監督は「のりおくんとまっきーにゃ。楽しい歌舞伎町」(16)、「AntLion」(18)の安藤光造。レーサーの経歴(FIA公認国内A級ライセンス)を持ち、自身がプロデュースした映画「スピードマスター」や「ガクドリ」などでも独自のカーアクションを取り入れた手腕が本作でも発揮されている。
    40
  • 居眠り磐音

    制作年: 2019
    佐伯泰英原作の時代小説シリーズの実写映画化。故郷で起きたある哀しい事件により、脱藩して江戸で浪人暮らしをしている坂崎磐音は、その剣の腕と優しい性格で周囲から信頼されていた。ある日、用心棒をしている両替商が新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれ……。出演は、「孤狼の血」の松坂桃李、「羊の木」の木村文乃、「累 かさね」の芳根京子、「きみの鳥はうたえる」の柄本佑、「L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。」の杉野遥亮。監督は、「空飛ぶタイヤ」の本木克英。
    86
  • イタズラなKiss THE MOVIE3 プロポーズ編

    制作年: 2017
    1990年代に大ヒットした多田かおるの少女漫画映画化シリーズ最終章。琴子は頭脳明晰な直樹に憧れ続けていたが、彼は父の会社を助けるために取引先会長の孫娘との縁談を承諾。雨の中叶わぬ恋に悩む琴子を前に、直樹は傘を差しだし、本当の思いを明かす。監督はハイスクール編・キャンパス編に続き溝口稔。劇団EXILEの佐藤寛太が文武両道で眉目秀麗な直樹を、おっちょこちょいだけど前向きな琴子を「コープスパーティー」の美沙玲奈が引き続き演じる。
    90
  • イタズラなKiss THE MOVIE2 キャンパス編

    制作年: 2017
    多田かおる原作の人気少女コミックの映画化第2弾。高校を卒業し、晴れて入江と同じ大学に通うことになった琴子。しかし、入江を狙う才色兼備の裕子や彼女に片想いする須藤が現れ、琴子の恋はピンチに。さらに父・重雄が入江家との同居の解消を言い出し……。出演は、劇団EXILEの佐藤寛太、「コープスパーティー」の美沙玲奈、E-girlsの山口乃々華、「東京 ここは、硝子の街」の大倉士門。監督・脚本はハイスクール編に引き続き溝口稔。
    90
  • イタズラなKiss THE MOVIE ハイスクール編

    制作年: 2016
    1990年代に大ヒットした少女漫画『イタズラなKiss』の映画化前編。落ちこぼれ女子高生・相原琴子は、片思い中の天才イケメン・入江直樹にひどくフラれてしまう。その直後、家が崩れ琴子は入江家に居候することに……。同「~キャンパス編~」に続く。2008年のテレビアニメ版以来、同じく『イタズラなKiss』を原作にした作品に携わってきた溝口稔がメガホンを取る。ドジで明るい相原琴子を「コープスパーティー」の美沙玲奈が、頭脳・容姿・運動神経の3拍子揃った入江直樹を『劇団EXILE』のメンバー、佐藤寛太が演じる。また、アニメ版や海外ドラマ版の吹替などで琴子役を担ってきた水樹奈々がナレーションを務める。
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