小林稔侍 コバヤシネンジ

  • 出身地:和歌山県伊都郡かつらぎ町
  • 生年月日:1943年2月7日

略歴 / Brief history

和歌山県伊都郡かつらぎ市の生まれ。本名・小林稔侍(としじ)。県立笠田高校を卒業後、大学受験のためと称して上京して受けた東映第10期ニューフェイスに合格。1年間の養成機関を経て1962年に専属契約し、65年の小林勇監督「地獄の波止場」で俳優デビューする。以後、やくざ映画やアクション映画に多数出演し、「軍旗はためく下に」「現代やくざ・人斬り与太」72、「仁義なき戦い・頂上作戦」74などの深作欣二監督作品で認められる。また、どんな端役でも全力投球する姿勢が高倉健の目に留まり、以後、彼の主演作品のほとんどすべてに出演する。降旗康男監督「冬の華」78、大林宣彦監督「さびしんぼう」85での好演が光るが、遅咲きの花が大きく開花したのは、86年のNHK連続テレビ小説『はね駒』だった。無骨だが何気ない仕草に家族への愛をにじませるヒロインの父親を見事に演じて人気を獲得、翌87年には、やくざの用心棒を演じた山下耕作監督「夜汽車」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞し、人気・実力ともに認められる。以後も、森田芳光監督「おいしい結婚」91、市川崑監督「四十七人の刺客」94、井筒和幸監督「岸和田少年愚連隊」96などで芸の幅を広げ、山田洋次監督「学校Ⅲ」ではリストラされたエリート・サラリーマンを熱演。以後の山田作品の常連俳優となる。テレビドラマはほかに、TBS『HOTEL』90~95、『税務調査官・窓際太郎の事件簿』98~、日本テレビ『ちょっと危ない園長さん』93、NHK『銀行』94、『義経』05、テレビ朝日『味いちもんめ』95・96、『科捜研の女』99~02、『炎の警備隊長・五十嵐杜夫』03~、フジテレビ『婚カツ!』09など。長男・小林健、長女・小林千晴はともに俳優の道に進んだ。

小林稔侍の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • キネマの神様

    制作年: 2020
    松竹映画100 周年を記念した、山田洋次監督による人間ドラマ。助監督として撮影に明け暮れる青春を送ったゴウだったが、今ではすっかりダメ親父となっている。半世紀前にゴウが監督するはずだった映画の脚本が出てきたことから、彼とその家族は再び動き始める。志村けんの逝去を受け、新型コロナウイルス感染症の肺炎により亡くなった、志村けんが務める予定だった主人公のゴウ役を、志村の遺志を継ぎ沢田研二が演じる。また、若き日のゴウを菅田将暉が、妻の淑子とその若き日をそれぞれ宮本信子と永野芽郁が演じている。原作は、原田マハの同名長編小説。
    80
  • 海辺の映画館 キネマの玉手箱

    制作年: 2019
    大林宣彦監督が20年ぶりに出身地である広島県尾道でメインロケを敢行、戦争や映画の歴史を辿るファンタジー劇。尾道の海辺にある映画館が閉館の日を迎え、日本の戦争映画大特集のオールナイト興行を見ていた3人の若者がスクリーンの世界へタイムリープする。大林作品に多数出演する厚木拓郎と細山田隆人、「武蔵 -むさし-」に主演した細田善彦が銀幕の世界にタイムリープし移動劇団『桜隊』の運命を変えようとする3人の若者を、『桜隊』の看板女優を「野のなななのか」「花筐/HANAGATAMI」と近年の大林作品を支える常盤貴子が演じる。第32回東京国際映画祭Japan Now部門にてワールドプレミア上映、大林監督に特別功労賞が授与された。
    89
  • 男はつらいよ お帰り 寅さん

    制作年: 2019
    国民的人気を誇る山田洋二監督による「男はつらいよ」シリーズの22年ぶりとなる第50作。小説家になり、最新作の評判も上々の満男は、サイン会を行うことに。ところが、その列に並ぶ客の中に、初恋の人で一度は結婚の約束までした女性・イズミの姿を見つける。96年に亡くなった渥美清、倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆らレギュラー陣に加え、マドンナを務めた後藤久美子、浅丘ルリ子が出演。脚本は、山田洋次と「釣りバカ日誌」シリーズの朝原雄三。
    95
  • 妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII

    制作年: 2018
    山田洋次監督による喜劇「家族はつらいよ」シリーズ第3弾。三世代で賑やかに暮らす平田家の家事を担う主婦・史枝。ある日、コツコツ貯めていたへそくりを泥棒に盗まれたことをきっかけに、夫への不満が爆発。我慢も限界に達した彼女は家を飛び出してしまう。橋爪功、吉行和子、西村まさ彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優といったおなじみの平田家の面々のほか、シリーズ常連の小林稔侍、風吹ジュン、落語家の立川志らくが出演。脚本・平松恵美子、音楽・久石譲、撮影・近森眞史、美術・倉田智子ら、シリーズを支えるスタッフも集結。
  • 不能犯

    制作年: 2018
    同名コミック原作、立証できない手口で人を死に導く男を「ユリゴコロ」の松坂桃李が演じたスリラー。何一つ証拠が見つからない不可解な変死事件が相次ぎ、現場では確実に標的を死に至らしめると噂される宇相吹が目撃されていた。警察は彼を取り調べるが……。「貞子vs伽椰子」をはじめ数々のホラー作品を手がけてきた白石晃士がメガホンを取り、誰もが持つ妬みなどの危うい心を描く。共演は「新宿スワン」の沢尻エリカ、「ちはやふる」シリーズの新田真剣佑ほか。
    50
  • 星めぐりの町

    制作年: 2018
    数多くの映画やドラマなどで名バイプレイヤーとして活躍する小林稔侍の映画初主演作。娘とふたり暮らしの豆腐職人・島田勇作のもとに、東日本大震災で家族を失った少年・政美がやって来る。勇作とのふれあいの中で、政美は少しずつ心を再生させていくが……。共演は「関ヶ原」の壇蜜、「超高速!参勤交代 リターンズ」の神戸浩、「ボクの妻と結婚してください。」の高島礼子、「TAP THE LAST SHOW」の六平直政。監督・脚本は「蝉しぐれ」の黒土三男。音楽を「後妻業の女」の羽岡佳が手がける。2018年1月20日よりミッドランドスクエアシネマ、イオンシネマ豊田KiTARA、トヨタグランドにて先行公開。
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