劉丹青

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  • 英雄榜

    制作年: 1972
    反日空手映画が香港の銀幕に登場したのは一九七一年であった。この年、「竜虎門」(王羽主演)「精武門」(邦題「ドラゴン怒りの鉄拳」)(李少竜=ブルース・リー)「英雄榜」(張翼主演)などの反日空手映画の先駆的作品が生まれ、それぞれ入場者の数を書き変えるほどの大人気となった。「英雄榜」が他の作品と比べきわだって秀れているのは台湾籍の日本軍将校が重要な役割を演じているところにある。つまり、それまでの反日的な映画では、日本人にオベッカをつかう中国人というパターンが多く、向雄という青年を登場させたことで、戦前の台湾人の屈折した立場を描いたところにある。戦前の日本による台湾統治下で、心ならずも、従わざるを得なかった苦悩する中国人の姿であった。この向雄の描き方が、とくに東南アジアで、成功した原因だとプロデューサーの呉桐は言っている。この映画は香港、シンガポール、タイ、台湾、カンボジア、ベトナム、北アメリカ、南アメリカ、中東、ヨーロッパで公開され、約二百万人の人々がこの映画を観たと推定されている。とくに東南アジアでは、驚異的な興行成績をあげた。

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