クエンティン・タランティーノ クエンティンタランティーノ

  • 出身地:アメリカ、テネシー州ノックスヴィル
  • 生年月日:1963/03/27

略歴 / Brief history

【映画マニアからアメリカ映画界の寵児へ】アメリカ南部テネシー州の田舎町ノックスヴィル出身。母コニーは16歳でタランティーノを生み、その後、親子はロサンゼルス郊外へ引っ越す。少年時代のタランティーノは映画ファンの母に連れられて映画館へ通いつめ、コミックと娯楽雑誌を読みあさって成長する。IQテストでは150以上を記録するが学業に興味が持てず、16歳で高校を中退。ポルノ映画館でアルバイトをしながら、演技学校で演技を6年間学ぶ。21歳の頃、客として通っていたマンハッタン・ビーチ最大手のレンタル・ビデオ店、ビデオ・アーカイヴスの店員に。映画マニアの先輩店員ロジャー・エイヴァリーや客たちと映画について語りながら、あらゆるジャンル、国籍の映画を観まくる。この時期に未完成の処女作“My Best Friend.s Birthday”を作り、エイヴァリーと脚本を書き始めるなど、手探りでプロへの道を模索する。この頃、「トゥルー・ロマンス」の元となる脚本を書き上げ、監督デビューを狙うもなかなか実現せず、その間に「ナチュラル・ボーン・キラーズ」「レザボア・ドッグス」の脚本を執筆する。1991年、新人プロデューサー、ローレンス・ベンダーと組んで「レザボア・ドッグス」を自主製作しようとしていた矢先、脚本に興味をもった俳優ハーヴェイ・カイテルから連絡を受け、その後押しで映画を完成にこぎつける。同作は92年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映されて反響を呼び、サンダンス映画祭では受賞は逃したもののミラマックス配給で全米公開され、一気に注目を浴びた。翌93年、トニー・スコット監督で「トゥルー・ロマンス」が映画化されて大ヒット。「ナチュラル・ボーン・キラーズ」はオリヴァー・ストーンが監督する。94年、自身の監督第2作「パルプ・フィクション」がカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞し、デビューからわずか数年で映画界の寵児となる。【独自の人脈を築き、海外映画も紹介】ゴダールから和製ドラゴンまで幅広いジャンルをフォローする熱烈な映画マニアであり、影響を受けた映画の引用、パロディ、オマージュを自作に臆面もなく取り入れるのが特徴で、その極端な例が「キル・ビル」(03)。カイテルに見い出された自身の経験からか若手の発掘にも熱心で、レブ・ブラドックの「フェティッシュ」(96)、イーライ・ロスの「ホステル」シリーズの製作総指揮を手がけ、同時期にデビューしたロバート・ロドリゲスとは互いの作品に参加し合うなど、独自の人脈を築く。ゴダールの作品にちなんで命名した製作会社A Band Apartでは、ウォン・カーウァイの「恋する惑星」や北野武の「ソナチネ」、タイ映画「トム・ヤム・クン!」など自身の嗜好に合った映画を買い付けてアメリカ国内で配給し、海外映画のアメリカ普及にも熱意を注ぐ。

クエンティン・タランティーノの関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • モリコーネ 映画が恋した音楽家

    制作年: 2021
    2020年に逝去した映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの軌跡をたどるドキュメンタリー。彼が手掛けた数々の作品の名場面やワールドコンサートツアーの模様を交え、モリコーネ本人ほか70人以上の著名人のインタビューによって、彼の仕事術の秘密が明かされてゆく。モリコーネの弟子であり親友でもある、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が5年以上にわたる密着取材を敢行し完成させた。
  • ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド エクステンデッド・カット

    制作年: 2019
    レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの初共演作となるクエンティン・タランティーノ監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に新しい4つのシーンを加えた10分拡大版。11月15日から2週間限定、全国4館で日本公開。
    97
  • 天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント

      制作年: 2018
      CM製作やドキュメンタリー作品を手がけてきたハーマン・ヴァスケ監督が、世界で活躍する人物たちに何故クリエイティブなのか問うドキュメンタリー。膨大な数のインタビューからホーキング博士、北野武ら107人を抜粋、それぞれが語るクリエイティブ論を映す。
      97
    • ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

      制作年: 2019
      レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが初共演を果たしたクエンティン・タランティーノ監督作。1969年に実際に起きた、カルト教祖チャールズ・マンソンとその信奉者たちによる女優シャロン・テート殺害事件を題材に、ハリウッド黄金時代の光と闇に迫る。シャロン・テートを「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のマーゴット・ロビーが演じるほか、「Dear ダニー 君へのうた」のアル・パチーノ、「500ページの夢の束」のダコタ・ファニングが出演。
      99
    • ヘイトフル・エイト

      制作年: 2015
      クエンティン・タランティーノが仕掛ける密室ミステリー。吹雪でロッジに足止めを食らい一夜をともにすることになった7人の男と1人の女。殺人事件が起き、犯人も目的も不明のままそれぞれの素性が明らかになり、8人の過去が繋がり始める。出演は「ジャンゴ 繋がれざる者」のサミュエル・L・ジャクソン、ウォルトン・ゴギンズ、「デス・プルーフ in グラインドハウス」のカート・ラッセル、「キル・ユア・ダーリン」のジェニファー・ジェイソン・リー、「デンジャラス・バディ」のデミアン・ビチル、「グローリー 明日への行進」のティム・ロス、「ヘルライド」のマイケル・マドセン、「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」のブルース・ダーン。音楽を「鑑定士と顔のない依頼人」のエンニオ・モリコーネ、美術を「キル・ビル」の種田陽平が担当する。
      70
    • マイ・ファニー・レディ

      制作年: 2014
      本格的な劇場用長編としては『ブロンドと棺の謎』(01)以来、およそ13年ぶりとなるピーター・ボグダノヴィッチによる新作は、往年のスクリューボール・コメディにオマージュを捧げた文句なく楽しい傑作である。当人たちの意図せぬところで繋がっていく人間関係が笑いを誘う脚本が秀逸であり、転がるように進行する物語を淀みなく流れに乗せ、90分にまとめるボグダノヴィッチの熟練の技が冴えて素晴らしい。これぞ洗練の極みであり、ボグダノヴィッチ75歳にして新たな黄金期の到来を期待させてしまうほどである。オーウェン・ウィルソンやイモージェン・プーツ、脇を固めるジェニファー・アニストンやリス・エヴァンスなどのキャスティングも完璧。映画への愛が溢れ出る必見の1作である。第27回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門にて「シーズ・ファニー・ザット・ウェイ」の題名で上映された。
      80