9月でも海で泳いでいるのは凄いですね。日本人には寒すぎるわけですが、スウェーデンの人々は寒さに強い国民です。風車を設置して、エコロジーを実践しているのも垣間見れますし、国土の70%が森林という自然豊かな国が画面から感じられました。
「カルマル」という港町は、バルト海の拠点のようで、ここを支配する者はバルト海を支配するというナレーションにうなずけました。流石に、バイキングの子孫です。墓の形状も個性的で、船の形に墓石を並べていました。
厳しい自然環境のため、外へ外へと海に漕ぎ出していくことで活路を見出していたようです。
また同様に、森と湖の国です。放送の中でのザリガニ・パーティを愉しむ人々の姿も季節の風物詩のようでした。名残の夏を楽しむ知恵でしょう。
豊かな自然の恵みを国民みんなで味わえるように、自然享受権というものが確立しており、きのこや動物など自然の恵みを住んでいる人々が共有できることを知りました。自然との共生を感じさせる国でした。
首都ストックホルムは、北欧のヴェネチアと呼ばれており、14の島の上に街が築かれているそうです。ノーベル賞のブルーホールや黄金の間も映されていました。
流石に福祉国家ですから、育児休暇も充実しており、夫婦合わせて480日間とれるそうです。子供が8歳までなら男女どちらが取得しても良いのは羨ましいです。そして収入の8割まで保障されるわけで、日本との差の大きさが伝わってきました。それゆえ、専業主婦は2%しかいません。当然、責任も男女平等です。
収入の半分が税金というのにも驚かされますが、子どもの医療費も無料、学校も無料ということで、税金が好きという言葉が語られると日本との感覚の違いが浮き彫りになります。65歳から支給される年金で不自由はなさそうです。一人暮らしの高齢者が多いのですが、生活は普通に豊かに感じられました。福祉というのはこうでなくてはいけません。
死生観にも感心しました。森の中の墓地があり、森の中に遺骨がまかれている状況も映されていました。この散骨によって、人は死ぬと自然に帰るという意味合いが伝わります。墓石がないのも多く、船であの世に到達するという死生観は日本人とは違います。
夜行寝台列車で14時間、1000キロの旅で、北極圏に向かう旅は今回のハイライトかもしれません。ルーレオ駅からボーデン駅へ着きました。
森の中の不思議なホテルは、ツリーホテルといい、自然の中で生活したいという思いがかなえられるホテルでした。不思議な構造ですが、快適のようでした。流石に出されたシュールストレミングには閉口したようです。
北欧でも一番北へ向かう列車で、北極圏へ向かいます。先住民族、サーメの人々の生活ぶりに関心をもって眺めました。ヨークという歌もそうで、自然を信仰しているのが映像からも伝わりました。
ラボニア地域でのトナカイの放牧や伝統的な生活。ヘラジカとの出会いはありませんでしたが、ヘラジカの肉をご馳走になるなど、北極圏の生活ぶりも映されています。
関口さんのコメントです。「寒さが厳しいほど人は自ずと『準備』をする。だから日常が『簡素』で合理的になる。そして共有と福祉が可能になる。」という含蓄のある言葉が披露されていました。
最後は、国境という意味のリクスグレンセン駅に到着しました。ノルウェーとの国境線の街です。半年間、雪と氷に覆われる厳しい自然環境の中でも生活している家族を取り上げており、日本とは大きく違う生活ぶりや考えを見せてもらいました。