仲間を事故で亡くしバイクに乗らなくなった小規模暴走族。暴走族狩りをする中年会社員と手下?の若者。大規模な暴走族のリーダー。それぞれ三様の関係性を軸に描いた作品です。
印象的なセリフやカットありきでカメラを回している感じで、物語らしい物語はありません。
なんで会社員の地味なオヤジが暴走族狩りなんてしてるのか、手下の若者とはどういう関係なのか、背景が描かれることも説明も無し。
最後には、動機や意味が有るような無いようなままに願望通りの破滅に向かい、そもそも全てが幻想であったかもしれないとも受け取れるよう匂わせて終劇。。
焦燥、諦観、寂寥など、モラトリアム系心象投影としての行動をシャシンに焼いた、、ということなのでしょうが、今観ると、スノッブな独り善がりが少々イタい感じです。
70年代後半までは、この手の作風が前衛的だったのですが、本作の公開は1982年。既に世相はバブルへと向かい始めていた時代です。時代感に逆行していて、70年代前衛の残滓のように感じました。