医大も寮生活も経験しませんでしたが、通っていた大学のクラブ施設が職員不在で似たような雰囲気でした。
頭でっかちで、覚えたての難しい言葉で議論する。でも結局言い争いになってしまう場合も。
若いからか平気で図星を突いてしまい、カッとなって喧嘩してしまうんですね。
今思うともっとすべきことがあったと思うけど、どういう結果になったにせよ、夜通し強くもないお酒を飲みながら、夏は暑さに悶え、冬は寒さに震えながら、議論(雑談?)を囲んだ日々を思い出すのは、私だけではないと思います。
主人公の愛作は当初は学生運動にも参加したものの、何かのきっかけで冷めてしまい、そこからは平和なキャンパスライフを送る一般的な学生になっています。それが段々と、自責の念からか、迷いからか、追い詰められていく様が良く描かれています。
同じグループのキャストも、それぞれ強い個性がありますが、寝起きを共にする寮生の仲間にも比重が置かれています。
掴みどころのない斉藤洋介さん、熱い思想家の内藤剛志さん、熱血の阿藤海さん・・・。
キャストが多いにも関わらず、それぞれが立っていて、頭が混乱するという事が無く、とても不思議な感じがしました。カメオ出演? らしい著名人の方々演じる各科の医師たちも、少ししか出てこないのに印象に残る役です。
「こんな人いる/いたな~」という感覚に満ちる作品だと思います。これは星5ですよ!