BSフジ・ANIMAX放送のTVアニメーション
『レ・ミゼラブル 少女コゼット』第37〜40話を収録したDVD10巻です。
復活した「世界名作劇場」第24作にあたるのが本作。
人間の心の闇と信念の姿を強烈に描き、その本質を問う人間ドラマです。
(総合7.25/10点)
第37話「マリウスの誤算」★★★★☆7/10点
今回注目はマリウスの祖父という裕福な貴族の誤った考えの描写です。
マリウス起死回生の度胸(平民)を侮辱し、人として見ない見下した視点が
国の腐敗の原因の末端を如実に捉えています。しかも間違いに気づかない様はあまりに滑稽。
第38話「コゼットとエポニーヌ」★★★★★9/10点
数年を経て対峙し、本音で罵倒する姿は己の矮小さをさらに振りまく哀れな裸の王様。
親の愛情で変わる間逆の成長ぶりを二人の間に刻み込む強烈な名場面に仕上がっています。
民あっての国か、民は国に従属すべきか。同時に叫ぶ二つの正義の対極描写も素晴らしい。
第39話「1832年6月5日」★★★☆☆6/10点
ラマルク将軍の葬列の中、一発の銃弾が市民を激昂させ、ついに暴動が勃発。
次々と決起集結し、バリケードを築くメンバーの行動力と決意の大きさが緊張感を
煽ります。3角関係、ジャベールの策略、3者3様の行方が絡み合う急転直下です。
第40話「革命の夜」★★★★☆7/10点
ついに激突する警官隊vsアベセの友の会。バリケードを作る理由がやや不可解ですが、
重厚な音楽に乗せ、我々を高揚させる怒涛の革命劇に興奮必至。弱きを助ける
彼らの執念をあざ笑うかのような、社会的弱者の末路が空しく哀れでなりません。