石黒昇 イシグロノボル

  • 出身地:東京
  • 生年月日:1938年8月24日

略歴 / Brief history

(アニメーション作家)子供の頃からアニメや漫画が好きで、アルバイトで漫画を描いていたが、日本大学芸術学部映画学科の学生時代、8ミリフィルムで作ったアニメからアニメーションに興味が移る。大学卒業時、始まったばかりの国産TVアニメにアニメーターが不足しているのを知り、アニメーターとしてアニメ界に入る。最初の作画は虫プロの『鉄腕アトム』である。64年(株)テレビ動画社に入り、40年フフリーに。41年(有)動研、45年(有)JABと作画スタジオを仲間と作ってはつぶす数年間だったと本人はいう。65年のTVアニメ『海底少年マリン』からは演出にも転じた。スタジオ・ゼロの『怪物くん』(68)、虫プロの『ムーミン』(70)、『あしたのジョー』(70)、『新・ムーミン』(72)、『ワンサくん』(73)が主な初期のTV演出作品。『ワンサくん』のミュージカル指向などにこの人の娯楽作品指向はよく出ていた。74年オフィス・アカデミー製作の「宇宙戦艦ヤマト」のアニメーション・ディレクターを担当。SF作家豊田有恒のアイデア、漫画家松本零士のSFイメージ、キャラクター、メカ・デザイン、西崎義展プロデューサーのエネルギッシュさをよくまとめ、日本のSFアニメの流れをこの作品で大きく変えていった。第2次世界大戦の戦記フィルムを参考にしたり、上下左右のない宇宙の感覚、シュミレーション・ゲームのような攻防戦の見せ方、新しいSFメカのイメージやその戦闘の中におりこまれる若き主人公古代や森雪の淡いラブ・ストーリーが若いファンの心を捉えたのだ。初放送時、視聴率が悪く、39話の予定が26話で打ち切り、作品は尻つぼみの印象もあったが、総集編を劇場で公開するや、ファンの応援もあり、大ヒット。数年間のヤマト・ブームを生む。アニメ・ファンの行動力を一般に知らしめた作品でもあったのである。「さらば宇宙戦艦ヤマト」(78)でもアニメーション・ディレクターを担当、SF戦闘物の描写に数々の見せ場を作りだした。「超時空要塞マクロス」は、若者の心情をダイナミックなSFストーリーの中に折りこみ、力技ながら、若手の美樹本晴彦キャラ・デザイン、演出、作画陣をひきいて、劇場版にその精華を結晶させた。最近作「銀河英雄伝説」では、宇宙物でありながら、美形キャラをあまり動かない静的な表情で見せ、宇宙戦艦の戦闘もクラシック音楽をバックに重量感と優雅さを漂わせた。昭和53年、アニメの企画・製作会社(有)アートランドを設立、代表として現在に至る。若手を大胆に起用し、娯楽作品指向でベテラン健在である。

石黒昇の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • パッテンライ!! 南の島の水ものがたり

    日本領下の台湾に大規模なダムを建設した実在する日本人技師の姿を描くアニメーション。「ウルトラマンUSA」の飯村一夫が作画監督を務め、「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の石黒昇が監督した。声の出演は「劇場版 遙かなる時空の中で 舞一夜」の井上和彦、「テニスの王子様」シリーズの皆川純子、「魔方陣グルグル」の瀧本富士子など。
  • 第2回欽ちゃんのシネマジャック

    15分映画の5本立、1本300円、料金は見た本数分だけ自己申告で払うというユニークな上映方式で93年大きな話題を集めた、萩本欽一の製作総指揮による「欽ちゃんのシネマジャック」の第2弾。第1回に続き、萩本欽一監督による「なんかへん?」の第2作、「生きる」に続く山本晋也監督の「食べる」の他、アニメーションなど全6作。おまけとして前回一般公募した新人監督による1分間映画も。
  • 銀河英雄伝説 わが征くは星の大海

    未来の銀河系を舞台に2つの国家の戦いと若き将軍の活躍を描くアニメーション。田中芳樹の同名小説の映画化で、脚本は「魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞」の首藤剛志が執筆。監督は「メガゾーン23」の石黒昇、撮影監督は「妖獣都市」の石川欽一がそれぞれ担当。
  • メガゾーン23 PARTII 秘密ください

    巨大な権力に追われる若者たちが、反撃に出、メガゾーンの秘密を解明するまでを描くSFアニメ。オリジナルビデオ・アニメ劇場公開版。原作・総監修は前作「メガゾーン23」の石黒昇、脚本は同作の星山博之、監督は坂野一郎が担当。主題歌は、宮里久美(「秘密く・だ・さ・い」)。
  • メガゾーン23

    大都会をバイクで、無目的にぶっ飛ばす若者と、夫々の目的に向かってひたむきに生きる三人の少女との出会い、彼らの青春をSFタッチで描いたアニメーション。脚本は「ドキュメント 太陽の牙ダグラム」の星山博之、監督は「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の石黒昇がそれぞれ担当。
  • 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

    宇宙戦争下の愛と戦いにゆれ動く若者群像と人類誕生の秘密を描く、同名TVシリーズを劇場用に新たに製作したSFアニメ。脚本は富田祐弘、監督はTV「鉄腕アトム」等のベテラン石黒昇と、新人・河森正治がそれぞれ担当。
    90
  • まんが 花の係長

    『週刊ポスト』に十年以上に渡って連載された園山俊二原作の同名漫画のアニメーション化。第一話「男が燃える日」、第二話「悠々人生柄じゃない」、第三話「ケチケチ接待」、第四話「団交起て!全国の係長」、第五話「お色気マージャン」の五つのエピソードで構成されている。脚本は山崎晴哉、伊東恒久、城山昇の共同執筆、監督は岡崎稔、石黒昇がそれぞれ担当。
  • さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち

    昨年夏公開された「宇宙戦艦ヤマト」の続篇。巨大な白色彗星の出現による全宇宙の危機を救うためにふたたび戦いの旅に赴くヤマトの姿を描く。脚本は「宇宙戦艦ヤマト」を監督した舛田利雄とやはり同作の藤川桂介と山本英明の共同執筆、監督も同作の舛田利雄が担当している。
  • 宇宙戦艦ヤマト

    昭和四九年十日六日からTV放映された全二十六話より、「人間革命」の舛田利雄が人類の未来を賭け、旅立つ男たちの生きざまを中心に、再構成、監督する。製作総指揮・企画・原案は「ワンサくん」の西崎義展。脚本は山本暎一と藤川桂介の共同。1978年にTV放映された際に再編集され146分となり、以降このバージョンが最終版となった。

映画専門家レビュー

今日は映画何の日?

NEW今日誕生日の映画人 7/24

ジェニファー・ロペス(1969)

ハスラーズ

ニューヨーク・マガジンに掲載された記事を原案に、ウォール街を震撼させた驚愕の実話を映画化。ストリップクラブで働くデスティニーとラモーナは、リーマン・ショックの影響で客の入りが激減するなか、薬物を入れた酒を客に飲ませて大金を奪う計画を企てる。出演は、「クレイジー・リッチ!」のコンスタンス・ウー、「PARKER パーカー」のジェニファー・ロペス、「ボーン」シリーズのジュリア・スタイルズ。監督は「エンド・オブ・ザ・ワールド」のローリーン・スカファリア。

PARKER パーカー

ドナルド・E・ウェストレイクの小説『悪党パーカー』の映画化。強盗の復讐劇を描く犯罪アクション。出演は「トランスポーター」のジェイソン・ステイサム、「メイド・イン・マンハッタン」のジェニファー・ロペス。監督は「Ray/レイ」のテイラー・ハックフォード。脚本は「ブラック・スワン」のジョン・マクラフリン。
ガス・ヴァン・サント(1952)

ドント・ウォーリー

ガス・ヴァン・サント監督が風刺漫画家ジョン・キャラハンの半生を映画化。酒浸りのジョンは自動車事故により胸より下が麻痺し車いす生活を余儀なくされる。ますます酒に溺れ荒れる彼だったが、やがて持ち前の辛辣なユーモアを活かして風刺漫画を描き始める。俳優ロビン・ウィリアムズがジョン・キャラハンの自伝『Don't Worry He Won't Get Far on Foot: The Autobiography of Dangerous Man』の映画化権を得ており、当初からガス・ヴァン・サントを監督にと相談を持ち掛けていた。不屈のジョン・キャラハンを「ビューティフル・デイ」のホアキン・フェニックスが演じる。

追憶の森

富士山麓に広がる青木ヶ原樹海を舞台に、ガス・ヴァン・サント監督が豪華スターを迎え紡いだミステリードラマ。死に場所を求めて樹海に入ったアメリカ人男性が、瀕死の男性を助けようと出口を探しさまよう中で、人生を見つめ直していく。絶望の淵に立つアメリカ人男性を「インターステラー」のマシュー・マコノヒーが、妻子の元に戻ろうとする男性を「硫黄島からの手紙」の渡辺謙が、アメリカ人男性の妻を「インポッシブル」のナオミ・ワッツが演じる。第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

NEW今日命日の映画人 7/24

イーゴリ・タランキン(2010)

セルギー神父

監督作「戦争と平和」で米アカデミー賞最優秀外国語映画賞を獲得、俳優としても活躍したセルゲイ・ボンダルチュクが主演したトルストイ原作の人間ドラマ。婚約者の裏切りを知った近衛士官スチェパン・カサツキーは修道僧になるが、女性地主に誘惑され……。監督は「チャイコフスキー」のイーゴリ・タランキン。2008年、トルストイ生誕180周年記念ロシア名画フェスティバルにて上映(上映タイトル「司祭セルギー(神父セルギー)」)。2020年9月18日より開催のセルゲイ・ボンダルチュク生誕100周年記念特集にて2Kデジタル版が劇場上映される。

チャイコフスキー

ロシアの大地が生んだ偉大な作曲家チャイコフスキーの愛と苦悩を掘りさげる感動の人間ドラマであり、ソビエトのベストメンバーをよりすぐった名演奏による不滅のメロディが奏でられる音楽映画。総指揮・音楽監督を「ハイヌーン」「アラモ」「OK牧場の決闘」のメロディで名高いディミトリ・ティオムキン、監督・脚本はイーゴリ・タランキン、撮影はおそく世界にただ一人の女性撮影監督であろう、マルガリータ・ピリーヒナ、ほかに来日したボリショイ・オペラ、ボリショイ・バレエのメンバー、レニングラード管弦楽団、ボリショイ劇場管弦楽団、至宝ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー等々ソビエト音楽界のベストメンバーが演奏・出演している。出演は「ハムレット(1964)」のインノケンティ・スモクトゥノフスキー、「戦争と平和」のアントニーナ・シュラーノワ、世界バレエ界のプリマ・バレリーナのマイヤ・プリセツカヤ、「戦争と平和」のウラジスラフ・ストルジェリチクなど。カラー、七〇ミリ。