ルドルフ・ヴァレンティノ

  • 出身地:南イタリアのカステラネート生まれ
  • 生年月日:1895年5月6日

略歴 / Brief history

本名Rodolpho Alfonzo Raffaelo Pierre Filibert Guglielmi di Valentina d'Antonguollaとひどく長ったらしいが、この名からわかるように良家の出身。父はイタリアの軍人で、母はフランス人であった。幼いころ父が死に、タラントの軍属学校にはいり、海軍入りしたが、不良じみたところがあり、士官にはなれなかった。退籍して、農業をまなんだが、一家の金を使いこんでしまったため、逃げるようにして、ニューヨークへ渡った。18歳のときである。ニューヨークでの最初の仕事といえば、ジゴロ的役割。つまり男めかけみたいなものである。ケネス・アンガーはその著『ハリウッド=バビロニア』のなかで、彼をホモであったと断定しているが、むろん生存中はひたかくしにされていた。その後、ロング・アイランドの上流階級でガードマンをやったりもしたが、ダンスに熱をいれ、やがてダンス・ホールやクラブで踊って日銭を稼ぐようになった。人気ダンサーのボニー・グラスのパートナーをクリフトン・ウエッブ(のち「一ダースなら安くなる」に主演したあの男である)にかわってつとめるようになり、多少はその世界で知られはじめたが、窃盗と恐喝容疑で警察からにらまれ、ミュージカル“The Masked Model”にキャスティングされたのを機に、ニューヨークを脱出し、地方巡業へ。サンフランシスコでもダンスの舞台にたったり、ジゴロ的な生活をつづけていたが、仲間のすすめで、ハリウッドへ行き、18年“Alimony”の舞踏場面に5ドルで出演。「社交界の花形」、19年「孔雀の舞」、そして“Out of Luck”では主演をつとめたりしたが、このころはもっぱら色事師の悪役であった。20年、ジーン・アッカーと結婚したが、初夜にして逃げられた、というからまっとうではなかったようだ。その彼に目をつけたのは、メトロの女流脚本家で、実力者でもあったジューン・マジス(1892-1927)である。19年の「若き人の目」を見て、大作「黙示録の四騎士」の主役に抜擢したのだった。21年、26歳のときだ。プレミア・ショーからして爆発的な人気で、映画は記録破りのヒットとなった。時代があたかも、こうしたエキゾティックな甘い二枚目をもとめていたのだろうか。「黙示録の四騎士」では人妻と恋におちいるアルゼンチン青年にふんしているが、以後の彼の役柄といえば、アラビアの酋長(「シーク」)、スペインの闘牛士(「血と砂」)、メキシコ青年(「情熱の悪鬼」)、フランス宮廷の理髪師(「ボーケール」)、ロシア貴族(「荒鷲」)など、まさしくエキゾティシズムの美貌が売りもので、多少かげりのある性的魅力が女性観客をたまらなく熱狂させたのだった。21年、「椿姫」の美術監督ナターシャ・ランボヴァと再婚。同年、「征服の力」に主演後、ギャラが折りあわず、いまや名コンビといわれる脚本家のマジスとMGMを飛びだし、週給1000ドルでパラマウントと契約。21年の「シーク」、22年「血と砂」「ヤング・ラジャー」といずれも大成功したが、週給7000ドルの会社提案を、ヴァレンティノ夫人であるランボヴァが拒否し、約1年間は映画出演せず、全米にダンス興行をうったり、詩集“Day Dreems”を出版したり、ヨーロッパ旅行にでかけたりしてすごした。23年末、J・D・ウィリアムズのもとで製作したものをパラマウントが配給するということで、会社と妥結し、24年「ボーケール」「情熱の悪鬼」、25年「毒蛇」と主演したのち、ユナイトと週給1万ドルで契約したが、このときもランボヴァの口だしがうるさく、世間からも非難されるありさま。結局、この年、離婚した。ユナイトでは「荒鷲」「熱砂の舞」に主演したが、26年8月、潰瘍手術でニューヨークのポリークリニック病院へ入院。病院をとりまいた女性ファンの祈りもむなしく、23日の深夜12時10分、一代の美男俳優、スクリーンの恋人ヴァレンティノは、わずか31歳のいのちを絶った。その葬儀の日、街路は女性ファンでうめつくされ、泣き声がとだえることがなかった。ジェイムズ・ディーンの夭折とともに、ハリウッド二大悲劇とされるのもムべなるかな。残されたのは、20万ドルの借金。稼いだ額は500万ドルを軽くオーヴァーする……。ヴァレンティノの死後1年目、マジスも他界し、彼の墓とならんで埋葬された。ヴァレンティノの伝記映画製作は何度か企画され、51年、アンソニー・デクスター主演の「ヴァレンチノ物語」で実現したが、これはかなり事実をゆがめていた。67年にはマルチェロ・マストロヤンニがイタリアの舞台でミュージカルふうに演じた。180cm。髪は黒、瞳はブラウンだった。

ルドルフ・ヴァレンティノの関連作品 / Related Work

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  • ヤング・ラジャー

    「血と砂(1922)」「巨巌の彼方」等に世界的人気を走らせたルドルフ・ヴァレンティノ氏主演のパ社映画である。ジョン・アメス・ミッチェル氏の小説とアレセア・ルース女史の劇「アモス・ジャッド」から、ジューン・メイシス女史が脚色したもので、監督は「大陸突破」「世界的選手」等のフィリップ・E・ローゼン氏である。相手役はワンダ・ホウリー嬢、其他パット・ムーア君ジョセフ・スウィッカード氏バートラム・グラスビー氏スポッティスウッド・エイケン氏等老巧者が大分見える。
  • 血と砂(1922)

    「黙示録の4騎手」の原作者として広く知られるスペイン文豪ヴィセンテ・ブラスコ・イバネス氏の同名の小説を、「黙示録の4騎手」「征服の力」のジューン・メイシス女史が脚色し、「三銃士(1921)」「奇傑ゾロー」「性」のフレッド・ニブロ氏が監督したもの。主演は「シーク」「海のモーラン」「黙示録の4騎手」「征服の力」等に出演した米国第一の人気者ルドルフ・ヴァレンティノ氏で、相手役は「魂の入れ替」「屋上の椿事」出演のライラ・リー嬢と「狂える悪魔」「人生」等出演のニタ・ナルディ嬢である。その他パ社の名悪役ウォルター・ロング氏や「奇傑ゾロ」のジョージ・ベリオラット氏、ロバート・マッキム氏夫人たるドーカス・マシューズ嬢等が共演している。
  • 荒鷲

    アレキサンドル・プウシュキンの小説「デュプロフスキー」を基として「三人の女」「禁断の楽園」等と同じくハンス・クレーリー氏が脚色し「鷲鳥飼う女」「燻ゆる情炎」等と同じくクラレンス・ブラウン氏が監督したもので主役は「情熱の悪鬼」「ボーケール」等主演のルドルフ・ヴァレンティノ氏が演じ、相手役はイタリアから渡米した新しい花形のヴィルマ・バンキー嬢で「鷲鳥飼う女」主演のルイズ・ドレッサー嬢が主要な役を演じるほかジョージ・ニコルズ氏ジェームズ・マーカス氏等も出演する復讐と愛とのロマンスである。
  • 黙示録の四騎士(1921)

    西班牙の文豪イバネスの原作をジューン・メイシスが脚色し、「征服の力」で最近我国にも知られたレックス・イングラムが監督した大作品である。ルドルフ・ヴァレンティノ氏とアリス・テリーとが主役、そのほか著名の人が数多く出演している。製作に6カ月と百万ドル以上とを費やし、45万尺のネガティーヴと1万2千5百人の俳優と、14台のカメラと、15人の撮影監督助手を使ったと云うのもまんざらほらではないらしい。4騎士とはー―白い馬に跨る「征服」、赤い馬に跨る「戦い」、黒い馬に跨る「飢饉」、灰色の馬に跨る「死」の4騎士をいうのである。世界始まって以来常に戦争は人々を苦しめて来た。この20世紀に来てさえもその恐怖は人々を戦慄させた。野心止む時なき「人」を懲すため神の裁きの剣は抜き放たれたのである。壮大真に魂を驚かせる物語が展開されていく。米国映画界の興行上記録破りの大映画であるから上映の上は定めし我国でも大騒ぎとなろう。
  • 情熱の悪鬼

    米国の作家レックス・ビーチ氏原作の小説「綱の端」Rope's End をフォレスト・ハルシー氏が脚色し「悪魔の眠る時」「ストレンジャー」等と同じくジョセフ・ヘナベリー氏の監督したもの「ボーケール」に次ぐルドルフ・ヴァレンティノ氏の主演映画である。相手役にはスペインに生まれ、ジーグフェルド・フォリースから映画界に入り「強き者女よ」フォックスの「愚者」パラマウントの「人生の一即図」に出演したことのある新進のヘレナ・ダルジー嬢が選抜され、その他にニタ・ナルディ嬢、ダマール・ゴドウスキー嬢等の有名なヴァンプが出演する。アルゼンチンを背景の劇である。
  • ボーケール

    ヴァレンティノが長い間去っていた映画界へ復帰した第1回の作品で、ブース・ターキントン原著の小説及びターキントンとエヴェリン・グリーンリーフ・サザーランド合作の舞台劇に基づき、フォレスト・ハルシーが脚色し、「海底の大宮殿」「背中を掻いて頂戴」等と同じくシドニー・オルコットが監督した。ヴァレンティノの対手には、「刺激を追う女」「月の囁き」等主演のビービー・ダニエルス、「ベラ・ドンナ」等出演のロイス・ウィルソン、「霧の中の顔」「モリー・オー」等出演のローウェル・シャーマン、「不尽の熱火」等出演のドリス・ケニヨン等が出演する。
  • 情熱の楽園

    C・N及びA・M・ウィリアムソン氏共作の「ヘルキュリースの賓客」The Gauests of HelculesをJ・A・バリー氏が監督した社界劇である。主役はキャサリン・マクドナルド嬢で、対手として「暗黒の妖星」出演のノーマン・ケリー氏や、「凡ての女に一度」出演のルドルフ・ヴァレンティノ氏出演。「原作はさほど立派なものではないが、スターの演技も良いし、モン・カルロの雰囲気がよく出ている」とはニュース誌の評。
  • 征服の力

    「黙示録の4騎士」を監督製作して盛名を馳せたレックス・イングラムがそれに次いで監督したメトロ映画で、主役は前者同様ルドルフ・ヴァレンティノとアリス・テリーとでそのほか老巧な俳優が多数出演している。筋から言うと寧ろ守銭奴に扮するラルフ・ルヰスが主役の形もある。原作は最近公開された「巨人コラン」と同様有名なるバルザックの「ユーゼニー・グランデー」で、脚色はジューン・メイシスの手によったものである。
  • カミーユ

    仏国文豪アレクサンドル・デュマの原作の『椿姫』をメトロ社脚色部長ジューン・メイシスが脚色し、ナジモーワ夫人がメトロ社における最近の作品として製作されたもので、監督は前作映画と同様レイ・スモールウッドである。
  • シーク

    エディス・M・ハル原作の小説を「瞬間の瞬間」などと同じくモント・M・カッタージョンが脚色し、「エヴリー・ウーマン」「海の狼(1920)」などを監督したジョージ・メルフォードが監督したもので、主役は「黙示録の騎手」で有名なルドルフ・ヴァレンティノと、近頃売り出しのアグネス・エイアースとである。
  • 巨巌の彼方

    グロリア・スワンソン嬢ルドルフ・ヴァレンティノ氏共演のパ社映画でお馴染みのエリノア・グリン女史の同盟の小説をジャック・カニンガム氏が脚色し、「獣牙を脱れし女」等同様サム・ウッド氏が監督した映画である。知名の人々の顔が大分共演者中多い。
  • 海のモーラン

    フランク・ノリスの小説を、モント・M・カッタージョンが脚色し、「シーク」などと同じくジョージ・メルフォードの監督したもの、主役は「愚か者の楽園」主演のドロシー・ダルトンと、「シーク」主演のルドルフ・ヴァレンティノとである。
  • 凡ての女に一度

    「野心」Ambitionとして製作された映画を改題して発売せるもの、ドロシー・フィリップス嬢最後のジウエル映画である。嬢の夫君アレン・ホルバー氏の原作及び監督で、嬢の相手は「君国の為に」や「潮の花弁」等出演のロバート・アンダーソン氏とルドルフ・ヴァレンティノ氏とである。

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映画専門家レビュー

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ジェイソン・モモア(1979)

DUNE デューン 砂の惑星

アクアマン

「ワイルド・スピード SKY MISSION」のジェームズ・ワンによる海中バトル・アクション。人間として育てられた海底王国アトランティスの末裔アクアマン。アトランティスが人類の支配を狙い侵略を始めたとき、彼は地上と海、どちらを守るのか……。出演は、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のジェイソン・モモア、「リリーのすべて」のアンバー・ハード、「LION ライオン 25年目のただいま」のニコール・キッドマン。
ロバート・クレイ(1953)

チャック・ベリー ヘイル・ヘイル・ロックンロール

86年10月16日、セントルイスのフォックス・シアターで行なわれたチャック・ベリー“60歳バースデー・コンサート”の模様を中心に、インタヴュー、リハーサル風景などを盛り込んで“ロックンロールの王者”チャック・ベリーの姿を浮き彫りにするドキュメンタリー。製作はステファニー・ベネットとチャック・ベリー、監督は「ホワイトナイツ 白夜」のテイラー・ハックフォード、撮影は「プリック・アップ」のオリヴァー・ステイプルトン、音楽プロデュースはキース・リチャーズが担当。出演はメイン・バンドのベリーとリチャーズのほかに、ゲスト・ミュージシャンのエリック・クラプトン、リンダ・ロンシュタット、ジュリアン・レノン、コメンテイターのブルース・スプリングスティーンほか。

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