ブライアン・シンガー

  • 出身地:ニューヨーク
  • 生年月日:1965/09/17

略歴 / Brief history

【“アンユージュアル”な個性が生んだ“ゴールデンボーイ”】アメリカ、ニューヨークの生まれ。シンガー夫妻の養子となり、養父母とともにニュージャージー州のユダヤ人コミュニティで暮らす。高校卒業後、ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツで映画作りを学び、のちにロサンゼルスの南カリフォルニア大学映画芸術学科に移籍。大学卒業後に友人たちを役者やスタッフに起用して短編「Lion.sDen」(88)を監督する。これがきっかけで低予算の作品を作るチャンスが訪れ、長編第1作の「パブリック・アクセス」(93)を完成させる。この作品がサンダンス・フィルム・フェスティバルでグランプリを受賞。続く「ユージュアル・サスペクツ」(95)がアカデミー助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)、オリジナル脚本賞(クリストファー・マッカリー)ほか数多くの賞を受け、また興行的にも大成功を収めたことから第一線に躍り出た。続くスティーヴン・キングの中編小説の映画化「ゴールデンボーイ」(98)も興行的に成功する。次いで、「X―メン」の企画を、自らストーリーを書き下ろすことを条件に監督を引き受けた。2000年に公開されたこの作品は2本の続編(2作目もシンガーが監督)と1本のスピンオフを生む大成功を収めている。幼い頃から「スーパーマン」のファンだったシンガーは、「X-メン」3作目の監督を蹴って「スーパーマン・リターンズ」(06)を手がけ、08年にはトム・クルーズを主演に迎えた「ワルキューレ」をヒットさせた。【強烈な疎外感から生まれるパワー】映画学校、自主製作の短編、日本の助成団体出資による第1作、インディペンデント作品と、着実にキャリアを積み上げてメジャーにたどりつき、王道的な出世を果たした映画作家。 孤児である主人公に共感して「スーパーマン・リターンズ」を手がけ、ゲイであることをカミングアウトしているシンガーの作品に登場する人物には、強烈な疎外感を持っている者が多い。「ゴールデンボーイ」に登場する元ナチス高官の老人(イアン・マッケラン)と少年は、周囲からの孤立と疎外感とで強く結びつく。「X-メン」の主人公たちは“ミュータント(突然変異)”と呼ばれ、人類から迫害され、恐れられて生きねばならない存在である。「X-メン」中に“ミュータント”の息子に、「お前、それ治らないのかい?」と母親が問いかける場面があるが、これは同性愛的嗜好を治療すべき“病気”であると捉える伝統的差別の考え方を象徴するセリフである。人類に対して反旗を翻すミュータント集団のボスがナチスのホロコーストの被害者で、この人物をシンガー同様ゲイであることを公にしているイアン・マッケランが演じていることも興味深い。孤児、ユダヤ系、同性愛と、周囲との違いを痛烈に感じながら生きてきたであろうシンガーの人生が彼の作品の中には刻み込まれ、それがサスペンスやSFを器用にまとめあげた職人仕事以上の深みと哀しみを生んでいる。

ブライアン・シンガーの関連作品 / Related Work

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  • ボヘミアン・ラプソディ

    ブライアン・シンガーがメガホンを取り、伝説のロックバンド“クイーン”のリード・ヴォーカル、フレディ・マーキュリーの生き様を描く音楽ドラマ。既存の音楽を打ち破り、世界中で愛されるエンターテイナーとなったフレディ。その活躍の裏にあったものとは。フレディ役を熱演したのは、『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』でエミー賞を受賞したラミ・マレック。
    88
    • 感動的な
    • かっこいい
  • X-MEN: アポカリプス

    特異能力を持つヒーローたちの戦いを活写する「X-MEN」シリーズ6作目。1983年、封印されていた最古のミュータント、アポカリプスが復活。マグニートーらを従え世界を滅ぼしにかかる彼を阻止すべく、X-MENが立ち上がる。3D/2D同時公開。「X-メン」の前日譚にあたる「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」「X-MEN:フューチャー&パスト」より続く。監督は「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガー。「X-MEN」シリーズを手がけるのは4作目となる。ジェームズ・マカヴォイらが引き続き出演するほか、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」のオスカー・アイザックがアポカリプス役を演じる。
    80
  • X-MEN:フューチャー&パスト

    過去と未来、2つの時代を舞台に「X-MEN」の人気キャラクターが世界の危機に立ち向かうSFアクション。出演は「レ・ミゼラブル」のヒュー・ジャックマン、「つぐない」のジェームズ・マカヴォイ、「それでも夜は明ける」のマイケル・ファスベンダー。監督は「X-MEN2」以来のシリーズ登板となるブライアン・シンガー。2D/3D同時上映。
    80
  • U Want Me 2 Kill Him ユー・ウォント・ミー・トゥ・キル・ヒム

    2003年に英国で起きた衝撃的な事件を映画化したサスペンス。インターネットを通じて知り合った女性に好意を抱いた少年が、ネットの世界に没頭し、殺人を犯してしまう姿を描く。主演は「The Fifth Estate」のジェイミー・ブラックリー。「X-MEN:フューチャー&パスト」のブライアン・シンガーが製作。
  • ジャックと天空の巨人(2013)

    童話『ジャックと豆の木』を基に、「X-メン」のブライアン・シンガー監督が映画化した3Dアドベンチャー。巨人の大群に立ち向かう青年の壮絶なバトルを描く。出演は「アバウト・ア・ボーイ」のニコラス・ホルト、「ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日」のエレノア・トムリンソン、「ゴーストライター」のユアン・マクレガー。2D/3D同時公開。
    80
  • X-MEN:ファースト・ジェネレーション

    人気アメコミシリーズの最新作。遺伝子の突然変異によって超能力を身につけた“ミュータント”たちを二分させて反目しあう、プロフェッサーXとマグニート。ふたりの若き日の姿と決定的衝突を生み出してしまう事件を、壮大に映し出していく。監督は「キック・アス」のマシュー・ヴォーン。出演は「終着駅 トルストイ最後の旅」のジェームズ・マカヴォイ、「イングロリアス・バスターズ」のマイケル・ファスベンダー、「ノウイング」のローズ・バーン。
    80
  • ワルキューレ

    ドイツ国内で実行されたヒトラー暗殺計画を描くサスペンス・アクション。現在ではドイツの英雄として知られるシュタウフェンベルク大佐を、「ザ・エージェント」「マグノリア」のトム・クルーズが演じる。他の出演者も、「恋の骨折り損」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」のケネス・ブラナー、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのビル・ナイ、「ウォンテッド」のテレンス・スタンプなど名優たちが集まった。監督・製作は、「ユージュアル・サスペクツ」「X-メン」シリーズのブライアン・シンガー。脚本は、「ユージュアル・サスペクツ」でアカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞し、ブライアン・シンガーとは盟友であるクリストファー・マッカリー。
  • スーパーマン リターンズ

    クリストファー・リーブ主演による人気シリーズの続編。5年の時を経て地球に帰還したスーパーマンが仇敵レックス・ルーサーが企てる陰謀を阻止するヒーローアクション。リーブに代わってスーパーマンを演じるのは新人のブランドン・ラウス。共演は「ビヨンドtheシー」のケイト・ボスワース。監督は「ユージュアル・サスペクツ」や「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガー。
    70
  • X-MEN2

    超人的能力を持つミュータントたちの闘いを描くSFアクション第2弾。監督は、前作に引き続きブライアン・シンガー。パトリック・スチュワート、ヒュー・ジャックマン、ハリー・ベリー、アンナ・パキンら出演陣も再び顔を揃えた。
    80
  • X-MEN

    社会から疎外されたミュータントたちの葛藤と闘いを描くSFアクション。アメリカン・コミックスの同名メガヒット作を初めて映画化。監督は「ゴールデンボーイ」のブライアン・シンガー。脚本はデイヴィッド・ハンター。音楽は「アイアン・ジャイアント」のマイケル・ケイメン。出演はヒュー・ジャックマン、「スター・トレック」シリーズのパトリック・スチュアート、「ゴールデンボーイ」のイアン・マッケラン、「シーズ・オール・ザット」のアンナ・パキンほか。
    80
  • ゴールデンボーイ(1998)

    潜伏するナチ戦犯と、彼に接近して話を聞くうちにおのれの内部に巣食う邪悪さに目覚めていく少年の姿を描いたサスペンス。モダンホラーの巨頭スティーヴン・キングの『ゴールデンボーイ』(邦訳・新潮文庫)の映画化で、監督には「パブリック・アクセス」「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガーがあたった。脚本は監督の学生時代からの親友であるブランドン・ボイスで本作がデビュー作。製作はシンガーと「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のジェーン・ハンシャーとドン・マーフィ。撮影のニュートン・トーマス・シーゲル、音楽・編集のジョン・オットマン、衣裳のルイス・ミンゲンバックは「ユージュアル・サスペクツ」に続く参加。美術は「ブラックアウト」のリチャード・フーヴァー。出演は「17 セブンティーン」のブラッド・レンフロ、「リチャード3世」のイアン・マッケラン、「ポーリー」のブルース・デイヴィソン、「ハッピィブルー」のデイヴィッド・シュワイマー、「ラリー・フリント」のヤン・トリスカほか。
  • パブリック・アクセス

    目的も正体も不明の男がメディアの力を利用して一つの街を崩壊させていく過程を通じて、痛烈なメディア批判と集団心理の恐怖を描いた一編。不安感を増す、アップを多用した映像が目を引く。「ユージュアル・サスペクツ」で注目された映画作家ブライアン・シンガーの長編デビュー作で、日本のマスコミ関連企業3社から成る映画助成団体シネマビームの後援で完成。93年サンダンス映画祭で審査員グランプリを受賞し、次作「ユージュアル・サスペクツ」製作のきっかけとなった。脚本はシンガーとクリストファー・マックァリー、マイケル・フェイト・ドゥーガンの共同。製作はUCS時代にシンガーの同級生だった「ユージュアル・サスペクツ」のケネス・コーキン、音楽と編集も同作のジョン・オットマン。製作補はコーキンの高校時代からの盟友アダム・リップ。撮影はブルース・ダグラス・ジョンソン、美術はジャン・セスラー。主演はTV、映画、舞台で活躍するロン・マークェット。
  • ユージュアル・サスペクツ

    5人の悪党が集まった犯罪計画の顛末を、トリッキーかつ巧緻な構成で描いたクライム・ミステリー。「パブリック・アクセス」で93年度サンダンス映画祭グランプリを受賞した監督のブライアン・シンガー、脚本のクリストファー・マックァリーの新鋭コンビの第2作で、95年度同映画祭に招待上映されて以降、世界各国でロングラン・ヒットした。製作はシンガーと「ゴールデンボンバー」のマイケル・マクドネル。エグゼクティヴ・プロデューサーはロバート・ジョーンズ、ハンス・ブロックマン、フランソワ・デュプラ、アート・ホーランの共同。撮影は「プラトーン」「サーモンベリーズ」のトム・サイゲル、美術は「愛を殺さないで」のハワード・カミングス、音楽と編集は『パブリック・アクセス』のジョン・オットマンが担当。出演は「ミラーズ・クロッシング」「デッドマン」のガブリエル・バーン、「セブン」のケヴィン・スペイシー、「男たちの危険な午後」のスティーヴン・ボールドウィン、「ブロードウェイと銃弾」のチャズ・パルミンテリ、「カジノ」のケヴィン・ポラック、「父の祈りを」のピート・ポスルスウェイト、「ブローン・アウェイ 復讐の序曲」のスージー・エイミス、「サーチ&デストロイ」のダン・ヘダヤほか。第68回アカデミー・オリジナル脚本賞(クリストファー・マックァリー)、助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)受賞。96年度キネマ旬報外国映画ベストテン第7位。
    80
  • ブライアン・シンガーのトリック・オア・トリート

    『ワルキューレ』のブライアン・シンガー監督が製作を手掛けたホラー。1年の間でもっとも怖いハロウィンの夜を舞台に、凶悪な殺人鬼や白馬の王子様を探す乙女らが互いに絡み合う4編のストーリーが展開する。主演はオスカー女優、アンナ・パキン。【スタッフ&キャスト】監督・脚本:マイケル・ドハティ 製作:ブライアン・シンガー 出演:アンナ・パキン/ブライアン・コックス
  • テイキング・オブ・デボラ・ローガン

    『X-MEN:アポカリプス』のブライアン・シンガー製作総指揮によるホラー。アルツハイマーを患っている老女・デボラは言動がおかしくなっていく。突然狂暴になった彼女は包丁を振り回し、自らの皮を剥いで、背中にはおぞましいあざが出現する。【スタッフ&キャスト】監督・脚本・製作:アダム・ロビテル 共同脚本:ギャヴィン・ヘファーナン 製作総指揮:ブライアン・シンガー 製作:ジェフ・ライス 出演:ジル・ラーソン/アン・ラムゼイ/ミシェル・アン/ライアン・カトロナ
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