略歴 / Brief history
円谷家に当主・一郎の実姉セイに婿養子・勇を迎えて生まれた。10年、徳川好敏の日本初の公式飛行に刺激され、飛行機に強く憧れるようになる。14年、須賀川町立第一尋常高等小学校を卒業、同小学校高等科に入学。16年、高等科を卒業、上京し月島機械製作所に入社するが、一カ月余で退社、羽田の民間の日本飛行学校に入学するが翌年退校、神田の電気学校(現・東京電気大学)に入学。19年、天然色活動写真株式会社の技師長・枝正義郎の勧めで天活に入社、枝正に師事して撮影、現像術を学ぶ。20年、国際活映株式会社の天活買収により国活入社。同年、神田電気学校を卒業。21年国活退社、甲種合格現役兵として会津若松歩兵連隊に入営。23年、除隊になり上京、24年小笠原プロダクションに所属、26年京都の衣笠映画聯盟に参加、衣笠貞之助監督の「狂った一頁」に撮影助手としてつく。27年松竹京都の林長二郎(長谷川一夫)のデビュー主演作「稚児の剣法」でキャメラマンとしてデビューする。以後松竹京都に所属。32年、松竹を退社、日活に入社。34年日活退社、J・Oトーキー(後、J・Oスタジオ)に入社。36年、記録映画「赤道を越へて」監督第一作。同年、劇映画「小唄礫・鳥追お市」を監督。37年日独合作映画「新しき土」で日本初の本格的スクリーン・プロセスを完成、同年11月“東宝ブロック”併合により東宝東京撮影所に転じ、特殊技術課を創設し初代課長となり特殊効果撮影専門となる。40年阿部豊監督「燃ゆる大空」で日本カメラマン協会・特殊技術賞を受賞。42年「ハワイ・マレー沖海戦」で日本映画撮影者協会より技術研究賞を受賞。日本の映画界に特撮の重要性を認識させた作品である。44年、特撮専門スタジオ・航空教育資料製作所の責任者となる。48年、戦時中に陸海軍の嘱託となり、軍の各種教材映画製作に従事したため、公職追放指定を受け東宝を離れフリーとなり、円谷特殊技術研究所を設立、新東宝、松竹、大映、東横映画等の特撮を下請け製作。52年、追放解除となりフリーの立場で東宝に復帰。53年、戦後初の本格特撮、本多猪四郎監督の「太平洋の鷲」を手掛けた後、54年日本で最初の怪獣映画、本多猪四郎監督の「ゴジラ」の特撮で日本映画技術賞を受け、55年小田基義監督「ゴジラの逆襲」で世界初めて一枚タイトルで“特技監督”とクレジットされる。56年、豊田四郎監督のファンタジー「白夫人の妖恋」でカラー特撮に挑戦、同年にはカラー怪獣映画第一号「空の大怪獣ラドン」を、57年にはカラー・ワイドの「地球防衛軍」を発表、「地球防衛軍」で日本映画技術賞を受賞。59年日本神話を描いた稲垣浩監督の「日本誕生」で日本映画技術賞受賞。12月1日映画の日に特別功労者として表彰される。60年松林宗恵監督「太平洋の嵐」で初のカラー戦争特撮にタッチ。61年松林宗恵監督の終末SF「世界大戦争」で核戦争の恐怖をスクリーンに描いた。63年、円谷特技プロダクションを設立、社長に就任。同年谷口千吉監督の「大盗賊」で日本映画技術賞を受賞。65年本多猪四郎監督「怪獣大戦争」で同じく日本映画技術賞を受ける。66年、円谷自身監修による特撮テレビ映画「ウルトラQ」「ウルトラマン」(円谷プロ)で爆発的な怪獣ブームを巻き起こした。69年丸山誠治監督「日本海大海戦」が事実上の遺作となり、70年1月25日、狭心症心臓ぜん息のため永眠、享年68歳。没後、勲四等瑞宝章を贈られる。75年東映太秦映画村に映画の殿堂が設けられ、第一回殿堂入り。円谷英二はキャメラマンからスタートし、特殊効果撮影に転じ、戦記特撮、怪獣映画、ファンタジー、SFと様々なジャンルを手掛け、斬新なアイディアと大胆な構図、巧みな編集技術で日本の特撮を世界のトップ・レベルにまで引きあげ、“特撮のツブラヤ”の名は世界に轟き、日本の映画技術史上に偉大な歴史を作った。また、後進を多く育成し、特技監督システムの確立も円谷の大きな功績である。円谷は正確にはツムラヤと読むのだが、我々には親しみ深い“ツブラヤ”で通して読んでいいだろう。
映画専門家レビュー
今日は映画何の日?
NEW今日誕生日の映画人 3/5
- サラ・ジェシカ・パーカー(1965)
-
ローマ発、しあわせ行き
『SEX AND THE CITY』のサラ・ジェシカ・パーカーと「これが私の人生設計」のラウル・ボヴァが共演するロマンティック・コメディ。新宿シネマカリテの特集企画『カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016』にて上映。 -
ケイト・レディが完璧(パーフェクト)な理由(ワケ)
ワーキングマザーの苦悩をコミカルに描いたアリソン・ピアソン原作の小説『ケイト・レディは負け犬じゃない』を、「プラダを着た悪魔」のアライン・ブロッシュ・マッケンナの脚本、「Emma エマ」のダグラス・マクグラスの監督で映画化。出演は、ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』のサラ・ジェシカ・パーカー。 - 松山ケンイチ(1985)
-
BLUE/ブルー
-
ブレイブ 群青戦記
笠原真樹によるコミック『群青戦記グンジョーセンキ』を「亜人」の本広克行監督が実写化。スポーツ名門校の弓道部に所属する西野蒼は、自分に自信が持てず落ち込む毎日。そんなある日、校庭に一本の雷が落ち、学校の外の風景は見渡す限りの野原となってしまう。出演は「十二人の死にたい子どもたち」の新田真剣佑、「海辺の映画館 キネマの玉手箱」の山崎紘菜。
NEW今日命日の映画人 3/5
- ジョン・ベルーシ(1982)
-
Oh!ベルーシ 絶体絶命
シカゴの辣腕記者と、ロッキー山脈に住むマスコミ嫌いの鳥類学者の恋を描くロマンチック・コメディ。製作はボブ・ラーソン、製作総指揮はスティーブン・スピルバーグと、「ブルース・ブラザース」のバーリン・ブリルスタインが担当。「歌え! ロレッタ 愛のために」のマイケル・アブテッドが監督。脚本はローレンス・カスダン、撮影はジョン・ベイリー、音楽はマイケル・スモールが各々担当している。出演はジョン・ベルーシ、ブレア・ブラウン、アレン・ゴーウィッツ、ライアム・ラッセルなど。 -
ネイバーズ(1982)
静かな生活が,隣人夫婦のために破壊されるという喜劇。製作はリチャード・D・ザナック、デイヴィッド・ブラウン、製作指揮はアーヴィング・ポール・レーザー、バーニー・ブリルスタイン、監督は「ふたりでスローダンスを」のジョン・G・アヴィルドセン。トーマス・バーガーの『危険な隣人』(早川書房刊)をラリー・ゲルバートが脚色。撮影はジェラルド・ハーシュフェルド、音楽はビル・コンティが各々担当。出演はジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、キャスリン・ウォーカー、キャシー・モリアーティ、ローレン=マリー・テイラーなど。