テリー・ギリアムのドン・キホーテの映画専門家レビュー一覧

テリー・ギリアムのドン・キホーテ

構想から30年、紆余曲折を経て完成したテリー・ギリアム入魂の作品。仕事への情熱を失ったCM監督のトビーは、学生時代に撮影した映画のロケ地となった村を訪れる。そこで、自分をドン・キホーテだと思い込む老人と出会ったトビーは、冒険に旅立つが……。出演は「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」のアダム・ドライヴァー、「天才作家の妻 -40年目の真実-」のジョナサン・プライス、「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」のオルガ・キュリレンコ、「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」のステラン・スカルスガルド。
  • 映画評論家

    小野寺系

    苦節30年……! ついに「呪われている」とまで言われた企画が実を結んだのは感慨深い。とはいえ、完成したものを実際に見ると、想像していたより淡白な作品。とはいえ、主演のアダム・ドライヴァーが魅力的で、見ていてとにかく飽きないこのタイミングで映画化されて良かったと思わせる。ギリアム監督の重要なテーマである、夢を見ることの力や、夢を信じる意志を掲げた描写はアツく、これを個人的に不十分だと感じた「スター・ウォーズ」の結末としたいくらいだ。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    何度も頓挫した末に完成したこの映画に、良くも悪くもテリー・ギリアムその人の映画観を見る。主人公のCM監督は撮影に大苦戦。彼が学生時代に撮った映画の主人公と現地の村人たちは、その後の人生が狂ってしまっている。つまり映画に取り憑かれた者は、夢と現の間でもがき、結局人生をもち崩すというメタファーか。そうだとしても、ギリアムは自分を虜にしたものを映像にして残したかったのだろう。前半は話にキレがなく退屈だが、独創性と豪華な美術のクライマックスで少し挽回。

  • 映画評論家

    城定秀夫

    テリー・ギリアム79歳、あらゆる艱難辛苦を乗り越えて完成にこぎつけた隅から隅までギリアム印の映画で、聞き及ぶ製作過程同様、映画の内容も混沌としているがゆえになんとも面白く、監督が本物のドン・キホーテになるまで神がこの映画を撮ることを許さなかったのではないだろうか? などということすら考えてしまい、自分も映画人の端くれとして胸に迫るものがあった。ギリアム爺さんが無謀な闘いを挑み続けていたのは断じて風車などではなく、映画という巨大な魔物なのである。

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