センターラインの専門家レビュー一覧

センターライン

ソフトウェア技術者として働きながら自主映画を制作する下向拓生が手掛けたSF法廷サスペンス。自動運転が普及した安全な社会で、自動車による死亡事故が発生。新任検察官・米子天々音は、自動運転を制御する人工知能を過失致死罪で起訴しようとするが……。出演は、舞台を中心に活動する吉見茉莉奈、「かぞくわり」の星能豊。2019年4月6日より名古屋シネマスコーレにて先行ロードショー。
80
  • 考えさせられる
  • 映画評論家

    上野昴志

    自動運転を制御するAIのMACO2がかわいい。とくに、その機械的な眼の動き。対する吉見茉莉奈扮する新人の女性検事が、型通りやたら気負っているのは狙いだろうけど、彼女の名を読み違えたりするMACO2とのやりとりが面白い。それと、ここまで発達したAIは、殺人容疑で起訴されることもあるという発想がいい。仮に死刑判決が出たら、どうなるのかと考えてしまう。後半の、弁護士の攻勢に対して、検事側が反証していくあたりの展開は、もう少しじっくり見せて欲しかったが。

  • 映画評論家

    上島春彦

    アシモフの「ロボット三原則」は遠くなりにけり。という超低予算SFである。ロボットの殺意を立証できるか、というコンセプトなのだ。見過ごされてもおかしくなかったロボット犯罪が、主人公の女性検事の勝手な都合で裁判沙汰になる喜劇仕立ての発端から快調。物語が始まった時点で既に亡くなっている女科学者のキャラが鍵だが、これ以上は言えない。いわば女フランケンシュタイン博士だね。近未来なのだが現在とも言い得る、絶妙な設定のおかげで物語に引き込まれる。続篇を期待。

  • 映画評論家

    吉田伊知郎

    現実の進歩を見れば、近未来の人工知能をめぐる裁判劇にも妙なリアリティを感じさせる。だが、HALを出すまでもなく、映画の側に現実が寄せてきたことを思うと、人工知能の心というテーマは既視感があるだけに、スケールの大きくなる話を低予算で巧みにまとめあげた点以外は新味もなく面白がれず。アトムのロボット法のような人間への従属や差別される者、あるいは敬意を持って対等に扱われるというようなルールがあれば良かったが、劇中のAIは雑に扱われているだけに見える。

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