グリーンブックの専門家レビュー一覧

グリーンブック

2018年トロント国際映画祭で最高賞を受賞した実話に基づく人間ドラマ。1962年、天才黒人ピアニストが差別の残る南部でのコンサートツアーを計画し、イタリア系の用心棒トニーを雇う。ふたりは黒人用旅行ガイド『グリーンブック』を頼りに旅を始める。監督は、「愛しのローズマリー」のピーター・ファレリー。出演は、「はじまりへの旅」のヴィゴ・モーテンセン、「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」のリンダ・カーデリーニ。第91回アカデミー賞にて作品賞に輝いた。
89
  • 感動的な
  • ライター

    平田裕介

    主人公ふたりが車で回るのは米南部だが、その片方は黒人。どうしたって辛いシチュエーションが続くわけだが、その合間に同国ならではの国土だけではない懐の広さ、風景だけではない美しさも映し出す。実際に足を運んで目にしないとわからないアレコレを彼らの旅を通じて教えてくれる、ロードムービーとしての極上作品。黒人の作品の大好物=フライドチキンのエピソードを筆頭に、差別や偏見の芽となる先入観を笑いと涙の双方で活かすP・ファレリーの手腕はお見事。

  • 翻訳家

    篠儀直子

    映画として特別冴えているわけではないし、これだけの長距離を移動していながら土地ごとの風土が映像にほとんど表れてこないのももったいなさ過ぎるのだけれど、主人公ふたりの魅力がそれらを補って余りある。「誰これ?」と言いたくなるくらい増量してV・モーテンセンが演じたイタリア系(!)のトニーも、一歩間違えばただの偏屈男になるところをM・アリがエレガンスと知性で魅力的に造形したドクも、好きにならずにいられない。車内でフライドチキンを食べるくだりは、名シーン。

1-2件表示/全2件