解説
第二次世界大戦中、ウクライナの首都キエフの郊外で起きたバビ・ヤール大虐殺を全編アーカイブ映像で描いたドキュメンタリー。1941年、ナチス・ドイツ軍はキエフを占領し、そこに住むユダヤ人の殲滅を決定。二日間で33,771名のユダヤ人を射殺した。監督・脚本は、「国葬」のセルゲイ・ロズニツァ。第74回カンヌ国際映画祭ルイユ・ドール審査員特別賞受賞。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
-
映画評論家上島春彦全篇アーカイヴ・フッテージの凄味。最小限の説明字幕で鮮明な映像自体に語らせる。ナチによるユダヤ人大虐殺映画は数あるも、扱われるのはアウシュヴィッツの強制収容所よ... もっと見る
-
映画執筆家児玉美月星の数はこの映画の前ではもはや形骸化し何の意味もなさないが、ロズニツァのフィルムには、彼がこの映画を「アート」と形容するように、つねにその芸術世界へと否応なしに... もっと見る
-
映画監督宮崎大祐何者かがなんらかの意図を持って撮影した戦時中の記録映像をいま新たなる意図をもって再編集し映画作品に仕上げるという制作プロセスが浮かび上がらせるのは、現代において... もっと見る
「バビ・ヤール」のストーリー
1941年6月、ナチス・ドイツ軍は独ソ不可侵条約を破棄してソ連に侵攻する。占領下のウクライナ各地に傀儡政権を作りながら支配地域を拡大していき、9月19日にキエフを占領する。9月24日、統治体制の変化で混乱するキエフで大規模な爆発が起き、多くの市民が巻き込まれた。NKVD(ソ連秘密警察)がキエフから撤退する直前に仕掛けた爆弾を遠隔操作で爆破したのだが、ユダヤ人に嫌疑がかけられる。翌日、当局はキエフに住むユダヤ人の殲滅を決定し、全ユダヤ人に出頭を命じる。1941年9月29日から30日にかけて、警察南連隊とウクライナ補助警察の支援を受けたアインザッツグルッペ(移動虐殺部隊)Cのゾンダーコマンド4aは、キエフ北西部のバビ・ヤール渓谷で地元住民の抵抗を受けることもなく、33,771名のユダヤ人を射殺した。性別も関係なく、子どもも老人も身ぐるみを剥がされ、無慈悲に命を奪われたのだ。本作はホロコーストにおいて1件で最も多くの犠牲者を出した、人類史上最も凄惨な事件とその衝撃の結末を全編アーカイブ映像で描く。
「バビ・ヤール」の映像
「バビ・ヤール」の写真
「バビ・ヤール」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|
「バビ・ヤール」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | 社会派 戦争 |
製作国 | オランダ ウクライナ |
製作年 | 2021 |
公開年月日 | 2022年9月24日 |
上映時間 | 121分 |
製作会社 | Atoms & Void=Babyn Yar Holocaust Memorial Center |
配給 | サニーフィルム |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | カラー/スタンダード |
公式サイト | https://www.sunny-film.com/babiyar |
コピーライト | (C) Atoms & Void |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2022年10月上旬号 |
REVIEW 日本映画&外国映画 「バビ・ヤール」 UPCOMING 新作紹介 「バビ・ヤール」 |