クナシリ

くなしり KOUNACHIR
上映日
2021年12月4日

製作国
フランス

制作年
2019
上映時間
74分

レーティング
一般映画
ジャンル
社会派

check解説

旧ソ連出身でフランス在住の映像作家ウラジーミル・コズロフが、日本の北方領土・国後島の現実を捉えたドキュメンタリー。ロシア側の主張に偏ることなく、至るところに残る第二次世界大戦の痕跡を掘り起こしながら暮らす島民たちの生活の実態を映し出す。
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この作品のレビュー

映画専門家レビュー

  • 米文学・文化研究
    冨塚亮平
    北方領土について教科書的な知識しか持っていない私を含む多くの人間にとって、貴重な知見を授けてくれる一本であることは間違いない。日露の友好関係について耳触りの良い... もっと見る
  • 日本未公開映画上映・配給団体Gucchi's Free School主宰
    降矢聡
    国後島の歴史的な経緯やロシア、日本の政治問題に切り込まないことに若干物足りなさは感じる。しかし淡々とロシア人の現在と強制退去させられた日本人の痕跡を映し出す撮影... もっと見る
  • 文筆業
    八幡橙
    くすんだ、薄曇りの空の下に、荒れ果てた土地が広がる。名前だけしか知らなかった「国後島」の今の姿に、鑑賞中ずっと寒風に吹かれる思いがした。止まった時計が象徴するよ... もっと見る

「クナシリ」のストーリー

北海道からわずか16キロに位置し、かつては四島全体で約17,000人の日本人が生活していた北方領土。しかし、戦後の1947~48年にかけて強制退去が行われ、現在、日本人は一人もおらず、日本政府は問題が解決するまで、日本国民に入域を行わないよう要請している。本作は、日本人が容易に足を踏み入れることができないこの北方領土の国後島で暮らすロシア人島民らの生活、島の様子をありのままに映し出す。寺の石垣、欠けた茶碗、朽ち果てた船や砲台など、島のいたるところに第二次世界大戦の痕跡があり、島民らはそれらを土から掘り返すのと同時に、記憶の中から日本人との思い出も掘り起こし始める。日本人墓地は土に埋もれたまま無残に放置されており、島民らの生活圏も整備が行き届かない家やゴミが散らばり、荒れ果てるなど、忘れ去られたかのように寂しい風景が広がる。政治に翻弄され、複雑な思いを抱える島民たち。現状を嘆き、率直に生活苦を口にする彼らの厳しい暮らしについては、日本ではあまり知られていない。ロシア側の主張に偏ることなく、島に暮らす人々の証言や生活の実態を映した本作からは、本当に解決すべき問題や住民たちの真の願いが見えてくるはずだ。

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「クナシリ」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「クナシリ」のスペック

基本情報
ジャンル 社会派
製作国 フランス
製作年 2019
公開年月日 2021年12月4日
上映時間 74分
製作会社 Les Films du Temps Scelle
配給 アンプラグド
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
音量 5.1ch
公式サイト https://kounachir-movie.com/
コピーライト (C) Les Films du Temps Scelle - Les Docs du Nord 2019

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