解説
WEB連載中から話題を集めた燃え殻のデビュー作となる自伝的ベストセラー小説を映画化。バブル崩壊後の1990年代からコロナ禍の2020年まで、時代を彩ったカルチャーを交えつつ、テレビ業界の末端で働き続けた青年の恋と友情を抒情的なタッチで綴る。出演は「劇場版 『アンダードッグ』」二部作の森山未來、「タイトル、拒絶」の伊藤沙莉。阪本順治、犬童一心、林海象らの下で助監督を務めてきた森義仁の映画監督デビュー作。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
ユーザーレビュー
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Zotty
「思っていたような大人になれていない」「自分には何もない」と空虚さを抱える46歳の男。彼の25年間を描いた作品だが、振り返りで出てくるすべてのシーンが、とても鮮明で、美しくて、人間臭くて、刹那的。とてもリアルで、一つ一つに魅入ってします。実際、自分が過去を振り返って鮮明に思い出せるのは、香り立つような美しい瞬間がほとんど。苦い言葉やトラウマになっている感情すら、客観的には美しさを感じるシーンになる。今の自分は、そんな美しさの積み重ねでできている。
男が空虚なのは、そんな「美しい過去」が少ないからなんだと思う。「美しい過去」は今の自分を肯定するためにも美しく保つ。その上で、その「美しい過去」を増やし続けることが、望ましい人生なんだと思う。今を懸命に生きること。その瞬間の美しさに気づくこと。その大切さを考えさせられる作品だった。
「ボクたちはみんな大人になれなかった」のストーリー
1995年。ボク=佐藤誠(森山未來)は彼女=加藤かおり(伊藤沙莉)と出会い、生まれて初めて頑張りたいと思った。“君は大丈夫だよ。おもしろいもん”。初めて出来た彼女の言葉に支えられ、がむしゃらに働いた日々。1999年。“ノストラダムスの大予言”に反して、地球は滅亡せず、唯一の心の支えだった彼女はさよならも言わずに去っていった……。志した小説家にはなれず、ズルズルとテレビ業界の片隅で働き続けたボクにも、時間だけは等しく過ぎて行った。そして2020年。社会と折り合いをつけながら生きてきた46歳のボクは、いくつかのほろ苦い再会をきっかけに、二度と戻らない“あの頃”を思い出す……。
「ボクたちはみんな大人になれなかった」の映像
「ボクたちはみんな大人になれなかった」の写真
「ボクたちはみんな大人になれなかった」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ボクたちはみんな大人になれなかった」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2021 |
公開年月日 | 2021年11月5日 |
上映時間 | 124分 |
配給 | ビターズ・エンド |
レイティング | PG-12 |
アスペクト比 | 16:9 |
カラー/サイズ | カラー |
公式サイト | https://bokutachiha.jp/ |
コピーライト | (C)2021 C&I entertainment |
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