カウラは忘れない

かうらはわすれない
上映日
2021年8月7日

製作国
日本

制作年
2021
上映時間
96分

レーティング
一般映画
ジャンル
社会派 戦争

check解説

1944年8月5日、オーストラリアの捕虜収容所から1104人に及ぶ日本人捕虜が脱走した“カウラ事件”に迫るドキュメンタリー。正確に言えばそれは脱走ではなく“死ぬため”だった。「クワイ河に虹をかけた男」の満田康弘監督が、知られざる戦争の歴史を紐解く第2弾。出演は、事件の生存者である立花誠一郎、山田雅美、村上輝夫、今井祐之介、劇作家・演出家の坂手洋二。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る

この作品のレビュー

映画専門家レビュー

  • 映画評論家
    北川れい子
    集団脱走の目的はただ一つ、殺されて死ぬこと。いまは雑草が生い茂るだけのオーストラリアの大地に倒れた日本兵捕虜230人余の命。高齢の生存者の証言によれば、死ぬため... もっと見る
  • 編集者、ライター
    佐野亨
    近作では松林要樹「オキナワ サントス」と並んで、戦時そして戦後の忘れられた歴史に光を当てた作品。昨今さまざまな場面で誇り高き日本人などという美辞のもとに隠蔽され... もっと見る
  • 詩人、映画監督
    福間健二
    一九四四年八月、オーストラリアの収容所から日本兵一一〇四人が脱走して二四三人が死んだ。申し分ない待遇でも、脱走は「死ぬため」。その決行へと動いた集団心理の前提と... もっと見る

「カウラは忘れない」のストーリー

太平洋戦争中の1944年8月5日、オーストラリア東部の田舎町カウラに設立された第十二捕虜収容所から1104人に及ぶ捕虜が集団脱走した。日本人捕虜234人、オーストラリア人の監視兵ら4人が命を落とした“カウラ事件”。だが、正確に言えばそれは“脱走”ではなく、日本人捕虜の目的は“死に行く”ことだった……。オーストラリア側の捕虜の待遇は、日本軍とは違い申し分なかった。食事はあり余るほどで、捕虜たちは麻雀や花札、演劇など様々な娯楽を楽しんでおり、中でも大きな楽しみの一つが野球だった。手製のバットやグローブを器用に作り、班対抗の試合なども行われていた。捕虜の間に階級の序列はなく、重要事項は全員の投票を経て42の班の代表からなる班長会議に諮られ、決定した。形式的には民主的な秩序が成立していたのだ。収容所で手厚い保護を受けた生活を送るうち、捕虜たちの間には生への執着が確実に芽生えていた。しかし、そんな安穏な日々の中でも捕虜たちの頭を絶えず離れないことがあった。「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪過の汚名を残すこと勿れ」彼らを絶望的な集団脱走へと向わせたのは、捕虜になることを恥とした東條英機陸相による「戦陣訓」に象徴される旧日本軍の方針だった。決起への是非を問う投票で、生への希望に抗いながら、実に8割がトイレットペーパーの投票用紙に「○」(脱走に賛成)と書いた。そして、8月5日の深夜、静寂を破るかのように突撃ラッパが収容所に響き渡る……。

「カウラは忘れない」の映像

「カウラは忘れない」の写真

「カウラは忘れない」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「カウラは忘れない」のスペック

基本情報
ジャンル 社会派 戦争
製作国 日本
製作年 2021
公開年月日 2021年8月7日
上映時間 96分
製作会社 瀬戸内海放送
配給 太秦
レイティング 一般映画
アスペクト比 16:9
カラー/サイズ カラー
公式サイト http://cowra-wasurenai.com/
コピーライト (C)瀬戸内海放送

関連するキネマ旬報の記事

関連記事一覧
2021年9月上旬号 読者の映画評 「ライトハウス」船戸五郎/「カウラは忘れない」山内豊/「ジョーカー」増本力丸
2021年8月下旬号 REVIEW 日本映画&外国映画 「カウラは忘れない」
UPCOMING 新作紹介 「カウラは忘れない」

「カウラは忘れない」を観ているあなたにおすすめの映画

今日は映画何の日?

注目記事