「ラプソディ オブ colors」のストーリー
東京・西蒲田にあるバリアフリー社会人サークルcolors。ここでは障害者と健常者が一緒に楽しむイベントを月に10回開催している。その内容は、ソーシャルな学習会から素人寄席、僧侶の講話会、手相占い、三浦海岸でのバリアフリーバーベキュー、ミュージシャンと障害者が同じステージに立つオープンマイクまで多種多様。主宰者は、障害を抱えながら生きるシングルマザーの石川悧々。その仕事上のパートナーは、地域の障害福祉の立役者ながら、だらしなさ満載、NPO法人“風雷車中”理事長の中村和利。2人の元には、悩みを抱えて生き辛さを感じる人から、ただ呑んで愚痴を言いたいだけの人まで、様々な人々が訪れる。月イチで行われるオープンマイク・ライブには、歌いたい、聴きたい、踊りたい人が垣根なく集まってくる。重度知的障害を抱える青年げんちゃん、義足シンガーのマイキーさん、オープンマイクだけが楽しみの翔ちゃん、職場で虐待を受け、群馬から訪れる星野さんなど、個性的な参加者の“生”が迸る。カメラはそんな参加者のうち、3人の生活に密着。難病を患いながらも百人一首に曲をつけ、動画配信に希望を見出すジョプリン氏。脳性麻痺の肢体不自由がありながらデルヘル嬢を目指し、挫折するMayumiさん。“利用者とヘルパーの垣根を取り払う” ガイドヘルパー/ヒップホップダンサーのアライさん。そんなとき突然、colorsが入居する建物の取り壊しが決まり、長年連れ添った夫婦のような石川と中村の不思議な関係にも転機が訪れる。中村が神奈川県三浦市の市議会議員選挙に立候補したのだ。しかし、結果は最下位で落選。心機一転、2人は茨城県の曹洞宗寺院を巡る障害平等研修のツアーに出かけることに。監督もそれに同行してカメラを回したところ、映画は“障害を描くドキュメンタリー”から次第に逸脱し、思わぬ方向へ……。