解説
現代のアイヌ民族の姿を映し、第19回トライベッカ映画祭コンペティション国際長編部門審査員特別賞に輝いた人間ドラマ。アイヌコタンで暮らす少年カントは父を亡くしてからアイヌ文化から遠ざかっていた。デボはアイヌの精神や文化について教えていくが……。監督は、デビュー作「リベリアの白い血」が第65回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品された福永壮志。主人公・カント役の下倉幹人はじめ、アイヌの血を引く人たちが主要キャストを務め、三浦透子やリリー・フランキーらがゲスト出演している。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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フリーライター須永貴子アイヌの人々が現在向き合っているものを(おそらく丹念な取材で)拾い集め、アイヌの少年の成長物語として再構築。森や湖で、思春期とアイデンティティーというダブルのゆ... もっと見る
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脚本家、プロデューサー、大阪芸術大学教授山田耕大アイヌの古来からの習俗や儀式がしっかり描かれていて、とても興味をそそられた。「イヨマンテ」と言えば、古関裕而が作曲した〈イヨマンテの夜〉を思い浮かべてしまうが、... もっと見る
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映画評論家吉田広明イヨマンテは観光客を排して、アイヌのアイデンティティを再確認するため自分たちのためだけに行われ、閉ざされている。固有性を維持するためには閉ざすという選択は、開か... もっと見る
「アイヌモシリ」のストーリー
アイヌ民芸品店を営む母エミと北海道阿寒湖畔のアイヌコタンで暮らす14 歳のカントは、アイヌ文化に触れながら育ったが、一年前に父親を亡くしたことをきっかけにアイヌの活動に参加しなくなってしまった。アイヌ文化から距離を置く一方、友人たちと組んだバンドの練習に熱中。来年中学を卒業したら、高校進学のため故郷を離れる予定でいる。亡き父の友人でアイヌコタンの中心的存在であるデボはそんなカントを自給自足のキャンプに連れて行き、自然の中で育まれたアイヌの精神や文化について教えていく。少しずつ理解を示すカントの様子を見て、デボは密かに育てている子熊の世話を彼に任せることに。カントは子熊を世話するうちに愛着を深めていくが、デボは長年行われずにいる熊送りの儀式イオマンテを復活させるために子熊を飼育しており……。
「アイヌモシリ」の映像
「アイヌモシリ」の写真
「アイヌモシリ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「アイヌモシリ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2020 |
公開年月日 | 2020年10月17日 |
上映時間 | 84分 |
製作会社 | シネリック・クリエイティブ=ブースタープロジェクト(共同製作:日本映画専門チャンネル) |
配給 | 太秦 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://ainumosir-movie.jp/ |
コピーライト | (C)AINU MOSIR LLC/Booster Project |
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