解説
夫婦を演じたワン・ジンチュンとヨン・メイが、第69回ベルリン国際映画祭で最優秀男優賞&女優賞を受賞したヒューマンドラマ。1980~2010年代を背景に、事故で息子を亡くした夫婦が、乗り越えられない悲しみと罪悪感を抱きながら年を重ねていく姿を映し出す。監督は「我らが愛にゆれる時」のワン・シャオシュアイ。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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「在りし日の歌」のストーリー
国有企業の工場に勤めるヤオジュン(ワン・ジンチュン)とリーユン(ヨン・メイ)夫婦は、ひとり息子シンシンと中国の地方都市で幸せに暮らしていた。同じ工場の同僚であるインミン(シュー・チョン)とハイイエン(アイ・リーヤー)夫婦には、偶然にも同じ年の同じ日に生まれた息子ハオがいた。両親たちは、お互いそれぞれの子の義理の父母としての契りを交わし、息子たちは兄弟のように成長していく。そんな折、リーユンは第二子を妊娠。だが、“一人っ子政策”が進む当時の中国では二人目を産むことはできなかった。さらに、リーユンは手術時の事故で二度と妊娠できない身体になってしまう。ある日、ハオは川で遊ぼうとシンを誘うが、泳げないシンは頑なに拒む。怒ったハオはシンを残して一人で仲間たちのもとへ行ってしまうのだった。やがて、日が沈みかけた頃、数人の大人たちが必死の様子で川にやってくる。ハオは、体を震わせながら真っ青な表情で大人たちのその姿を見ていた……。大切なひとり息子を事故で失い、乗り越えられない悲しみを抱えたヤオジュンとリーユン。そんなふたりは、住み慣れた故郷を捨て、親しい友と別れ、見知らぬ町へと移り住む……。
「在りし日の歌」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「在りし日の歌」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 中国 |
製作年 | 2019 |
公開年月日 | 2020年4月3日 |
上映時間 | 185分 |
配給 | ビターズ・エンド |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
公式サイト | http://www.bitters.co.jp/arishihi/ |
コピーライト | (C)Dongchun Films Production |
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