「シー・デビル」のストーリー
醜女のルース(ロザンヌ・バー)を妻にもつ会計士のボブ・パチェット(エド・ベグリー・ジュニア)は、妻と共に出席したパーティで、ルースが人気女流作家メリー・フィッシャー(メリル・ストリープ)のドレスにワインをこぼしてしまったことがきっかけで、彼女に接近する。そしてその夜、メリーを家に送るという口実で、彼女と一夜を共にした。こうしてボブは、有名人の顧客をつかむと同時に、ロマンス小説の女王の愛人という地位を手に入れる。ボブの外泊が度重なり、不機嫌なルースは、ボブの両親の前で失敗をしでかし、ついにボブは彼女を捨て、メリーと暮らし始める。復讐のシー・デビルと化したルースは、ボブの財産である家を焼き払い、ニコレッタ(エリザベス・ピータース)とアンディ(ブライアン・ラーキン)のふたりの子供をメリーの家に置いてくる。さらに看護婦として養老院に潜り込んだルースは、メリーが厄介払いしていた母親(シルヴィア・マイルズ)を彼女のもとに送り返すのだった。突然の家族の出現に、メリーの生活は乱れに乱れ、執筆のペースは完全に崩れる。ルースは養老院で意気投合したフーパー(リンダ・ハント)と共に、ボブのもとへ刺客を放つため、女性専用の雇用代理店を始める。やがてボブから秘書のオファーが来た時、ルースは赤毛の美女オリヴィア・ハニー(マリア・ピティロ)を彼の元に送り込む。たちまちボブはオリヴィアと恋におちる。しかし束縛されるのが嫌なボブはオリヴィアを捨て、それを恨みに思った彼女はルースに、ボブが顧客の財産を自分の口座に振り込んでいることを告げ、ふたりは事件が発覚するようにコンピューターを操作する。こうしてボブは刑務所に送り込まれた。そしてルースの復讐も終わった。ロマンス作家として人気が失墜したメリーは、ボブとの体験を基にノンフィクション作家として再出発する。そしてサイン会の会場で、メリーとルースのふたりの女は悪魔の視線を交わしあうのだった。