「光州5・18」のストーリー
1980年。韓国・光州市。タクシー運転手のカン・ミヌ(キム・サンギョン)は早くに両親を亡くし、高校生の弟ジヌ(イ・ジュンギ)の親代わりであった。5月18日。ミヌは密かに想いを寄せている看護師のパク・シネ(イ・ヨウォン)とジヌの3人で映画を見に行く。上映途中、突然館内に逃げ込んできた青年を、追ってきた兵士が棍棒で激しく殴打、同時に館内は催涙弾の煙に包まれる。押し出されるようにミヌたちが外に出ると、そこは多くの兵士と逃げ惑う人々で騒然となっていた。全斗煥の退陣と戒厳軍の撤退を求めていた学生たちに対し、空挺特別部隊が見境なく打ちのめしていたのだ。この日、ジヌの親友も兵士に殴り殺された。軍のあまりの仕打ちに多くの市民が立ち上がる。ミヌはジヌの身を心配してデモへの参加を反対するが、ミヌ自身が軍に捕らえられ、川に飛び込み何とか脱出した。5月21日。道庁前でデモをしている市民に向かって、整列していた兵士たちが一斉射撃を開始する。逃げ惑う市民たちに容赦なく浴びせられる銃弾。倒れた多くの市民の中に、ジヌも含まれていた。シネの父親で、ミヌが働くタクシー会社の社長パク・フンス(アン・ソンギ)は、かつては空挺特別部隊予備役大佐であった。彼は、道庁の地下倉庫に保管されている大量の武器を手に、ミヌらと市民軍を編成、光州を死守することを誓いあう。一度は撤収した戒厳軍であったが、今度は戦車の大群で乗り込んできた。市民軍は道庁に立て籠り反撃する。パク・フンスは、シネのためにミヌを道庁から立ち去らせるが、ミヌもほかの男たちも闘う決意を固めていた。5月27日午前4時。道庁前に到着した軍は一斉射撃を開始、兵士たちが道庁内に突入するが……。