「勇者たちの戦場」のストーリー
アメリカ占領下のイラク。米軍前線基地デルタの軍医ウィル・マーシュ(サミュエル・L・ジャクソン)は母国アメリカへの帰還が近いことを知らされる。ウィルと同じワシントン州スポケーン出身のトミー・イエーツ(ブライアン・プレスリー)、その親友ジョーダン・オーウェンズ(チャド・マイケル・マーレイ)とジャマール・アイケン(カーティス・ジャクソン)、そしてヴァネッサ・プライス(ジェシカ・ビール)といった若い州兵たちも帰国の日を心待ちにしていた。彼らが最後の任務に就いたその日、部隊が現地に到着すると武装勢力が急襲。ヴァネッサは路上に仕掛けられた爆弾によって重症を負い、ジャマールは暗がりにいた非武装の女性に発砲してしまう。そして、逃走する敵を追いかけていたジョーダンはトミーの眼前で狙撃される…。間もなくウィル、トミー、ジャマールはスポケーンに帰郷、ジョーダンの葬儀に参列する。ウィルは我が家で妻子に再会を果たし、医師として病院に勤務することになるが、戦地での忌まわしい記憶が時折甦るのだった。トミーはジョーダンの恋人サラ(クリスティーナ・リッチ)に会い、ふたりは深い悲しみに暮れる。故郷での生活に順応できないトミーは、集団カウンセリングに通うようになり、そこでジャマールと再会する。彼もまた民間人を射殺したという事実が心的外傷となっていた。そんな中、治療を終えたヴァネッサが帰還、幼い息子が彼女を迎える。高校教師に復職したものの、右手を失い義手を着けて生活することはヴァネッサにとって辛い日々であった。ウィルはイラク戦争反対の意思を示す息子と口論になり、そんな彼に妻も不満をぶつける。家族間のすれ違いが日々大きくなる中、ウィルはアルコールに依存するようになる。一方、精神状態が極限に達したジャマールは拳銃を手に、恋人が勤めるカフェに立てこもる。そこへトミーが姿を現し、ジャマールの説得にあたるが……。