「カサノバ(2005)」のストーリー
18世紀、ヴェネチア。当代きってのプレイボーイ、カサノバ(ヒース・レジャー)は修道女との情事の後、教会の役人に追われ、女性の自由をめぐる討論が行われている大学の講堂へ逃げ込む。女性の解放を叫ぶ論客が男装を解くと、美しい女性が現れた。彼女の名はフランチェスカ・ブルーニ(シエナ・ミラー)。そこへ役人たちが講堂になだれ込み、カサノバは逮捕される。不貞、放蕩、異端行為、不法家宅侵入などの余罪で死罪を宣告されたカサノバだが、からくもヴェネチア総督の取りなしで放免となる。しかし教皇庁にマークされている彼が次の追手から逃れるためには、さらに強力な後ろ楯が必要だった。そこで総督はカサノバに、良家の子女との結婚を迫る。かくして花嫁探しが始まり、彼がターゲットにしたのはヴェネチア一の美少女で、処女の誉れも高い名家の一人娘ヴィクトリア。父親の反対にあうものの、本人自らの強い希望で婚約が成立した。ところが、ヴィクトリアの婚約を知った隣家の青年ジョバンニから決闘を申し込まれる。激しい剣技の応酬の末にジョバンニを打ち負かしたカサノバが、相手の仮面を剥ぐと、現れたのは例のフランチェスカ嬢だった。男顔負けの腕前を誇る彼女は、弟ジョバンニの身代わりだった。フランチェスカは決闘の相手が噂のカサノバとは知らず、本人を前にして鋭い舌鋒でカサノバを一刀両断する。プレイボーイとしての生き方を否定されたカサノバだが、逆にフランチェスカへ恋の炎を燃え上がらせる。しかし、彼女には親の決めた婚約者であるパプリッツィオという恋敵がいた。強敵の出現に、カサノバは早速パプリッツィオに接触し、容姿を気にする彼をフランチェスカ好みの男性に改造してみせると自宅に引き止める。そしてフランチェスカには、自分こそが彼女の婚約者だったと偽るが……。