「リトル・チュン」のストーリー
香港。リトル・チュン(ユイ・ユエミン)は食堂を営む父親ギン(ゲーリー・ライ)、母親、おバアちゃん(チュ・スーヤウ)、家政婦のアーミらと暮らす9歳の少年。元女優のおバアちゃんがかつて共演した広東オペラの大スター、ブラザー・チュンにちなんでつけられた名前だ。同い年の不法移民の女の子ファン(マク・ワイファン)と知り合った彼は、彼女と協力して近所のおなじみさんへの配達にいそしむ。出前を横取りするのが、街の長老ホイの長男で、店にも用心棒代をせびりに来るヤクザのデイヴィッド(ロビー)。みんなが彼を嫌っていた。そんなある日、自分にハンという兄がいることをおバアちゃんから聞かされたチュンは兄を探しに出る。ところがそれを知った父は激怒。不良になった兄は父から勘当されたのだ。父から激しい叱責を受けたチュンは家出、父は彼を探し回り、ファンの一家がそのとばっちりを受けた。デイヴィッドの店で強引に開かされたおバアちゃんの80歳の誕生日。この日ブラザー・チュンが逝去し、彼女は自分の誕生会にも出なかった。チュンはファンと九龍島の海辺に出かけ、彼はファンにたまごっちをプレゼント。だが楽しい日々は長く続かず、ファンはギンに脅されてチュンの隠れ場所を白状させられた。チュンは下半身丸出しで立たされる罰を食らい、おバアちゃん仕込みのブラザー・チュンの歌を歌う。ほどなく、おバアちゃんが亡くなった。なついていたアーミも帰国してしまい、チュンは寂しい。そして、香港返還の直前、ファンの一家も強制送還の憂き目に。チュンは一家の乗ったパトカーを追ったが、ふたりは会えなかった。