「結婚のすべて」のストーリー
--現代はセックスの時代か? 土井康子は姉の啓子夫婦の生活ぶりが気に喰わない。天気の日にも傘を持ち歩く大学助教授に、よく啓子がガマンしていると思う。兄の甲一郎も平凡な見合結婚をした。康子はモデルでバイトしながら“素顔座”の研究生をやっている。芸術ズイているのだ。私、だんぜん恋愛結婚するの。啓子の夫三郎の教え子、浩にあってグッと好きになった。が、彼は表は真面目な学生だが、夜はバーのバーテンをやっている。啓子のホームボディぶり(賢く、健康で、コケットな家庭婦人ぶり)を見た“新女性”編集長古賀は、彼女を記事にしようと追っかけはじめる。康子は浩と逢いびきし、接吻した。その下宿へ行くと、彼はその下宿の女といやになれなれしい。怒って帰ろうとしても、止めようとさえしない--せっかく、すばらしい恋愛結婚をして、情熱的な結婚生活をする気になっていたのに。啓子は古賀の誘いを断りつづけていたが、若い人たちを見習う気になり、古賀について、結婚相談所や、花嫁教室を見て回る。その帰途、彼と酒をのみ、ダンスをした。彼から誘惑されかけ驚いて逃げ帰った啓子は、夫にウソをついた。町で康子さんに会いましたの。ところが、康子は姉に会いに二階に来ていたのだ。彼女は浩の気持をもう一度確かめに行き、散々からかわれて、ひどく興奮してやってきた。彼は結局ひどい女たらしだった。--三郎は、啓子のウソをそのまま見逃す。啓子は、気づいて、夫にわび、二人は和解し抱擁する。それを見て、康子は彼らを理想的な夫婦だと思うようになる。古賀も啓子をあきらめ、その契約結婚(?)をしている妻ともう一年、契約を延期する。--啓子夫婦の上に、また新婚時代がやってきたようだ。康子は、父の会社の社員で、将来見合いをする予定の青年のところへ会いに行き、早速議論をはじめた。その二人の姿が都会の騒音の中を遠ざかっていった--。