「虚栄のかがり火」のストーリー
ウォール街で債権のトップ・トレーダーとして、ヤング・エグゼクティブの頂点を極めたシャーマン・マッコイ(トム・ハンクス)は豪奢な生活を楽しんでいた。妻のジュディ(キム・キャトラル)の目を盗んで、奔放な人妻マリア(メラニー・グリフィス)と浮気を楽しむマッコイは、ある日旅行から戻るマリアを迎えにケネディ空港へベンツで駆けつけ、そのままふたりの秘密のアパートへと向かったが、うっかりとブロンコスに迷い込んでしまった。ただならぬ気配におびえるふたりはマンハッタンへと戻る標識を見つけるが、その時ふたりの黒人に囲まれてしまう。ようやく黒人を振り切り、マリアが車を急発進させて難を逃れるが、このとき黒人のひとりをはねて重体に陥らせてしまう。黒人の宗教指導者べーコン牧師(ジョン・ハンコック)は、この事件をきっかけに地域の黒人の団結を図ろうとした。一方、酒浸りでしばらく特ダネから見放されていた新聞記者ピーター・ファロー(ブルース・ウィリス)は、ひょんなことからこのことを知る。さらにニューヨークの市長選に出馬しようとする地方検事エイブ・ワイス(F・マーリー・エイブラハム)も、このウォール街の白人エリートが黒人を轢き逃げしたという事件を告発することで、自分の選挙活動に利用しようと企んでいた。そんな思惑が渦巻く中ついにファローによる記事が新聞の一面を飾った。ベーコンは大衆を扇動し、ワイスとその部下はマッコイを告発。ついに警察の捜査が始まった。マッコイはジュディばかりかマリアにも去られ、人生最大の窮地に一気に追い込まれた。彼の運命はブロンクスの判事レオナルド・ホワイト(モーガン・フリーマン)の手に委ねられ、全てがマッコイに不利に作用して行く中、彼はマリアが自ら車を運転していたことを告白している盗聴テープを入手。一気に逆転無罪へと導くのだったが、彼にはもう以前の栄光は残っていなかった。そんな一部始終を記したファローは、マッコイとは対照的にピュリッツァー賞の授賞式にのぞむ時の人になっていたのだった。